好きなことを学びたい人に向けたクリエイティブの学びを提供するスクールビジネスを展開するバンタン。全国19拠点にて、ゲーム・アニメ・ファッションなど多岐にわたるスクールを展開していますが、2026年4月には東京と大阪でバンタンミュージックアカデミーが開校する予定です。
開校に先駆けて、9月6日には「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサルミュージック 粗品氏特別講義」が実施されました。
ステージ上に登壇した粗品さんからは「(音楽には)正解がないので選択肢の提案をしたい」という旨と「技術以外の話は自分の感覚なので通常より捻くれているうえに、音楽で売れているわけではない」という前置きのもと、特別講義がスタート。自身が手がける作詞と作曲についての講義がなされました。
まずは作詞に関して。粗品さんは作詞をどうやって行なっているのかについて、テクニックとして表現の工夫をしていると語り「表現の工夫は押韻・言葉遊び・シンプルさ」に起因すると解説します。自身が作詞を手がけたNHK Eテレアニメ「青のオーケストラ」のED曲「夕さりのカノン feat.『ユイカ』」を引き合いに出して、退屈な状態をストレートに表現するのではなく情緒的に想起させることをテクニックとして行なったとのこと。
続けて粗品さんは「(作詞で)文化的な表現をすると評価されやすい。回りくどいと思われるような表現もできるのが歌詞で、投げっぱなしにしたとしても聴いた人が解釈してくれる」と語ります。合わせて韻を踏みつつ意味も通すことの大事さや、そんなテクニックや工夫をしつつも言葉遊びとしてのシンプルさも大事であると語りました。
作詞に続いて作曲に関して、やり方は「コードを先に決めて(歌詞を)当てるか、鼻歌にコードを当てる」大まかなやり方が存在しており、コードを先に決める場合も感覚で行うか理論立てて行うかの方法があると述べます。ここで感覚的なコード進行に関する解説も行われ、1つの曲にもいろいろなコード進行がつけられるということ、(コード進行を)無理矢理やっても現代音楽では解釈してくれる可能性もあることが話されました。
作詞と作曲をして、いかに売れていくのかというのも大事なポイント。現代において売れたいという人に向けた回答として「タイアップかTikTok」と明確な答えを述べる粗品さんは「タイアップは事務所に入って売り込んでもらって、タイアップした作品の人気などにも左右される。TikTokは何がバズってバズらないか、楽曲のクオリティとは関係ない層によってチャートが上げられているので、(逆を言えば)一億大チャンス時代でもある」と分析します。
結論として、運や時代との噛み合いにも依存してしまう要因が強い世界ですが、「運だからこそ、どこまでも諦めずにやり続けることが大事」と力強いメッセージを述べていました。講義を聞いている若い人に向けて「心を殺して売れるか自分を貫いて飯を食うか、なんとなく考えておいた方がいい。やりたいことを貫いて売れるのが一番理想的だけど、いずれ壁にぶつかる」というストレートなメッセージも投げかけられました。
芸人としてはもちろん、音楽の世界でも活躍する粗品さんならではの実体験をもとにした等身大な講義となりました。音楽について学ぶことができる「バンタンミュージックアカデミー」は、改めて2026年4月に東京と大阪で開校予定です。
【URL】
https://vantan-music-academy.jp