埋込信号灯ってどういう効果があるんですか?

6月23日、大阪府守口市の大枝公園前に歩行者の安全対策として地面が光る「埋込型信号」が日本で初めて設置されました。

埋込型信号は、地面に埋め込まれたLEDラインの光で歩行者に注意を促す新しいタイプの信号です。

【日本初】地面が光る信号!未来型「埋込型信号」が大阪・守口市に登場(YouTube)
https://youtu.be/27XFSwq-ZZ8

この信号を開発・提供したアトラス埋込型信号機株式会社の担当者に話を聞きました。

ーーどういった経緯で大枝公園前に埋込型信号が設置されたのですか?

担当者:守口市の事故が多い交差点などをピックアップし、弊社より守口市に設置提案いたしました。当初の提案には大枝公園は含めておりませんでしたが、守口市側よりそれならばということで大枝公園への設置を提案頂きました。

この横断歩道は元々公園と競技場の間にあり、子供から高齢者までよく利用される横断歩道で、交通信号機を設置してほしい、という要望が市民から上がっておりました。ただ、信号機の設置指針の基準に合わないということなどもあり、信号機の設置には至っていない場所です。

車もスピードを出しやすいところで、他の交通安全対策も実施しておりましたが、なかなか効果が現れていなかったようです。そこで守口市側より、この場所に設置してみてはどうかという提案を頂き、設置することになりました。

ーー埋込型信号は通常の信号とどう違うのでしょうか?

担当者:歩行者信号と連動ができた場合(現在関係各所協議中)、子供や高齢者といった目線が下向きな方に対して、足元から信号機の色を認識できることでより事故予防につながることが、一般の歩行者信号機との違いです。

ーー埋込型信号を設置するメリット/デメリットは?

担当者:横断歩道の視認性が上がり、歩行者も足元から横断歩道の存在に視覚的に注意喚起できること。ドライバーからは特に視覚的効果があがり、横断歩道への侵入速度が下がり、一時停止して歩行者の横断を優先させる効果があること。この2点がメリットでしょうか。

デメリットは、他の交通安全対策とは異なり、土木工事が発生しますので、場所によって異なりますが、費用が高くなる傾向にあることです。

ーー今後、埋込型信号はどういった場所に設置が予定されていますか?

担当者:信号機の無い危険な横断歩道や、民間施設内の出入口、倉庫内、駐車場内などを想定しています。

ーー設置から3か月が経過しましたが、効果のほうはいかがでしょうか?

担当者:守口市大枝公園前の実証結果(アーバントラフィック社調査)は次のようになります。

車両挙動:
・夜間/雨天時の平均走行速度が時速4.9km低下
・制限速度以下で走行する車両が24.6%増加
・ブレーキ開始位置が横断歩道手前40〜50mに前倒し(晴天時+32.5%、雨天時+9.7%)

歩行者利便性:
・夜間時車両のゆずり運転が約28.5%増加
・歩行者待機時間が10秒未満に短縮(雨天時8.3%改善)

横断歩道利用者へのアンケート:
・視認性「良くなった」と回答した人が100%
・安全性「良くなった」と回答した人が90%以上
・安心感「良くなった」と回答した人が80%以上
・住民アンケートで「満足」と回答した人が87%

ーーありがとうございました。

交通弱者の安全性を高める対策として、埋込型信号が当たり前の存在になる日は来るのでしょうか。

※画像提供:アトラス埋込型信号機株式会社

(執筆者: 6PAC)

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