大宮vs浦和の“因縁バトル”がカードゲームに! ネタゲーには終わらない「さいたま伝」の徹底したこだわりとは?

大宮vs浦和のさいたま市民以外にはどうでもいい戦いを再現した「さいたま伝」というトレーディングカードゲームが存在していることをご存知でしょうか?

3分半でわかる「さいたま伝」(YouTube)
https://youtu.be/lEfw4fNG9uk

【さいたま伝】大宮 vs 浦和の街の魅力を競って遊べ!トレーディングカードゲーム
https://www.makuake.com/project/saitamaden/[リンク]

クラウドファンディングサービスのMakuakeにて目標金額30万円のところ、応援購入総額79万9250円を達成したさいたま伝は、4月25日から税込2530円で販売を開始しています。

さいたま伝を開発した株式会社アルシェの担当者に現在の販売状況などを聞いてみました。

さいたま伝開発ストーリー

「埼玉は何もない」と自虐的に語られる一方で、浦和と大宮の優劣を争うとなると途端に燃える地元民ーーそんな姿を“ある種の文化”と捉え、地域の盛り上がりに活かせないかという想いからスタートしました。実在するお店や企業に取材を重ね、すべてのカードに正式な許可・公認を得るなど、3年にもおよぶ徹底したこだわりで開発。都市間の“マウント合戦”はいわば地元愛の証。ゲームを通じて新たな魅力の再発見やお互いの理解も深まるーーそんな想いが込められています。

開発者が語る“想定外すぎた反響”の裏側

ーーMakuakeで目標金額の倍以上を集めるという結果は予想されていましたか?

担当者:いや、まったくです。なんでこんなに集まったんですかね…。まったく反響あるかわからなかったですし、このようにバカバカしい企画なので自信もなかったんですが…。

結果的に、この大宮vs浦和のネタを面白がってくれる人が想像以上にいました。きっと、大宮vs浦和のネタは、住民たちには生活に根付いた話題なんだと思います。遺伝子レベルで刷り込まれているのか、絶対に負けてはいけない戦いを日々やっているのか…。

あらためて、浦和・大宮の争いは後世に残していかなければいけない文化遺産だと思いました!

ーー4月25日の販売開始以降、売れ行きはどうでしょうか?

担当者:9月現在、累計で約2500個販売させていただいております。この状況に調子に乗って11月に追加カードを拡張パックとして発売する予定です。

ーー購入者はやはり大宮や浦和在住の方が圧倒的に多いのでしょうか?

担当者:圧倒的に多いです。ただ、全国発売しておりまして、名古屋でひとつ売れたり、神戸や札幌など他のエリアでもポツポツ売れているので、きっとさいたま出身で転勤した人が買ってくれているのだと予想してます。身体は他の土地にあっても心はまださいたまにあるのだと思うと、胸が熱くなります(ドキドキ)。

ちなみに、池袋が大宮・浦和についで売れているので、池袋はもうさいたま市と言っても過言ではないと思います!

大宮vs浦和“因縁の歴史”とは?

ーー「大宮と浦和のライバル関係」を簡単に説明していただけますか?

担当者:明治維新の後に、埼玉県庁をどっちに設置するか、というところがスタートのようです。真偽はわからないのですが、どっちがだました・だまされた、という事件もあったようで、かなりエグい争いだったようです。

その遺恨が長年続いていて、規模感など似通った街なので争いは続いていました。特に、県庁を浦和がとり、大宮がターミナル駅をとったので、街の性格は若干違いますが、お互いどっちが上かというマウントの取り合いを長年してきました。

そして、そんな中、平成の大合併で2001年に「さいたま市」として一緒の市になる際、対立構造がより浮き彫りになりました。さいたま市役所をどっちにするかなど新たな揉め事が勃発し…あ、でも、この話はこれ以上踏み込まない方がいいので、ノーコメントとさせていただきます。

いずれにせよ、そのバチバチのライバル関係が浮き彫りになり、その仲の悪さは「月曜から夜更かし」や映画『翔んで埼玉』でもいじられるようになりました。

こうして、さいたまの人間はすぐに「さいたま」には何もないと自虐的な発言をしてしまう一方で、浦和・大宮問題になるとお互いに絶対に負けてはならぬと必死にマウントを取り合うという独特の性質がつくられてきたのだと思います。

ーー埼玉県には他にもライバル関係にある市町村があったりしますか?

担当者:埼玉県内では「浦和vs大宮」程明確な対立関係にある市町村はないと思います。浦和と大宮は長年の因縁から対立関係になっていますが、基本的に埼玉の人間は東京の方に意識が向いてしまっているんですよね。

ただ、強いて言えば、埼玉西部の2大都市である「所沢vs川越の対立」、他にも「熊谷vs行田の競争関係」「草加vs越谷の微妙なライバル関係」なども聞いたことがあります。

秩父のことは…あ、これはアンタッチャブルなんでやめておきます。ちなみに県単位で考えるとやはり埼玉のライバルは千葉だと思います。

“ネタゲー”かと思いきや本格派!? 反響続々

ーーさいたま伝をプレイした人たちからはどういった声があがっていますか?

担当者:「ゲームとしてしっかり作り込まれていて面白い。けっこう頭使う」「なんでこの見た目して結構しっかりしたカードゲームなんだよ…」「ネタゲーで運要素多めかと思いきやちゃんと2人用のボードゲームだった。楽しい」「さいたま伝楽しかった。ぜひ拡張パック作ってほしい」「ふらっと見かけて買ったさいたま伝めちゃくちゃ面白い。高崎vs前橋もやってみたい」といった声がSNSで見られました。

ーーさいたま伝を使ったゲーム大会などのイベント開催予定は?

担当者:良いタイミングで聞いてくださいました! ちょうど先日「さいたま伝第一回世界大会」の開催を決定したところです! 年内~年明けの開催を目指して準備を進めて参りますので、また詳細見えましたら改めてご案内させていただきます!

ーーありがとうございました。

さいたま伝の特徴

1.すべて実在のものをカード化:駅ビルや商店街、老舗店など、現実のさいたま市にあるスポットやカルチャーを多数収録。見ただけで「これ知ってる!」と盛り上がる楽しさがあります。中にはこんなギリギリな表現のカードも。

2.カード全45種、独断と偏見に満ちた説明文:「これはちょっと言いすぎ…?」と思わずクスッと笑ってしまうようなテキストが満載。遊ぶほどに大宮・浦和の街並みが愛おしくなるはずです。※もちろん許可はとってます。

3.本格的なトレーディングカードゲーム:市民を生産し、土地に定住させるというシステムを採用。エリアマジョリティ要素を盛り込み、コアなゲームファンにも満足いただける本格的ゲーム設計です。

4.さらなるカード追加も予定:リリース後も新カード拡張を視野に入れており、より広いエリアや魅力あふれるスポットのカードが今後追加されていく予定です。

さいたま伝公式サイト
https://www.pant-s.jp/saitamaden[リンク]

※画像提供:株式会社アルシェ

(執筆者: 6PAC)

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