【ライブレポート】衛星とカラテア、4年間の軌跡とその先へ――4th Anniversary LIVE「ー絢爛とー」

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衛星とカラテアが描く“星の物語”は、これからも続いていく。

2025年8月4日(月) 、アイドルグループ「衛星とカラテア」にとって特別な結成4周年を祝うアニバーサリーライブ「ー絢爛とー」が、品川ステラボールにて開催された。前日まで3日間連続で「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025(TIF)」に出演していた彼女たちにとって、まさにTIF“4日目”とも言えるスケジュールのなかで迎えた記念日。それでも彼女たちの表情には疲れの色など一切なく、むしろこの日を迎えられる喜びと誇りに満ちていた。

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オープニング映像が幕を開け、メンバーがひとりずつステージに現れると、客席の熱気は一気に最高潮へ。1曲目は、エモーショナルなロックサウンドが胸を打つ「ハルガスミ」。冒頭から圧巻のパフォーマンスで観客を一気に引き込んでいく。その後も、キュートさがにじむ「マーマレード」や、おしゃれなポップセンスが光る「蒼いヒマワリ」など、多彩な表情を見せるナンバーが続く。「4年間で一番高いジャンプ行くよー!」という掛け声に、会場中が一斉にジャンプ。フロアはひとつになり、大きなうねりを生んだ。序盤のラストを飾ったのは「Hello World」。切なさの中に確かな希望を感じさせる歌声とダンスが、観る者の心を静かに震わせていた。

挨拶を挟んで、スクリーンに映し出された“時計”が、物語の転換点を告げるように映し出されると、ライブはよりエモーショナルなパートへと突入。「from the Future」から「Daydream」、「背伸び」、「綺麗事じゃない夜をこえて」、「僕らは彩に溢れている」まで、しなやかなダンスと豊かな表現力で、グループの歩んできた4年間の物語をドラマチックに描き出し、まさに“これぞ衛星とカラテア”とも言える美しいステージが広がっていた。

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そして、時計の針が「12時=0時」を指し示すと、ライブは新たなフェーズへ。印象的な歌詞「午前0時 告げる時計」から始まる「パレード」では絢爛な世界観で観客を包み込む。続く「bitter tune」で遊び心を解放し、ぐっと空気を柔らかくしたかと思えば、ヤマモトショウが手がけた「明日、告白されそうです」ではメンバーたちの“かわいい”を全開に。表情、仕草、歌声のすべてで観客の心をつかみ、まるで物語の登場人物になったかのような没入感を与えてくれた。

新型コロナ禍の最中に誕生した「衛星とカラテア」。声が出せない時代に“魅せる”ことをコンセプトに、表情や振付、構成力で観客を惹きつけてきた彼女たち。やがて、声出しが解禁されるにつれて、会場をひとつにするシンガロングの力も獲得し、表現の幅を大きく広げてきた。そんな4年間の成長と軌跡を振り返るようなパートが、次のブロックで展開された。

【ライブレポート】衛星とカラテア、4年間の軌跡とその先へ――4th Anniversary LIVE「ー絢爛とー」

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このブロックでは、各メンバーがグループに加入した時期に制作された楽曲をピックアップ。メンバーの加入直後の映像とともに、その時々の“始まり”の気持ちを呼び起こすような演出で進行していく。最初に披露されたのは、久木田菜々夏がアイドルとして初めて歌った「スタートライン」。あの日の不安と決意を抱えたままのまなざしと、今の確かな成長を感じさせる声が重なり、彼女自身にとっても、グループにとっても原点回帰となるような時間だった。続いては披露された「image」は、春瀬ももの加入時の楽曲。まっすぐな歌声で自身の存在を丁寧に刻み込んだ。そして波澄しずく、日南ことり、白咲くるみの3人の加入時のナンバー「twilight sky」では、夕暮れのように切なくも温かな空気が会場中を包み込む。ラストに披露された「Thousands moment」では、それぞれが抱えてきた迷いや葛藤を超え、ここに立つ決意がにじみ出たパフォーマンスで、観客の心を強く打った。

さらに、ここからは未来へ向かうパートへ。この日ライブで初披露となった新曲「Starry Journey」は、代表曲「Stardust story」の“アンサーソング”として生まれたものだ。これまでの道のりを振り返りながらも、まだ誰も見たことのない星のような景色へと歩み出す決意が込められている。ひとつひとつの言葉に心を込めるようなその歌声は、静かな夜空を切り裂いて未来へと伸びていく軌跡のように、品川ステラボールに真っすぐ響き渡った。

【ライブレポート】衛星とカラテア、4年間の軌跡とその先へ――4th Anniversary LIVE「ー絢爛とー」

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続く「君よ晴れ渡れ」では、メンバーがステージを飛び出し、客席へ。サインボールを投げながら、オーディエンス一人ひとりに笑顔と“ありがとう”の気持ちを届けていく。ステージとフロアの境界が溶けていくようなあたたかさに包まれながら、彼女たちがこの4年間で築き上げてきた“関係性”の尊さを改めて実感させられた瞬間だった。その後、再びステージに戻った彼女たちは、「シナリオ」「Orion」で、再び心の奥底に触れるような楽曲を披露。ときに脆く、ときに強く、ありのままの想いを吐き出すように、彼女たちは言葉と音にすべてを込めた。その姿は、まるで夢と現実のあわいを旅する“旅人”のようで、観ている者すべての心を深く揺さぶった。

そして本編ラストに選ばれたのは「ヒーロー」。誰かの背中を押すこと、それこそが“ヒーロー”の在り方なのだと歌うこの曲は、まさにいまの彼女たち自身を象徴していた。過去の自分を乗り越え、今、誰かの光になろうとする強さが、そのステージから確かに伝わってきた。

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本編終了後、客席には期待と余韻が漂う中、サプライズで発表されたのは11月18日Zepp DiverCityでのワンマンライブの開催、そして全国ツアーの決定のお知らせ。これまで積み重ねてきたすべてが、次なる大きな挑戦への扉を開いた瞬間だった。沸き立つ歓声のなか、ふたたびステージに現れたメンバーたち。アンコール1曲目は「ツヨク」。この4年間を象徴するような“ぶれない強さ”と“しなやかさ”をもって、全身で未来への意志を示す。続く「夢中飛行論」では、会場中のエネルギーが一体となり、まるで空を飛ぶような開放感と熱狂が広がっていった。

終盤のMCでは、大きな歓声と拍手に包まれるなか、メンバーそれぞれがファンや関係者への感謝、そしてグループへの想いを語った。

波澄しずくは「ライブを重ねるたびに、応援してくださる方の存在を実感する」と語り、「今、5人でステージに立てること、支えてくださるスタッフさん、そして応援してくれる皆さんに感謝の気持ちを忘れず、5年目も一緒に進んでいきたい」と前向きな決意を見せた。

日南ことりは、前回のワンマンでうまく気持ちを表現できなかった葛藤を振り返りつつも、「今回は心から楽しいと思えた」と語り、「この景色は本当に幸せ。たとえ離れていく人がいても、カラテアという存在が心の中に続いていけばいい」と、広い視野でグループの未来を願った。

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春瀬ももは「何度も『もう無理かもしれない』と思った」と胸の内を明かしながらも、「たくさんの夢を叶えたい」と語り、Zepp DiverCityのステージを“夢の場所”と称した。「ファンの皆さんが見てくれて、支えてくれるからここに立てている。これからも一緒に夢を追いかけてほしい」と涙ながらに力強く呼びかけた。

白咲くるみは、「今までの人生で一番心に残る日々を過ごしている」と話し、加入からの2年半を振り返った。「自信がなかった自分を変えてくれたのはメンバーとファンの皆さん。これからも全力でステージに立ちたい」と、感謝とともにさらなる成長を誓った。

そして、初期メンバーの久木田菜々夏は「デビュー当初は、片手で数えられるくらいのファンしかいなかった」と振り返り、「一つひとつの出会いが、今の大きな幸せにつながっている」と語った。Zepp DiverCityのステージを「最初の大きな目標」とし、「ここにまた立てるように、一緒に幸せを見つけていきたい」と、これからの道のりにも意欲を見せた。

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そして本当のラストに選ばれたのは、「Stardust story」。「最後は、私たちがここまで大きくなれたこの曲で締めくくりたいと思います」という言葉とともに始まったこの曲は、もはやただの“代表曲”ではない。どんなときも一緒に歩んできたファンと、彼女たち自身をつなぐ“物語そのもの”だ。言葉のひとつひとつに宿る想い、歌声の揺らぎ、メンバー同士の視線。すべてが本物で、そして美しかった。

4年間という時間の重みが、あたたかい涙となって客席を包み込み、そして確かに伝えられた“これからも”というメッセージ。これまでも感謝を胸に、5年目という新たな“旅”へ。衛星とカラテアの物語は、これからさらに輝きを増していくに違いない。

【ライブレポート】衛星とカラテア、4年間の軌跡とその先へ――4th Anniversary LIVE「ー絢爛とー」

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取材& 文:ニシダケン
写真:真島洸

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ライヴ情報

衛星とカラテア 4th Anniversary LIVE「ー絢爛とー」
2025年8月4日(月) @品川ステラボール
セットリスト

1.ハルガスミ
2. マーマレード
3. 蒼いヒマワリ
4. Hello World
5. from the Future
6. Daydream
7.背伸び
8. 綺麗事じゃない夜をこえて
9. 僕らは彩に溢れている
10.パレード
11. bitter tune
12.明日、告白されそうです
13.スタートライン
14. image
15. twilight sky
16. Thousands moment
17. Starry Journey
18.君よ晴れ渡れ
19.シナリオ
20. Orion
21.ヒーロー

アンコール
22. ツヨク
23.夢中飛行論
24. Stardust story

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