【ライブレポ】CYNHN、8年の軌跡を祝福する“⻘”の宴──〈CYNHN 8th Anniversary LIVE Octablue〉
これまで様々な「青」の形を描いてきた
2025年6月8日(日)、東京キネマ倶楽部にて青色をコンセプトに活動するヴォーカル・ユニット、CYNHN(スウィーニー)の8周年記念ワンマンライブ「CYNHN 8th Anniversary LIVE Octablue」が開催された。(※ライブのタイトルにもなっている「Octablue」とはCYNHN“8周年”と、1オクターブの“8音”と、CYNHNのグループコンセプトである“青”の三つの言葉を合わせた造語)、ソールドアウトとなった会場には、彼女たちの歩みと進化を祝福するべく、多くのファンが詰めかけた。
開演を告げるベルのように、メンバーのアカペラによるコーラスから静かに幕を開けた本公演。会場の空気が一変する中、暗転と同時に1曲目「スターレット」が始まる。透き通ったハーモニーが一気に空間を染め上げ、そのまま「楽の上塗り」へとシームレスに繋がると、祝祭ムードとともにステージは加速。オーディエンスの熱いコールに迎えられながら、「ごく平凡な青は、」や「はりぼて」といったロック・チューンで序盤から一気にテンションを高めていく。
最初のMCでは、8周年らしい和やかなお祝いムードが漂った。綾瀬志希が「今日、何言っても盛り上がるかな」と話し、突如「7部丈!」という言葉を発しても大きな歓声が上がるなど、どんな一言でも盛り上がる空気が印象的だった。この日、チケットはソールドアウト。過去にこの同じ東京キネマ倶楽部で満員を目指して動画投稿に励んでいた時期があったことも語られ、ステージに立つ彼女たちの感慨もひとしおだった。
全員で熱唱した「キリグニア」のあとは、デュエットによるユニットブロックへ。月雲ねると広瀬みのりが「イナフイナス」で妖艶なムードを纏いながら観客を圧倒すると、綾瀬志希と青柳透は「飴玉」を披露。普段とは異なる歌割りによって、新鮮な表情が引き出されたこのパートは、まさにこの日限りのスペシャルな演出だった。
そして、この日のハイライトの一つとも言える8周年記念メドレーでは、初期楽曲「リンク to アクセス」「トゥインクルスター」「甘党センセーション」といった、キラキラとしたアイドル性を前面に押し出したナンバーが続々と登場。コンセプチュアルで奥行きのある世界観を描いてきたCYNHNだが、この構成はまさに彼女たちの“原点”が感じられるひとときだった。さらに現在の彼女たちの表現力が加わることで、当時の楽曲に新たな命が吹き込まれていたのも印象的だ。
メドレーの後半には、「ベイビーブルー」や「So Young」といったロックナンバーで再び会場のボルテージを上げ、力強く突き進んでいく。シンプルなビートに乗せた彼女たちの声からは、8年という歳月の中で育まれた自信と覚悟がにじんでいた。
後半戦のスタートは「AOAWASE」。そこから一気に、グループのライブ定番曲として名高い「水生」へとなだれ込む。うねるようなスラップベースが全編に響き渡るこの楽曲は、まさにキラー・チューンの名にふさわしく、会場を沸騰させる。さらに、ここで「息の仕方」も初披露。繊細なバラードでありながらも、息遣いや間の取り方に彼女たちの成長と深みが宿っており、会場全体が静かに聴き入っていた。
そして、続く「いいおくり」では、綾瀬の「声をきかせてくれる?」という一言を合図に、観客から大きなシンガロングが巻き起こる。彼女たちの音楽が確かに“届いている”ことを象徴する瞬間だった。
本編ラストは「ラルゴ」。綾瀬の「あなたの居場所は明日もここにあります」というメッセージが、会場全体に深く染み渡った。あの日、CYNHNを見つけ、今日という日を共に祝えること。その奇跡のような“居場所”に、胸が熱くなった。
アンコールでは、「ノミニー」のスペシャルバージョンを披露。MVさながらの演出で、椅子に座っての歌唱や、段ボール、台車を使った自由奔放なパフォーマンスで魅せた。歌い終えると、ライブ配信のアーカイブ視聴を勧める呼びかけもあり、記録としても“残していく”意思が強く感じられた。
終盤のMCでは、新たな発表が相次いだ。同事務所に所属するミームトーキョーとの対バンライブ、さらには韓国での海外公演も決定。そして、最大のサプライズとして、デビュー記念日である11月1日に恵比寿ザ・ガーデンホールで開催される、グループ史上最大規模のワンマンライブ「CYNHN ONE MAN LIVE 2025 November First -111」の発表が巻物で行われると、会場は歓喜の声に包まれた。
ここでメンバーはひとりひとり、この日を迎えた想いを綴る。広瀬みのりは「大切な日を大好きなみんな、そして支えてくれる皆さんと一緒に迎えられることが本当に幸せ」と感謝を口にし、「これからももっと多くの人と出会えるように進んでいきたい」と力強く語った。
続く綾瀬志希は、自身の8年間を振り返りながら、「歯科助手の休憩室で応募したオーディションが、すべての始まりだった」と回顧。「守るために強くならなきゃいけないこと、後悔を抱えながらも前に進んできた」と語り、会場を静かな感動で包んだ。最後には、「私の歌が、私たちの歌が、皆さんの中で生き続けていきますように」と、これからの活動への想いを届けた。
月雲ねるは「8周年といっても、今年出会ってくれた人もたくさんいる」とファンの多様な存在に触れながら、「タイミングは違えど、同じ日に一緒に祝えることが本当にうれしい」と喜びを表現。
青柳透は過去のリリースイベントや初期の少ない観客数を思い出しながら、「今日、こんなにも多くの人が集まってくれるのは、8年間積み重ねてきたから」と語り、「みんな、宝物です」「このステージに立てるのは、ファンの方、メンバー、スタッフ、関わってくれた全員のおかげ」と締めくくった。
全員が感謝の気持ちを伝え、最後に綾瀬が「変わらないために変わってきた私たちだけど、変わらない気持ちでいてくれる皆さんがいてくれるから、ここにいられる」と自身の想いを届けた。
ラストナンバーは「2時のパレード」。軽やかなステップと共に、最後までハッピーな空気に満ちたステージを届けてくれたCYNHN。ステージを去る直前まで、4人は名残惜しそうに、何度も客席へと笑顔を送っていた。
様々な“青”を掲げて走り続けてきたCYNHNの8年。その軌跡を祝福するこの一夜は、単なる記念日ではなく、彼女たちの「これから」を強く感じさせるものだった。
取材&文:ニシダケン
撮影:チェリーマン
ライヴ情報
「CYNHN 8th Anniversary LIVE Octablue」セットリスト
⽇時:2025 年 6 ⽉ 8 ⽇(⽇)
会場:東京キネマ倶楽部
時間:開場 17:00 / 開演 18:00
M1.スターレット
M2.楽の上塗り
M3.ごく平凡な⻘は、
M4.はりぼて
M5.キリグニア
M6.イナフイナス
M7.飴⽟
M8.リンク to アクセス
M9.トゥインクルスター
M10.⽢党センセーション
M11.ベイビーブルー
M12.So Young
M13.AOAWASE
M14.⽔⽣
M15.息のしかた
M16.いいおくり
M17.ラルゴ
M18.ノミニー
M19.2 時のパレード
SETLIST公開中
URL:cynhn.lnk.to/Octablue_setlist
ライヴ情報
〈CYNHN ONE MAN LIVE 2025 November First -111〉
2025年11月1日(土)東京・恵比寿ザ・ガーデンホール
【FC先行抽選】 6/8(日)21:00~6/30(月)23:59
【先行抽選】 7/4(金)20:00~8/4(月)23:59
【二次先行抽選】 8/8(金)20:00~9/8(月)23:59
https://cynhn.com/contents/942182
ライヴ情報
〈#DSPMLIVE EXTRA〉
2025年9月7日(日)東京・渋谷WWW X
出演:CYNHN/ミームトーキョー
アーティスト情報
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・オフィシャル・ウェブサイト
https://cynhn.com/

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