【ライヴレポ】新生日向坂46の旅がいま、はじまる──日向坂46 BRAND NEW LIVE〈OVER THE RAINBOW〉

2025年5月28日・29日の2日間にかけて、国立代々木競技場第一体育館にて開催された日向坂46のBRAND NEW LIVE「OVER THE RAINBOW」が開催された。このレポートは、29日に行われたそのDAY2の模様を記したものである。

先日グループのオリジナルメンバーである1期生全員の卒業を見送り、新体制としてのスタートを切る日向坂46。「OVER THE RAINBOW」は、新生日向坂46のお披露目でもあり、新たな物語をはじめる上で、非常に重要な意味をもつライヴである。

「しょげかほ降臨！」という正源司、藤嶌の4期生コンビによる元気な影ナレのあと、“Overture”が鳴り響き、ライヴの幕が開く。そして、ライヴのタイトルをイメージしたような、虹色に彩られたステージにメンバーが姿を現すと、大きな歓声が響いた。セットリストの1曲目は、日向坂46のメンバーからもファンからも愛される名曲“青春の馬”。ステージには、2期生から5期生までの全員が一列に揃う姿は、まさに壮観。このメンバーで新たな物語をはじめようとする、彼女たちの強い覚悟が届いてくるようだった。

ライヴはMCを挟み、14thシングルの収録曲“海風とわがまま”へ。爽やかさの溢れるポップ・チューンを届けると、そこからさらに“一生一度の夏”と夏曲を畳み掛け、梅雨もまだだというのに、代々木第一体育館を真夏へと変貌させた。「ねえねえおひさま！今夜は一緒に夜更かししよう！」という藤嶌の言葉から“真夜中の懺悔大会”へと繋ぐ。さらにこの楽曲では恒例の懺悔コーナーは、富田が担当。「これは放送できるかわかんないですけど…」と壮大に振りかぶりながら、「京都でのイベントで、松田の父親が差し入れしたみたらし団子を大量に持って帰りましたー」と懺悔し、曲の最後を「ごめんなちゃい」でかわいく締めた。ちなみにその後のMCでは河田が、富田の家に遊びに行った際に借りたおふとんパジャマを借りパクしているということを懺悔。「またドロボウか?」といじられていたが、最終的には富田がそのパジャマをプレゼントするということで落ち着いた。

続いてのブロックでは、富田が「もっと声出せるよね?」と会場をバッチバチに煽り、“あの娘にグイグイ”からスタート。富田の強いリーダーシップが、盛り上げ隊長のように後輩メンバーを引っ張り、ヴォルテージをさらに引き上げる。続いては、小西、清水、宮地の4期生3人がユニット曲“あのね、そのね”を披露。三者三様のそれぞれ異なるキュートな姿を見せると、今度は金村、髙橋、山口、平岡が“どこまでが道なんだ？”で会場を沸かす。「いまの日向坂46ならば、どこまでも行ける」、そんな気持ちを感じさせるな気合いに満ちたパフォーマンスだった。

ライヴはさらに、正面モニターに蒼く輝く満月が現れ、センターステージでは金村がソロ・ダンスを披露。そして、歌われたのは“月と星が踊るMidnight”。OGである齊藤京子がセンターを務めていたこの楽曲を、金村は見事に継承。終盤にも一人で舞い踊り、まさに圧巻のステージを繰り広げ、見る者全ての視線を釘付けにした。シリアスな世界を作り出したあとは、松田がポンポンを手にしたメンバーたちを引き連れ登場。チアダンスやラインダンスを繰り広げ、そのまま“アザトカワイイ”と雪崩れ込む。グループの持ち味である、ハッピーオーラで会場をいっぱいにした。ライヴはさらに、原曲よりかなりビート強めのリミックスが施された“キュン”、“ってか”、“君しか勝たん”の超強力メドレーを披露。こういった新たな挑戦もBRAND NEW LIVEならではの試みだ。

4期生の平尾が最高の「ひら砲」をぶちかましたMCを挟んで、続いてのブロックでは、先日の「おもてなし会」でこの代々木第一体育館を沸かせた5期生がステージに登場。5期生は虹色の衣装を身に纏い、フレッシュに“ジャーマンアイリス”を披露し、彼女たちも日向坂46の一員であることを印象つけた。ライヴはここから期別曲を次々に披露。しかし、ここではただ単に期別ごとに楽曲を披露するのでなく、先輩たちの楽曲に5期生もプラスするという構成。4期生楽曲“シーラカンス”で、大田、大野、片山、高井が参加し、凛とした表情で歌い上げると、蔵盛、坂井、佐藤は、3期生とともに“パクチー　ピーマン　グリーンピース”でキュートかつコミカルさをアピール。さらに、激しいベースラインが印象的なダンスチューン“You’re in my way”では、下田、鶴崎、松尾が2期生の先輩の圧巻のパフォーマンスに負けない個性で、おひさまたちの心をも踊らせた。

5期生たちの、それはそれは初々しいMCコーナーのあとは、キレッキレのダンスブレイクから“永遠のソフィア”を披露。「日向坂46の強さ」を見せつけると、今度は5期生だけで“絶対的第六感”を、大野&松尾のWセンターの布陣でパフォーマンス。先日お披露目されたばかりの新メンバーであるが、堂々たるステージングで見る者全てを魅了。日向坂46の未来を感じさせた。ライヴはさらに、4期生きってのいや、日向坂46きってのキラー・チューンへと成長した“見たことない魔物”へ。この日もやはり地鳴りがするほどの、おひさまたちの声が轟き、徐々に熱気を増していき、モンスター級の盛り上がりを記録した。ライヴはさらに“君はハニーデュー”、“卒業写真だけが知っている”を畳み掛け、クライマックスへと向かう。本編最後は最新シングル“Love yourself！”。力強くも優しさの込められたパフォーマンスで、日向坂46というグループのもつ魅力を全開にして、ステージを後にした。

アンコールは1期生の楽曲“愛はこっちのものだ”でスタート。新たにキャプテンに就任した高橋が、「全員騒げー！！」と前キャプテン佐々木久美を彷彿とさせる叫びで呼びかけると、おひさまの熱量は、それに応えるように大爆発していた。

MCでは、小坂がこの「BRAND NEW LIVE」は、「新しい体制での一発目のライブということで、緊張や不安がすごく大きかった」と率直な心境を明かした。また、小坂は自身がセンターを務めた最新シングルの発表後初となるライブでもあり、「シングルの象徴として、引っ張っていかなければいけない立場だと感じていた」とプレッシャーを感じていたことを吐露。それでも、同じ二期生はもちろん、三期生、四期生、そして新加入の五期生の支えが大きな力になったという。「本当にみんなが力を貸してくれた。今回のライブがなかったら、ここまで強く思うこともなかったかもしれない」と語り、改めて仲間の存在の大きさを実感した様子だった。ライブを終えた今は「2日間無事に開催できたことが何よりも嬉しい」と安堵した表情を見せ、「ファンの皆さんとこうして一緒に楽しむことができて、本当に幸せでした」と感謝の言葉で締めくくった。

続いては、今回のシングルの活動をもって、グループを卒業する富田がマイクを握り、「難しさや大変さもあったはずなのに、誰一人として逃げずに挑み続けるみんなの姿に、私自身すごく元気をもらいました」と語った。彼女のサイリウムカラーである紫色の光に客席が包まれる中、富田は最後に、「これからも、日向坂46がたくさんのチャレンジをしていけるような、そして“チャレンジさせたい”と思ってもらえるようなグループでありたい」と力強く宣言し、「これからも日向坂をよろしくね！」と締めくくり、最後は彼女らしく「いえーい！」と元気に締めた。

ラストチューンは、齊藤京子が卒業前最後にセンターを務めた楽曲“僕に続け”。会場一体を埋め尽くすような、大きなシンガロングが轟いた。楽曲の終盤、髙橋は「新しい一歩を踏み出すことには、いつも不安が伴うもの。でも、皆さんから届いた応援の言葉や、目の前に広がるサイリウムの景色が、私たちが届けたかった思いとひとつになった気がして……まるで一筋の光が差し込んだように感じました」と、観客との絆を実感した瞬間を振り返った。

さらに、「皆さんが困難なときに、私たちはそばにいたい。そして、私たちが夢を叶えるその瞬間には、皆さんにそばにいてほしい」と語り、“おひさま”との絆の強さを改めて強調。「チーム日向坂46、おひさま、そしていつも支えてくださるスタッフの皆さんと一緒に、日向坂を永遠のものにしていきたい」と、これからの未来に向けた決意を述べた。

最後には、「秋にはまた、パワーアップした日向坂46をお見せできるよう準備しています。その姿をぜひ、何度でも見に来て、目に焼き付けてほしいです」と語り、「これからもこの景色を一緒に守っていきましょう」と呼びかけ、会場から大きな拍手が湧き起こった。髙橋の真摯な言葉は、会場にいた多くのファンの心に深く響き、日向坂46というグループの温かさと力強さを改めて感じさせる時間となった。

こうして日向坂46のBRAND NEW LIVE「OVER THE RAINBOW」は終演を迎えた。生まれ変わるのではなく、新しく生み出していくという方法で「新生日向坂46」の姿を示した彼女たち。この日のライヴを見れば、そのポテンシャルが無限大であることは、一目瞭然だろう。虹の向こうに見えた光に向かって、走り出した「新生日向坂46」。まだまだすごいことになりそうだ。

取材&文：ニシダケン
撮影：上山陽介

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ライヴ情報

日向坂46　BRAND NEW LIVE 2025 「OVER THE RAINBOW」 セットリスト
2025.5.29(THU)
00. Overture
01. 青春の馬
02. 海風とわがまま
03. 一生一度の夏
04. 真夜中の懺悔大会
05. あの娘にグイグイ
06. あのね　そのね
07. どこまでが道なんだ？
08. 月と星が踊るMidnight
09. アザトカワイイ
10. メドレー(キュン/ってか/君しか勝たん)
11. ジャーマンアイリス
12. シーラカンス
13. パクチー　ピーマン　グリーンピース
14. You’re in my way
15. 永遠のソフィア
16. 絶対的第六感
17. 見たことない魔物
18. 君はハニーデュー
19. 卒業写真だけが知っている
20. Love yourself!

＜アンコール＞　
EN1. 愛はこっちのものだ
EN2. 僕に続け

-セットリストプレイリスト-
https://hinatazaka46.lnk.to/20250529

ツアー情報

2025年9月20日(土)、21日(日)　宮城県・セキスイハイムスーパーアリーナ
2025年9月27日(土)、28日(日)　広島県・広島サンプラザホール
2025年10月1日(水)、2日(木)　福岡県・マリンメッセ福岡A館
2025年10月13日(月・祝)、14日(火)　愛知県・ポートメッセなごや 第1展示館
2025年10月22日(水)、23日(木)　大阪府・大阪城ホール
2025年11月19日(水)、20日(木)、21日(金)　東京都・国立代々木競技場 第一体育館

ライヴ情報

■最新ライブ

2025年6月7日(土) 岩手県・ツガワ未来館アピオ 岩手産業文化センター　野外特設会場

神奈川県・Kアリーナ横浜
2025年6月18日(水) 開場 14:30 / 開演 16:00

2025年6月21日(土) 北海道・日本航空学園 新千歳空港キャンパス 特設会場

神奈川県・ぴあアリーナMM
2025年7月29日(火) 開場 17:00 / 開演 18:30
2025年7月30日(水) 開場 17:00 / 開演 18:30
2025年7月31日(木) 開場 17:00 / 開演 18:30

2025年8月9日(土) 茨城県・国営ひたち海浜公園