松井愛莉&大貫勇輔&沢村玲インタビュー ドラマ『子宮恋愛』は、「弱さを受け入れた登場人物たちが成長していく物語に」

ふたりの男性の間で揺れ動く主人公の繊細な感情描写が反響を集めた2021年配信開始の同名の漫画(佐々江典子/ぶんか社刊)を実写化した、“切ない大人のラブストーリー”『子宮恋愛』の放送がスタートしました。

結婚して6年が経つにも関わらず、夫にすら本音が言えない日々に悩む主人公・苫田まき。その彼女が“子宮が恋をした”男性に出会ってしまい…。

その放送を記念して、自分の気持ちを主張できないが、葛藤しながらも変わっていく主人公の苫田まき役の松井愛莉さん、彼女が恋をしてしまう会社の同僚・山手旭役の大貫勇輔さん、妻まきにそっけない態度をとる夫の苫田恭一役の沢村玲(ONE N’ ONLY)さんにお話を聞きました。

●最初に本作へのオファーがあった時、もしくは出演が決まった時はいかがでしたか?

松井:わたしはオファーがあった時、正直、出演するかどうか迷いました。恋愛ものを3年くらいやっていなくて久々だったんです。しかもオトナの恋愛ということもあり少し怖いなという気持ちと、苫田まきという役を理解するのが難しいだろうなとも思いました。

大貫:物語をいただいて、なるほどヒューマンドラマが軸で、人間の成長を描くものなのか。ただし、それが不倫であるということでハードな内容ではあるけれども、人の想いを深掘りしていくので、面白いなと思ってぜひ出たいと思いました。

あとは僕にとって普通のサラリーマン役がめずらしく、これまで歌って踊ることが多かったものですから、ある意味では新しいですし、僕も新しいことに挑戦することは好きなので、「ぜひやらせてください」とひとつ返事でした。

沢村:僕は苫田恭一役が自分にできるのか不安になりました。恭一はかなり複雑な役だったのですが、自分の中ではもっといろいろなことに挑戦してみたいと思っているので、恭一を演じ切ることで新たな自分が見えてくるのではないかという思いもありました。

●みなさん共通項として本作への出演は挑戦だったとのことですが、演じられた役もその準備から大変そうだなと思いました。

松井:まきは、この人は今どう思っているのか、と話しながら相手の気持ちを考えて感じ取れる人だなと思ったので、人と話をしている際の声のトーンや、相手の人の顔をちゃんと見てそういう小さな変化に気づくように心がけて撮影をしました。

大貫:山手の外側だけを見ると、近からず遠からずのイメージだったのですが、彼が抱えているバックボーンを理解するのはなかなか難しかったので、想像を膨らませて役作りをしたのですが、重要なことは普通であるということ。女たらしという人物像は、どれくらいやると普通の領域なのか、たとえば自然に手を握る、どうやって近づくか、声のトーンなど、いかに自然に、いつも言っているかのように言う練習をしました(笑)。

沢村:恭一は、モラハラ発言を悪気なく言うんですよね。人に嫌味を言う場合、意図的に伝わるように言うことが多いかなと思うのですが、それってその人の中にもちゃんと良心があった上で伝えていると思うんです。ところが恭一の場合は、ナチュラルと言うか、気持ちを分からずに伝えていくから、意図を持ってしまうと恭一ではなくなってしまうと思いました。ひとつひとつ丁寧にやろうという意識はありました。

●それぞれの役として対峙した際の共演の感想はいかがでしたか?

松井:沢村さんのサイコパス演技が本当にすごいんですよ。目が怖くって!

大貫:またそれを怖がっているまきが、すごい表情をしているんですよ。ホラー映画で未確認生物に会ったかのような目を(笑)。

沢村:ただ、怖いという感情がシーンごとにちゃんと段階的に異なっていたので、僕もしっかりそれに引っ張ってもらい、すごく助けられました。まきは、最後のシーンが特に怖がっていて、それまでのモラハラ、パワハラを受けている表情とは全然違うので、お芝居をしていて特に引っ張っていただいたところです。

松井:お互い様なんですよね。お互いに与えてもらって、出し合って、お芝居が積み重なっていく感じはあったと思います。

●これからご覧になる方々にみなさんならどうすすめますか?

松井:タイトルから気になった方もいると思いますが、このドラマはもちろん不倫関係をではありますが、複雑な人間模様が描かれていますので、人間ドラマだなってわたしは思っています。なので、そこを強く推していきたいです。

大貫:人が人を好きになる気持ちは止められるものではなくて、その時のの関係が今回は不倫になっているのですが、そこで起きる間違いを今回の4人の大人たちはあえて選択していきます。それを選択しないことが世の中の一般で、そこに足を踏み出すかと言われれば踏み出さないですよね。でも、観ている人たちにも、踏み出す世界線があったのかも知れない。そう考えると、日常にその可能性ってたくさんあると思うんです。なので、もしも共感してもらうことができたら、楽しく観てもらえるのではないかなと思っています。

沢村:それぞれに見えない弱さがあってもどこか少しでも共感していただけるポイントがあると思うので観てほしいと思います。人は、プラスに成長していくことも大事ですが、マイナスを受け入れることでプラスになることはあると思うので、そういう観点で観ていただくのも面白いのかなと思っています。

■ストーリー

苫田まき(松井愛莉)は、ハウスメーカーの営業事務として働く29歳。仕事をテキパキとこなして同僚からも信頼されるまきだが、自分の気持ちを主張できない性格で、結婚して6年が経つ夫にも本音が言えない日々に悩んでいた。

ある日、上司からの失礼な質問に愛想笑いしかできないまきを見ていた会社の同僚・山手旭(大貫勇輔)から、「見ていてイライラする」と言われてしまう。だが、冷たく突き放したと思えば、体調を気遣う優しさも見せる山手の距離感に戸惑うまきだが、山手から突然キスされてしまい――!本能的に恋をしてしまった山手と、既婚者としての立場の間でまきの心は大きく揺れ動く。

一方、まきにそっけない態度をとる夫の苫田恭一(沢村玲)は、まきの憧れの先輩・寄島みゆみ(吉本実憂)と――?

ホルモンバランスも理想の夫婦像も崩れてしまったまきの婚外恋愛の行方は――?

『子宮恋愛』(C)佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会

(執筆者: ときたたかし)

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