「住みたい街ランキング2025」。注目は“コスパ”のよい郊外都市として人気上昇した街。メガターミナル駅の躍進も

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20代~40代の男女1万人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2025」を発表した。ランキング上位は常連が顔をそろえる中、新宿、池袋、品川、目黒を抜いて5位に躍進した街がある。今回ランキングがアップした街を中心に、その背景をさぐってみよう。
【今週の住活トピック】
「SUUMO住みたい街ランキング2025 首都圏版」を発表/リクルート
住みたい街ランキング2025、1~4位は前年と変わらず、TOP10中7つが山手線
では、今回で16回目となる、2025年の住みたい街(駅)ランキング(※1)の結果を紹介しよう。1位から4位までは、前年と同様に1位「横浜」、2位「大宮」、3位「吉祥寺」、4位「恵比寿」となった。
※1:現在と同じ調査方法となってからは8回目。住みたい街順に1位・2位・3位を回答してもらい、それぞれ3点・2点・1点の配点で集計したもの
![住みたい街(駅)ランキング[1位~10位]](https://getnews.jp/extimage.php?f20ede0f2312e5d924e8292eb43d4e2d/https%3A%2F%2Fsuumo.jp%2Fjournal%2Fwp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2025%2F03%2Faca23db64cc6cf447dd54b0700bb2531.jpg)
SUUMO住みたい街ランキング 2025 首都圏版 記者会見資料より(出典:リクルート)
1位の「横浜」は、不動の大横綱だ。男女別、ライフステージ別、年代別のすべてで1位というほど隙がない。その強さは、なんといっても集客力だろう。従来、横浜の大型多目的ホールといえば、新横浜駅が最寄りの「横浜アリーナ(1989年開業)」だった。近年はさらに、横浜駅から徒歩圏で、Kアリーナ横浜(2023年)、ぴあアリーナMM(2020年)や、日本カーリング選手権横浜2025が開催された横浜BUNTAI(2024年リニューアルオープン)が加わり、これらの施設で予定されているイベントだけでも年間500万人超(※2)の集客力が生み出された。これらの会場やその周辺で、さまざまなイベントが開催され、横浜駅周辺エリアには「遊ぶ・買う・食べる」すべてを満足させる環境が整っている。
※2:SUUMO編集部が各施設がホームページで公開している収容人数に3月のイベント予定数をかけたものを12倍(12カ月)して簡易試算したもの
また、ランキング10位までは常連の街が顔をそろえる中、4位~10位まではすべてJR山手線が占めた。特に目立ったのは前年の9位から今回5位にランクアップした「東京」だ。東京駅周辺で多くの再開発が進んでおり、今活気のある街となっている。
11位から20位を見ると、おおむね10位台の常連が多いが、「立川」(22位→15位)や「柏」(25位→19位)の躍進が目立つ。
■住みたい街(駅)ランキング[11位~20位]
![住みたい街(駅)ランキング[11位~20位]](https://getnews.jp/extimage.php?d373963705283864e6449f269f84888c/https%3A%2F%2Fsuumo.jp%2Fjournal%2Fwp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2025%2F03%2F3e13d5b43efca67b041974db6800e705.jpg)
SUUMO住みたい街ランキング 2025 首都圏版 記者会見資料より(出典:リクルート)
「東京」「上野」など、目立つメガターミナルの躍進
では、2025年のランキングで大きくジャンプアップした街に注目してみよう。
TOP10でも注目した「東京」に加え、「上野」(51位→33位)や「藤沢」(31位→23位)、「柏」(25位→19位)など注目したい街がたくさんある。
■得点ジャンプアップ(駅)ランキング<1位〜10位>
(撮影/リクルート)
利便性と豊かな自然が共存し「コスパ」が魅力の中核郊外ターミナル駅
2位の「大宮」に準じる、中核の郊外ターミナル駅としてSUUMOが注目しているのが、過去最高の15位の「立川」、過去最高19位の「柏」、過去最高23位の「藤沢」だ。都心からの距離感、規模、歴史、周辺環境などに共通点も多いという。また、住宅の価格や賃料が上昇するなか、手が届きやすいということも、評価されたポイントのようだ。

SUUMO住みたい街ランキング 2025 首都圏版 記者会見資料より(出典:リクルート)
「立川」は過去のランキングでも、周辺地域をひきつける“何でもそろう街”として注目されたが、今回大きくジャンプアップしたのが、「藤沢」と「柏」だ。次から、それぞれが急伸した背景を詳しく見ていこう。
交通の要衝、自然豊かな「藤沢」で再開発が進む
“湘南の玄関口”でもある藤沢は、駅周辺の再開発が進んでいる。昭和40~50年代に街並みが形成された藤沢駅周辺は、建物の老朽化やバリアフリーなどの課題が生じていたからだ。まず、北口の再開発が進み、北口周辺のアクセスが改善し、利便性がよくなった。今後は、南口の再開発が始まる予定だ。
再開発が実現すると、北口南口ともに駅前の広場が整備され、ペデストリアンデッキで行き来できるようになり、アクセスが改善する。南口には新たなビルも建設される。さらには、JR東海道本線の藤沢駅と大船駅の間に村岡新駅(仮称)が誕生する予定(2032年頃開業)となっている。周辺にはすでに「湘南ヘルスイノベーションパーク」(略称:湘南アイパーク)や神戸製鋼所などの研究開発拠点があり、「創造的な場づくり」などのテーマに沿った街づくりが展開される計画だ。

SUUMO住みたい街ランキング 2025 首都圏版 記者会見資料より(出典:リクルート)
「藤沢」は、もともと湘南の海や湘南台の緑など自然に囲まれた土地柄であり、都心部や横浜方面にも出やすいアクセスなどで人気があった。「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」といった最先端の住宅団地に湘南T-SITEという商業施設もあり、新しさも感じられる街でもあった。再開発が進む活気と合わせて、そのバランスの良さが評価されたポイントなのだろう。
かつて“東の渋谷”と呼ばれた「柏」は遊ぶ・買うが充実
一方、「柏」のほうは、再開発が進むのがこれからだ。
柏は、つくばエクスプレスも経由できるようになったこともあり、交通アクセスは良好だ。柏レイソルのホームグランドでもある「三協フロンテア柏スタジアム」とその周辺にはスポーツ施設も多い。なにより、手賀沼がもたらす自然や沼周辺の整備により、ジョギングやサイクリング、アスレチックなどが楽しめる。
■「柏」街の魅力TOP10

SUUMO住みたい街ランキング 2025 首都圏版 記者会見資料より(出典:リクルート)
藤沢と同じように、柏も街の発展は早かった。1973年に全国に先駆けて行った「柏駅東口市街地再開発事業」を契機に、都心のベッドタウンとして発展した。駅東口に「そごう」、西口に「高島屋」がオープンし、以降も「丸井」に若者向けのアパレル店が集まるなど、渋谷109に足をのばさなくとも同じブランドが揃う街として「東の渋谷」と呼ばれるほどだった。
ただし、早期に発展した街では老朽も進み、そごう柏店は閉店、三井不動産により2026年末まで解体工事が行われ、柏市がその跡地を買い取り再開発していく計画が進んでいる。柏駅西口でも再開発事業が進行しているので、駅の東西が今後変わっていく期待値は高い。
また、“東の渋谷”に通っていた若者たちが30代・40代になり、今は店主となって「ウラカシ百年会」という商店会を結成して、街のにぎわいに関わっているという。全国の商店街組織で高齢化が進み、後継ぎ問題に苦しむ中、30代・40代が主体となって活発に動いているこの商店会は、全国的にも注目されているそうだ。形を変えて、街が活性化している姿が、評価されたのかもしれない。
さて、再び総合順位の上位を見ていこう。SUUMO によると、2位に定着した「大宮」や33位にランクアップした「上野」などは、弱点だった女性層の支持が上昇した影響が大きいという。女性に好まれる街でないと、上位になるのは難しいといえるだろう。
また今回のランキングを総括すると、ますます利便性や多様性が高まる「メガターミナル」が上位を占める一方で、バランスがよく、かつ「コスパ」のよい、郊外ターミナル駅も躍進している。こうした二極化は今後も続くような気がする。

(撮影/リクルート)
●関連サイト
リクルート「SUUMO住みたい街ランキング 2025 首都圏版」プレスリリースPDF
リクルート「SUUMO住みたい街ランキング 2025 首都圏版」調査報告書PDF
リクルート「SUUMO住みたい街ランキング 2025 首都圏版」記者会見資料PDF

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