夏子、デビュー10年 主演映画『ザ・ゲスイドウズ』で「純粋に仕事をする気持ちを取り戻しました」
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映画『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』(23)やドラマ「366日」(CX)などモデル業のみならず幅広いフィールドで活躍する夏子さんが、宇賀那健一監督の最新作『ザ・ゲスイドウズ』で主演を務めました。
不器用でちっとも売れないパンクバンド“ザ・ゲスイドウズ”の4人が、起死回生の一曲を作るために田舎に移住。夏子さんは、そのボーカルで主人公・ハナコを演じています。
ロックレジェンドたちのように27歳になると死ぬ(The 27 Club)と思い込み、何者にもなれない主人公を演じた夏子さんにお話をうかがいました。
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■ハナコのように追い詰められていた
●今回の映画『ザ・ゲスイドウズ』、出演が決まった時いかがでしたか?
台本をいただいた時、自分が演じるハナコと同じ26歳だったので、同年代の話として印象的に感じたことを覚えています。同年代だからこその焦燥感はよく分かりましたし、何より音楽と映画が大好きなのでバンドの物語としても面白く読ませていただきました。監督の宇賀那(健一)節とでも言いますか(笑)セリフも面白かったので、それも印象的でした。
●そのハナコは、どのような人間性と捉えて演じられたのでしょうか?
彼女は働こうとしても働けず、社会には上手く馴染めないけれど音楽を救いに日々を過ごしています。そして27歳になったら自分もロックレジェンドと同じように死ぬと追い詰められて音楽をしているけれども、傍から見ると音楽とは言えないような音楽をやっている、そんな26歳なんです。
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●彼女の焦燥感について共感されたと言われていましたが、自分自身と似ているところがあるのでしょうか?
そうですね。年齢的なところもあるとは思うのですが、「何か」に焦っている。それは具体的なものではないのですが、台本を最初にいただいた2年くらい前、そういう経験がわたしにもありました。
●今はいかがですか?
今はそこから自由になれた気がしています。それはこの映画の現場がきっかけだと思います。いろいろなジャンルで活躍されている方たちと一緒にモノ作りをして、とても自由で本当に心根のいいみなさんと触れ合い、自分が自由になれたと思います。
宇賀那監督も本当に映画が大好きで、まるで子どものように楽しそうにキラキラした目で映画を作っていらして。やり取りというよりは、そういう姿勢を見せていただいて、わたしも監督のように仕事をしたいと思うようになりました。やっぱり子どもの心を忘れてはいけないと、監督から教わりました。
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●台本が届いた当初、そういう監督の姿勢にも刺激を受けた、ということなのですね。
そうですね。追い詰められていたようなところはあったので、映画ひとつ観るにしても何かをもらおうとしていました。もちろん今でもそういう姿勢で観てはいますが、純粋に映画を観ることを忘れていて。そのことを取り戻させてもらったような気がしています。
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■デビュー10年「今はリスタートの気持ち」
●2015年にモデルデビューされ今年で活動10年ですが、10周年について想うことはありますか?
言われるまであまり考えたことはなかったです(笑)。10年間もやらせてもらえていたのかという驚きもありますが、わたしは進みが遅いので、今スタートに立てたなという気持ちです。頭と体と心が、ようやく一致してきたような感じがしています。
●一致していない。ことにどうやって、気づいた?
「なっちゃん(夏子)は頭と体が一致していない」と野田秀樹さんに昔言われたことがあるのですが、頭で思っていることと体に出ていることが違っていて、それがようやく最近一致してきたなと思うようになったんです。今回の『ザ・ゲスイドウズ』は、そのことに気づけた大きな影響を与えてくれた作品でもあります。
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●リスタートだという今、どこに向かって行きますか?
具体的に何かになるということは自分の中では未知数なのですが、今のこの状態の自分を楽しみたいなと思うようになりました。自分でもわくわくしているというか、先は分からないのでどうなるのだろうと。大先輩の宇賀那監督みたいに、日々も仕事においても生きることを楽しみたいです。
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●今回の映画を待っている方にも同じような気持ちになってほしいですか?
この映画を観て何かを持ち帰ってほしいということはなくて、どこかでぽっと思い出していただければ(笑)。ただ純粋に楽しんでほしいです。
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■公式サイト:https://thegesuidouz.com/ [リンク]
■ストーリー
パンクバンド「ザ・ゲスイドウズ」のボーカル、ハナコは焦っていた。
ロックレジェンドを夢見る彼女は“The27Club”に取り憑かれ、自分もジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリックス、カート・コバーンのように
27歳で死ぬと思い込んでいるのだ。
しかし、「ザ・ゲスイドウズ」の音楽性はまったく他人に理解されない。演奏はノイズの塊。ハナコは激情のまま絶叫するのみだからだ。当然レコードは売れず、ライブをやっても客は来ない。
そんな彼らにレコード会社は最後通告を言い渡す。
「お前ら、ド田舎に移住して売れる曲を作ってこい!売れなきゃ契約解除だ!」
優しい田舎のオバチャンと一緒に暮らし始めたハナコらバンドメンバーは、田舎生活に魅せられ、曲作りそっちのけ畑仕事に精を出す。だが曲は作らなければいけない。
苦悩の果てにハナコは嘔吐と共にロックレジェンドに相応しい曲を生み出す。かくして「ザ・ゲスイドウズ」は世界に羽ばたくバンドへと変貌をの遂げるのだが、ハナコの27歳の誕生日は刻々と近づいていた……。
撮影=塚本桃
(C) 2024「ザ・ゲスイドウズ」製作委員会
(執筆者: ときたたかし)
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