【青森県旧木造町(つがる市)】巨大な遮光器土偶と縄文時代と

青森県旧木造町(つがる市)

日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。

今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。

「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。

今回は、青森県旧木造町(つがる市)を写真とともに紹介する。

Vol.400/青森県旧木造町(つがる市)

次にやって来たのは旧木造町。「きづくり」と読む。面白い名前だなあと思うと同時に、木造りには有名な亀ヶ岡遺跡がある。と、自分で「有名な」と言っておいてだけれど、亀ヶ岡遺跡については、聞いたことのある名前だなあと長く思っていた。要はおぼろげだったわけだ。ただ、木造駅に行くと、スッキリ解決したのであった。巨大な遮光器土偶が駅にめり込んでいたのだ。そして、この遮光器土偶こそ、亀ヶ岡遺跡で出土したものである。

遮光器というのは、北極圏で暮らすイヌイットなどの北方民族が、雪の光避けにつくったサングラスのような道具で、その道具と、土偶の目が、似ていることから遮光器土偶と名付けられている。調べてみると、確かにとても似ていた。

木造駅が見えてきた

迫力満点の大きさだ。目の部分が特徴的

立派な家も多い

亀ヶ岡遺跡の縄文遺跡案内所へ

縄文時代の約1万年という時間の長さ

遺跡も歩いた。わかりやすい史跡が残っているわけではなく、気配を感じていくスタイル

縄文人の姿を、イマジン、イマジン

木造駅を訪れたあと、亀ヶ岡遺跡へ。木造駅で見た静岡ナンバーの車も停まっていた。案内所に入るとボランティアの方がいて、丁寧に説明をしてくださった。あれ、そうなんだと気づくことも多くて、どうやら先日は三内丸山遺跡に行ったというのに、全然わかっていないのだなあと感じられた。三内丸山遺跡は縄文中期、亀ヶ岡遺跡は縄文晩期だとされているようで、年数でいえば全然違うわけだ。

仮に縄文時代の終わりを紀元前400年ぐらいだとして、毎回70歳生きられると仮定しても、まるっと30回以上生きてきて、ようやくその頃に逆戻りできるかどうかだ。人間の命はなんて短くて儚いのだろう。その果てしなさに、ロマンも内包されている。

(仁科勝介)

写真家プロフィール

仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247

  

  

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