北村匠海初監督作『世界征服やめた』藤堂日向インタビュー「背中をバシンと叩かれた気持ちになりました」
北村匠海監督が高校時代に出会い、「人生を変えてくれた」と感謝をささげる、「不可思議/wonderboy」の楽曲を原案に、自ら企画・脚本を兼任した念願の1本にして短編映画初監督作『世界征服やめた』が、2月7日(金)より公開中です。
【ストーリ】主人公・彼方(萩原利久)は、社会の中で生きる内向的な社会人。変化の乏しい日常をやり過ごす中で、「自分なんて誰にも必要とされてないのではないか・・・」と自分の無力さを感じていた。そしてどこか飄々として、それでいて白黒をはっきりさせたがる彼方の同僚の星野(藤堂日向)。星野の選んだ決断に彼方の人生は大きく揺れ動く。「死」の意味を知る時、明日の選択は自分でできることを知る。世界征服という途方もない夢を追いかけるよりも、自分にしか描けない道がきっとある。世界征服やめた!
主人公・彼方の同僚を演じた藤堂日向さんにお話を伺いました。
――本作とても楽しく拝見させていただきました。北村監督とは元々ご交流がある藤堂さんですが、オファーはどの様な形でもらったのでしょうか?
北村匠海とは映画『東京リベンジャーズ』(2021)で出会ったのですが、お互いゲームがすごく好きで。コロナ禍で撮影が止まっている時に、本当に24時間ずっと一緒にゲームしていました。そこですごく交流が深まりました。
そんな中、「日向で映画を撮りたい」と匠海に言われた時は冗談だと思っていて。正式にオファーが来るまで信じていませんでした。
正式にオファーされて1週間後くらいに本読みがあって、その時に「共演のお相手は萩原利久さん、井浦新さんです」と言われて驚きました。家で、ふと共演することを想像した時に号泣してしまって。良かったってすごく感謝しました。
――素敵なお話をありがとうございます。藤堂さんは「不可思議/wonderboy」の「世界征服やめた」という楽曲についてどの様な解釈をしていましたか。
とても刹那的な音楽だなって思っているんですよね。それと同じで、脚本を読んだ時も感じたのですが、鎮火してしまう寂しさを感じました。そして、センテンスごとに響く人が絶対にいると思っていて。
初めて台本を読んだ時に、自分の中のパンドラの箱みたいなものが開く気がしました。撮影でも自分自身が辛くて心の奥底にしまっている様な感情を見せることが出来た気がします。
――星野という人物のことはどうとらえましたか?
どう演じようということがずっと難しくて、星野ってつかみどころが無いんですよね。監督と話していく中で星野に関するワードをいくつかくれて、それを足がかりに役をとらえることが出来ました。
――北村監督ならではだなと感じた部分はありましたか?
本当にたくさんチャレンジさせてくれるというか、一緒に楽しんでいる監督だと思います。匠海自身が作り込まれすぎたものがあまり好きじゃないという所もあるので、テスト無しで一発目の生のお芝居を大切にしているなと。
それで僕も一発目のお芝居って本当に大事だなと痛感しました。リハーサルやテストも大事だけれど、その中でどうライブ感を出すことが出来るか。背中をバシンと叩かれた気持ちになりました。監督もシーンごとの鮮度を大切にしていて、それに触発されてこちらも良い意味でやけになっているというか、そういったリアル感を感じることが出来るんじゃないかなと思います。
――映像もとても綺麗ですし、たくさんの方にメッセージを受け取っていただきたいですね。
「お前の世界はもう大丈夫だ」という言葉、すごくないですか?優しすぎて、温度がありすぎて、すごく熱を帯びている言葉だと思うんですね。僕にも響きましたし、この言葉が欲しい方ってたくさんいると思うんです。
――今日は素敵なお話をありがとうございました!
■原案・主題歌:「世界征服やめた」不可思議/wonderboy(LOW HIGH WHO? STUDIO)
■企画・脚本・監督:北村匠海
■出演:萩原利久|藤堂日向|井浦新(友情出演)
■製作・制作プロダクション:EAST FILM
チーフ・プロデューサー:小林有衣子|プロデューサー:本多里子|ライン・プロデューサー:古賀爽一郎、小楠雄士|撮影:川上智之|
照明:穂苅慶人|サウンドデザイン:山本タカアキ|美術:松本千広|スタイリスト:鴇田晋哉|ヘアメイク:佐鳥麻子|編集:清水康彦|
音楽:HAPPY BUDDHA HILL|助監督:草場尚也|制作担当:福島伸司、佐佐木基入|スチール:高橋春織|台本デザイン:柴崎楽|
撮影協力:ニコンクリエイツ|制作協力:ニコン|企画協力:Creatainment Japan|配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS|
カラー|16:9|5.1ch|51min (C)『世界征服やめた』製作委員会
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