ノルウェーの北極圏で今「ロシア国境ツアー」が人気、参加してみると…
ロシアのウクライナ侵攻以来、ロシアへ気軽に旅行できなくなった。厳密にはすべてのロシア国境を閉じられているわけではないが、外務省から渡航中止勧告(レベル3)が出ているなどリスクが伴う。日本とロシアの直行便も運休のままだ。
日本は島国だが、ヨーロッパなどは陸続きの国も多い。その1つが、ノルウェーだ。
ノルウェー北部の都市キルケネス。ここには、ロシアとの国境ゲートがある。実はウクライナ侵攻後も行き来できていたのだが、最近、労働など以外での行き来を禁じた。旅行客も国境ゲートそばまで行けるが、その先はもちろん行くことができない。
そんな中、キルケネスでは「ロシア国境ツアー」が人気だ。その1つが、船に乗って国境のそばまで行き、ロシアを眺める。
上の画像にある、小屋の向こうにあるのがロシアだ。
色が違うポールが2本並んでいる。赤緑がロシア、黄がノルウェー。このそばまで行くことができる。ただ、赤緑のポールの向こうには行ってはいけない、触ってもいけないとガイドに厳しく言われた。
ツアー参加者が代わる代わる、記念撮影。旅行者がここまで国境に近づくことできるスポットは世界でも類を見ないだろう。
川の向こうの山を見ると、ポールが山の頂上まで点在するのが見える。2本のポールの間が、つまり国境だ。鉄網などがあるかと思いきや、意外と緩く見える。
上の画像が、ロシア側。向こうにある高い鉄塔の上から、ロシア軍が監視しているという。国境の侵入者には容赦ない国である。もちろん近づくことはできない。ちなみに、ロシアのこの辺は発電所という。
昔の、自由に行き来で来た頃の、ロシアの古い写真も展示してあった。
ここは、ウクライナ侵攻でいきなり国境を閉鎖されたり、戦場になったりしたわけではないものの、戦争について考えさせられる。
国境の近くまで行くスポットは、他にもいくつかある。例えば、陸路で行ける場所がこちら。
当然ながら向こうに行くことはできないし、監視カメラもある。以前ここは道路で、バスがこちらから向こうまで走っていたという。網越しに、バス停も見えた。雑草が年月を物語っていた。
国境や、ロシア側にある教会の写真など。この教会へは現在はノルウェー側から行くことができない。
ロシア国境の街ということだが、緊迫感はあまり感じなかった。街でロシア語を見かけると、国境の町であることを思い出す程度だった。
少し前まで、ロシアの住民たちがこの街のスーパーで買い物に来ていたとのこと。そして、今も毎日、国境を通過して通勤するするロシア人も少なからずいる。
(Written by AS)
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