ビョーク、地球の未来について楽観的だと語る「諦めることがクールだとは思わない」
ビョークが、世界情勢について新鮮な見解を示し、地球の未来について意外にも楽観的であると語った。
米ペーパー誌の新しいインタビューで彼女は、2019年から2023年にかけて行ったコンサート・ツアー【Cornucopia】について言及。特定のアルバムに基づいて名付けられたツアーではないが、2017年発表のアルバム『ユートピア』をテーマとした大規模な演劇的なプロダクションのツアーで、キャリアにおいて最も野心的なものとなった。
SFの要素を取り入れたコンサートは主に環境問題に焦点を当てており、ビョークは観客に現代における重要な課題、例えば(再選したドナルド・トランプ米大統領が再びアメリカを離脱させた)パリ協定について考えるよう促していた。
「私たちが達成しようとしている気候変動条約が全く到達不可能だと考えるなら、目標を達成することはできません」とビョークは説明。「未来を想像し、その中に踏み込むことが唯一の方法です。到達可能な気候変動条約を書き上げ、正しいものになるまで微調整を続けなければなりません。そして次の世代がそれを引き継ぐときには、異なる視点で考えて、新たな解決策や環境に優しい生き方を見つけてほしいと思っています」と彼女は述べた。
さらに、ビョークは2007年に発表した楽曲「Declare Independence」が、アートとアクティビズムを融合させる自身初の試みであったことを振り返りながら、自身のアクティビズムの経験について語った。この2つを融合することは、彼女にとっても以前は笑い話にしか思えなかったが、最終的には受け入れるようになったそうだ。そして世界の現状が暗く、悲観的であるにもかかわらず、“2025年に大きな期待を抱いている”と述べた。
「昔から終末の予言は存在していました。ノアの大洪水やさまざまな災害があったように。常にこのようなことが語られてきました。今、重要なのは積極的に行動し、解決策の一部になることだと思います。未来を想像し、その中に身を置く勇気を持つことが必要です。地域社会、あるいはどのような形であれ、あなたが違いを生み出せると思う場所で、自分の仕事に邁進すること。それが重要なのです」と彼女は続けた。
さらに彼女は、「私もこういった黙示録的な番組や映画を観るのはつらいと感じます」と付け加え、「ニヒリズムや自己憐憫、諦めることがクールだとされる風潮があります(笑)。では私は諦めることがクールだとは思いません。私たちが築き上げようとしている未来の世界で人間性と魂を維持し、自然とテクノロジーが協力し合う方法を見つけ出さなければなりません。それは可能だと信じています。想像力があれば、生物はそれを受け入れる余地がありますし、生物は無事だと思います。生物は常に勝利するのです」と語った。
2024年9月、ビョークは気候ウィークの一環として、コンサート・フィルム『Cornucopia』のプレビューを公開した。同ツアーよりポルトガル・リスボン公演の模様を収めたこのコンサート・フィルムは、現地時間1月24日よりApple TVで配信される予定だ。
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