マンション好景気の今だからこそ観たい! 香港発の傑作血みどろゴアムービー『ドリーム・ホーム』

どうやら今マンションがよく売れているらしい。アベノミクス? 消費税が上がる前に買っちゃおう? 自分のお金を好きに使うのは自由だし、景気が良くなるのはいいことである。しかしそんなニュースをメディアで観る度に、私は『ドリーム・ホーム』という1本の映画を思い出してしまう。

『ドリーム・ホーム』は、“香港のタランティーノ”の呼び声高い、奇才パン・ホーチョン監督によるバイオレンス・スリラー。このパン・ホーチョン監督、これまでも『イザベラ』や『AV』など数々の傑作を生みだし、『大丈夫』(2003)では第23回香港アカデミー賞最優秀新人監督賞を受賞している経歴の持ち主なのであるが、この『ドリーム・ホーム』が初の全国ロードショー公開作となった。

筆者もお恥ずかしながら『ドリーム・ホーム』で監督の存在を知り、過去作をたどる事になったのだが、それだけこの作品がイカしていたのである。

2011年の劇場公開当時は「あの『八仙飯店之人肉饅頭』より18年、香港ホラーがまたやらかした!!」という触れ込みで宣伝されていたのだが(トレーラーにも文字が踊っている)、観てみるとなかなかどうして『人肉饅頭』の様なB級感漂う作品とはちょっと毛色の違う、スタイリッシュでシニカルなゴアムービーだったのだ。

美女が殺戮マシーンと化す! そのモチベーションは一体どこに

物語の主人公はOL・チェン。少女時代の貧しい生活から、超高級高層マンション“ビクトリアNo.1”に住む事を夢みており、仕事をかけもちしてお金をコツコツと貯めている。友達からの遊びの誘いも断り、必要最低限な生活を続けている。しかし、マンションの価格はどんどん上がり、追い討ちをかける様に父親が手術に大金を必要とする病を患ってしまう。ビクトリアNo.1に住む夢はどんどん遠ざかっていく、その時彼女がひらめいた解決策とは……?

まず、この作品の何がすごいって、このチェン役を演じるジョシー・ホーさんの心意気がすごい。マカオの大富豪の娘であり、華奢な美女である彼女が、その身一つで老若男女問わず殺しまくる姿は圧巻である。黒目がさえざえとした大きな瞳で、ギリっとターゲットを定め、包丁で、木材で、紐一本でその場を血の海に変えていく。

ちなみに、主演女優のジョシー・ホーさんは『ドリーム・ホーム』撮影時、監督に「もっと過激に!」と意見したのだとか。ものすごい女優だぜ!

ごく普通のOLが大量殺人に手を染めたワケとは? 彼女をここまで駆り立てる目的とは? キレッキレのゴア描写に驚きながらも、背景は人間ドラマあふれるストーリーが流れているので、その点にも注目して欲しい。

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