クワガタの「カッコ良さ」の源に迫る!静岡大学の助教がクラウドファンディングに挑戦
静岡大学理学部の後藤寛貴(ごとうひろき)助教は、クワガタがオスだけ大きな大顎を作っている仕組みを明らかにし、クワガタの「カッコ良さ」の源に迫るため、学術系クラウドファンディングサイト「academist」にてクラウドファンディングを、昨年12月25日(水)~2月20日(木)17:00の期間に実施中だ。
基礎科学への理解や支援を一般に広げる
プロジェクトでは、クワガタがオスだけ大きな大顎を作っている仕組みを明らかにするため、オスの大顎が形成されるときにどのような遺伝子が使われているのかを調べ(発現解析)、その遺伝子を働かなくしたときに大顎が発達しなくなるかどうかを調べていく(機能解析)。
遺伝子の働きを抑えた時に、姿がどう変わるかを調べることで、その遺伝子がどのような機能を持っているかを明らかにすることができる。
多くの人に馴染み深いクワガタに関する研究を、クラウドファンディングを通して行うことで、基礎科学への理解や支援を一般に広げるため、クラウドファンディングに挑戦することとなった。
20年近くクワガタを研究し続ける後藤助教
クラウドファンディングの目標金額は、200万円。募集期間内に集まった寄付が目標金額を超えた場合のみ受け取ることができる仕組みを取る。
募集期間は、2月20日(木)17:00まで。資金の使途は、実験に必要な試薬や設備の購入、学会参加やサンプリングの費用など。
研究者の後藤寛貴助教は、「小さいころから昆虫が好きで、特にクワガタはお気に入りの虫でした。大学院でクワガタに関する研究を始めて以来、なんだかんだと20年近くクワガタを研究し続けています」とコメントしている。
また、後藤助教は「日本人なら誰しもが知っているメジャー昆虫であるクワガタですが、実験生物学的にはあまり研究が行われてきませんでした。クワガタのシンボルといえば、オスだけで大きく発達する大顎です。この大顎はさまざまなクワガタ種ごとに多様な形態を示し、形、艶、大きさなどカッコ良さの要素はたくさんあります。(中略)では、どのような仕組みで大顎が大きく発達するのか? なぜメスでは発達せずオスだけでその仕組みが機能するのか? どんな仕組みで種ごとに多様な形態となっているのか? これらはほとんどわかっていません。こうしたクワガタの大顎にまつわる謎を研究を通して解き明かし、そのカッコよさの源に迫りたいと考えています」と、研究背景を述べた。
さらに、今後の展望と波及効果として「(前略)私たちが行うクワガタの研究の成果を通して、研究活動の面白さを伝えることで、多くの人々(私の場合は、クワガタが好きな子どもたち)に、このような気持ちを持って欲しい、また、それを大事に育てて欲しい、そう思いながら研究をしています。今回、クラウドファンディングを通して、多くの人に馴染み深いクワガタに関する研究を皆さんと一緒に進めていき、研究活動の面白さを体験して欲しいと願っています」と、コメントした。
今後の研究計画をチェック
今後の研究計画は、4月に研究開始、9月に国内学会で発表。12月には、性決定に関する論文執筆を開始し、2026年9月には国内学会で発表、2026年12月には大顎の栄養応答性に関する論文執筆を開始する。
クワガタムシの「カッコよさ」の源を解明するため、クラウドファンディングに挑戦中の静岡大学理学部・後藤寛貴助教の研究を、この機会にチェックしてみては。
academist:https://academist-cf.com/?lang=ja
プロジェクト名:クワガタムシの「カッコ良さ」の源を解明したい!
(江崎貴子)
ストレートプレスは、トレンドに敏感な生活者へ向けたニュースサイトです。ファッション、ビューティー、ライフスタイル、モノの最新情報を“ストレート”に発信します。
ウェブサイト: http://straightpress.jp
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。