「ただより高いものはない」とはどんな意味?その用い方や類義語は?

「世の中そんなに甘い話はない」という意味で使用される慣用句、それが「ただより高いものはない」です。

しかし、この言葉にはどのような意味が含まれるのでしょうか。
今回は「ただより高いものはない」の意味や類義語について解説します。

「ただより高いものはない」とは

ここでは「ただより高いものはない」の意味を解説します。

「ただより高いものはない」の意味

「ただより高いものはない」は、ただで何かをもらうと代わりに物事を頼まれたりお礼にお金がかかったりしてかえって損をすることの例えです。

無料でもらったもので無償でやってもらったことはありがたいものの、結局は後になってから対価を払わなくてはならないということを指します。

転じて、世の中はそれほど都合よくできているものではないという戒めの意味を込めて使用することもあります。

「ただより高いものはない」の用い方・例文

「ただより高いものはない」がただで何かをもらう場面で使用します。

・例文1:あの人はなんでもただでやってくれるからつい仕事を頼んでしまう。ただ、逆にあの人からの頼みは断れなくなってしまった。ただより高いものはないとはこのことだ。

・例文2:ただより高いものはないというように、誰かに何かをしてもらうとかえってお礼にお金がかかってしまうものだ。だからこそ、頼み事はほどほどに。

・例文3:世の中は常にギブアンドテイクで成り立っている。ただより高いものはない。何かしてもらったら逆に何かしてあげなくてはならないのが世の常だ。

このように「ただより高いものはない」は無料・無償で何かをしてもらうことに対して使用されるのが特徴です。

現代では戒めとしても使用され、ただで人に頼るのもほどほどにしなくてはならないというニュアンスで使用されることもあります。

お金に関わる「ただより高いものはない」の類義語

ここからはお金にまつわる「ただより高いものはない」の類義語を紹介します。

安物買いの銭失い

「安物買いの銭失い」は、安いものは品質が劣るから結局高くつくものだということを例えたことわざです。

値段が安いのは家計にとってありがたいものです。

ただ、すぐに故障しては逆に高くついてしまいます。
結果、お金だけを失うことになってしまうわけです。

その点が「ただより高いものはない」と似ているのではないでしょうか。

買うは貰うに勝る

「買うは貰うに勝る」は、何かをもらったらお金はかからないものの相手に借りができて引け目を感じてしまうことを例えたことわざです。

誰かに何かをもらったら一時的には得した気分になります。

ただ、気持ちの負担も一緒に背負わなければならないわけです。
結果、自分で買った方が何にも縛られずに自由にできます。

その点が「ただより高いものはない」に通ずるのではないでしょうか。

安かろう悪かろう

「安かろう悪かろう」は、値段が安いものは総じて品質も悪いことの例えです。

値段が高いものは相応の素材を使用していることもあり、品質も良いです。

もちろん、絶対にそうとは言えませんが、最低限の品質は保たれています。

しかし、リーズナブルなものはそれ相応の価値しかありません。
だからこそ「ただ安ければ良いというものではない」ということを表現したのが「安かろう悪かろう」という言葉となっています。

その点が「ただより高いものはない」と重なるのではないでしょうか。

お金を用いない「ただより高いものはない」の類義語

ここからはお金に関係ない「ただより高いものはない」の類義語を紹介します。

うまい話には裏がある

「うまい話には裏がある」は、自分にとってあまりにも好都合な話を持ちかけられた場合は表に出ない隠れた事情が潜んでいるものだという例えです。

だからこそ、うまい話は疑ってかかれという教訓が込められています。

例えば「絶対に儲かる」という儲け話が来た場合、普通の人は「それなら他人に教えずに自分でやればいいでしょ」と思うものです。
しかし、騙されやすい人は何も疑いません。

結果、騙されて終わってしまいます。
だからこそ、うまい話ほど警戒しなくてはならないわけです。

その点が「ただより高いものはない」と共通したニュアンスと言えるでしょう。

薔薇に棘あり

「薔薇に棘あり」は、美しいバラに棘があるように美しいものには人を傷つける一面があるという例えです。

バラはただ眺める分には綺麗なだけです。
しかし、触れようとすると怪我をします。

転じて、一見すると美しく見えるものにも醜く恐ろしい部分が隠れていることを言います。

その点が「ただより高いものはない」と共通した意味合いと言えるでしょう。

まとめ

「ただより高いものはない」は「世の中そんなに甘い話はない」というニュアンスで使用されることわざです。

この言葉はお金に関してはもちろん、お金が関係しない物事に対しても使用されるのが特徴です。

日常会話でもたまに使用する言葉なので、ぜひその言葉の意味は覚えておいてはいかがでしょうか。

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