「地獄の沙汰も金次第」とはどんな意味?「沙汰」とはなにを指す?類義語は?

世の中の大抵のことはお金が解決してくれるということを表現したことわざ、それが「地獄の沙汰も金次第」です。

しかし、この言葉はそもそも何を意味するのでしょうか。
今回は「地獄の沙汰も金次第」の意味はもちろん「沙汰」の意味も併せて解説します。

「地獄の沙汰も金次第」とは

ここでは「地獄の沙汰も金次第」の意味を解説します。

「地獄の沙汰も金次第」の意味

「地獄の沙汰も金次第」は、この世はすべてお金の力で左右されるという例えです。

閻魔大王が取り仕切る地獄での裁判もお金次第では有利になることを意味します。

罪の軽重にかかわらず、お金の力があればどうにでもできることを指します。

転じて「地獄でもお金の力が通じるくらいなのだから現世ではお金さえ持っていれば何事も思うがままだ」という例えとなったそうです。

「地獄の沙汰も金次第」の用い方・例文

「地獄の沙汰も金次第」は金が物を言う場面で使用します。

・例文1:地獄の沙汰も金次第、この世はお金がなければ何もできない。

・例文2:芸能界はまさに地獄の沙汰も金次第と言えるだろう。なぜなら、お金さえあれば人脈を集めて活躍の場を広げていくことができるからだ。

・例文3:結局のところ地獄の沙汰も金次第というように、すべてのことはお金が解決してくれる。それほど社会は資本主義に毒されているのだ。

このようにお金と社会が密接に関わっていることに対して、時には肯定したり逆に否定したりできるのが「地獄の沙汰も金次第」の特徴です。

どちらかというと社会の現実を批判する場面で使用されることが多いです。

ただし、古くは「地獄の沙汰も銭がする」と表現することも少なくなかったとか。

それが江戸時代後期に入り、現在の形で使用されるようになったとされています。

「沙汰」とは

ここからは「沙汰」の意味を解説します。

「沙汰」の意味

「沙汰」は「沙」「汰」という漢字から成り立っています。

「沙」はさらさらした砂を意味する言葉で「汰」は選び分けることを指す言葉です。

つまり、もともと「沙汰」は細かな砂の中から何かを選び分けることを表現した言葉から来ていたわけです。

転じて、物事の是非を選び分けることを意味するようなりました。

他にも正しく処理する様子や始末する様子をあらわします。

こうした背景から「沙汰」は物事はっきりさせることを意味するようになったとされています。

多様な意味のある「沙汰」

「沙汰」は、物事の是非や善悪を論議して定めることを意味します。

また、その決定事項や指図、命令のことを指すのも特徴です。

ただし、もともとは砂金を探す様子を表現した言葉であり、現代では物事や人物の精粗を選り分ける様子にも使用されます。

このように「沙汰」は多様な意味を持つ言葉と言えるでしょう。

「地獄の沙汰も金次第」の類義語

ここからは「地獄の沙汰も金次第」の類義語を紹介します。

仏の光より金の光

「仏の光より金の光」は、人の心が金銭に惹かれがちであることの例えです。

仏のありがたさよりも金銭のありがたさの方が強いことを意味します。

転じて、神の威光よりも金の威光の方がある状態を指すようになりました。

その点が「地獄の沙汰も金次第」と似ているのではないでしょうか。

金が物を言う

「金が物を言う」は、言葉や理屈で解決できないことであっても金銭に物を言わせれば大抵は解決できることの例えです。

この言葉通り、お金に物を言わせることを言います。

つまり、お金の威力は絶大であることの例えと言えるでしょう。

その点が「地獄の沙汰も金次第」に通ずるのではないでしょうか。

まとめ

「地獄の沙汰も金次第」はどれほどの地獄であってもお金があれば大抵はどうにかなることを例えたことわざです。

地獄の裁判もお金次第では有利に働くことを意味します。
転じて、世の中の大半はお金によって解決できるということを指します。

「地獄の沙汰も金次第」は世知辛い言葉である一方、ある意味で世の中の心理を突いた言葉と言えるでしょう。

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