「糠に釘」とはどんな意味?その由来や類義語は?
無駄であることの意味で使用される言葉、それが「糠に釘」です。
この言葉は何を言っても無駄な人に対して使用されます。
しかし、そもそも「糠に釘」は何を意味しているのでしょうか?
この記事では「糠に釘」がどのような言葉なのか解説します。
「糠に釘」とは
ここでは「糠に釘」の意味を解説します。
「糠に釘」の意味
「糠に釘」は、まるで手応えや効果がないことを例えた言葉です。
親身なアドバイスや忠告をしてもまったく伝わらないことも意味します。
他にも強く抗議したとしても相手が全然聞き入れてくれないような状態も指します。
要は何をしても無駄であることを例えたことわざが「糠に釘」です。
最近では何を言っても無駄な人を例えて使用されることもあります。
「糠に釘」の用い方・例文
「糠に釘」は効き目がない場面で使用する表現となります。
・例文1:彼女は何度注意してもお酒でトラブルを起こしてきた。そんな彼女に酒の席で説教したところで糠に釘だろう。
・例文2:彼はいつでもどこでもタバコを吸う。それどころか他人から注意されたところで一向に直そうとしない。まさに糠に釘である。
・例文3:家事を手伝ってくれないパートナーに「手伝ってよ」と言ったものの糠に釘、休日は手伝うどころか部屋でゴロゴロしっぱなしだ。
このように「糠に釘」はまったく手応えや効果がないことを意味します。
ただし、単に手応えや効果がないというよりはアドバイス・忠告・抗議をしたにもかかわらず何も結果が得られなかった場面で使用するのが特徴です。
「糠に釘」の由来
ここからは「糠に釘」の由来を解説します。
ぬかに釘を打っても・・・
「糠に釘」はその言葉通りの状況が由来となっている言葉です。
「糠」は玄米を精白する際に出る胚芽と種皮が混ざった粉のことです。
「糠雨」のようにごく細かな意味や「糠喜び」のように空しい意味でも使用される言葉となっています。
「釘」は板材や木材を打ち付けたりするのに使用する道具のことです。
先端が尖っているのが特徴で、木製だけでなく竹製や鉄製のものもあります。
その「釘」を「糠」に打ち込む場面から来たのが「糠に釘」となります。
柔らかい糠に釘を打ち付けたとしても何の反応もありません。
それどころか手応えも効果もまったく感じられないでしょう。
転じて、効き目がないものに働きかけることは無駄であることの戒めとして使用されるようになったとされています。
ちなみに「糠に釘」という言葉自体は上方いろはかるたに採用されたことで広く知られるようになったそうです。
「糠に釘」の類義語
ここからは「糠に釘」の類義語を紹介します。
豆腐に鎹
「豆腐に鎹」は、まったく手応えや効果すらないことの例えです。
「鎹」は「かすがい」と読まれるコの字型の釘のことを指します。
実際に豆腐に鎹を打ち付けたところで意味はありません。
その点が「糠に釘」と重なるのではないでしょうか。
暖簾に腕押し
「暖簾に腕押し」も、まったく手応えや効果がないことの例えです。
「暖簾」は「のれん」と読まれる吊り下げ式の布のことを指します。
張り合いがないことの例えとしても使用されるのが特徴です。
実際に暖簾に腕を押し付けたところで意味はありません。
その点が「糠に釘」と似ているのではないでしょうか。
兎に祭文
「兎に祭文」は、何の反応もなく意味のないことの例えです。
「祭文」とは祭りの際に神様に捧げる祝詞のことを指します。
仮に祝詞を「兎」に聞かせたところで理解できません。
転じて、無意味であることの例えとして広まりました。
その点が「糠に釘」に通じます。
馬耳東風
「馬耳東風」は、人の意見や批評を気にかけないことの例えです。
何を言われても気にかけないで聞き流すことの例えとして使用されます。
人は春風(東風)が吹けば寒さが去って暖かくなると思い喜びますが、馬は耳を撫でる春風に何も感じることはありません。
転じて、何を言い聞かせても無駄である例えとして使用されるようになりました。
その点が「糠に釘」と同じと言えるでしょう。
まとめ
「糠に釘」は何を言っても無駄なことやものを例えた表現です。
アドバイス・忠告・抗議したにもかかわらず、まったく効き目がないという意味で使用することわざとなります。
この言葉はあまりポジティブな意味で使用されることはありません。
むしろネガティブな意味で使用されることがほとんどなので、使用する際は注意しましょう。
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