「鬼の目にも涙」とはどんな意味?他にも「鬼」を含むことわざをご紹介!!
人の感情に関することわざ、それが「鬼の目にも涙」です。
日常会話でもよく耳にするため、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
しかし、そもそも「鬼の目にも涙」は何を意味するのでしょうか。
この記事では「鬼の目にも涙」がどのような言葉なのか、他の「鬼」を含むことわざと合わせて解説します。
「鬼の目にも涙」とは
ここでは「鬼の目にも涙」の意味を解説します。
「鬼の目にも涙」の意味
「鬼の目にも涙」は無慈悲な人も時には慈悲心から涙を流すことがあるということを例えたことわざです。
どれほど冷酷な人でも時には情にほだされて心を動かすこともあるということを意味する言葉となっています。
ここでの「鬼」とは無慈悲な人や冷酷な人のことを意味します。
つまりは「鬼の目にも涙」は、強く恐ろしく見える鬼も泣くことがあるということを表現した言葉なのです。
「鬼の目にも涙」の用い方・例文
「鬼の目にも涙」は怖そうな人や冷たそうな人が涙する場面で使用します。
・例文1:怖いことで知られる部長もお子さんの運動会では涙を流して応援していたらしいね。まさに鬼の目にも涙とはこのことだよ。
・例文2:鬼の目にも涙というように、普段は冷たい上司も部下が一生懸命努力する姿に涙することがある。
・例文3:鬼教師と恐れられる先生が、涙を流しながら映画を観ていた。その光景はまさに鬼の目にも涙だった。
このように「鬼の目にも涙」は普段は無慈悲や冷酷に見える人であっても、時には涙を流すことがあるという場面で使用します。
ただし、普段からよく泣く人には使用しないので注意しましょう。
あくまでも「鬼の目にも涙」は普段泣かないような人が泣いている場面で使用すると覚えておいてください。
ちなみに「鬼の目にも涙」は江戸時代頃に生まれた言葉とされています。
当時、圧政によって人々を管理していた代官が、情けの念から年貢の取り立てを緩めた際に「鬼の目にも涙」と表現されたのが始まりとのことです。
「鬼の目にも涙」の類義語
ここからは「鬼の目にも涙」の類義語を紹介します。
頼めば鬼も人食わず
「頼めば鬼も人食わず」は、どのような人でも頭を下げて頼まれれば決して無茶なことはしないということを例えたことわざです。
相手が鬼であっても下手に出て懇切に頼めば人を食おうとはしないということから来た言葉となっています。
現に相手が鬼でも必死に頼めば食べるのをやめてくれるかもしれません。
そのような状況を例えたのが「頼めば鬼も人食わず」という言葉です。
その点が「鬼の目にも涙」と似ているのではないでしょうか。
鬼の中にも仏
「鬼の中にも仏」は、どれほど怖い人や冷たい人の中にも優しい一面があるということを例えたことわざです。
本来は忌むべき対象である「鬼=怖い人・冷たい人」の中にも仏「優しい一面」が隠れているかもしれません。
そのような状況を例えたのが「鬼の中にも仏」という言葉となります。
その点が「鬼の目にも涙」と通ずるのではないでしょうか。
「鬼」を含むことわざ
ここからは「鬼」を含むことわざを紹介します。
鬼に金棒
「鬼に金棒」は、ただでさえ強い者に一層強さが加わることを意味します。
もともと強い鬼が武器である金棒を持てば、もう勝ち目はありません。
現代では、スキルを持つ者がさらなるツールを得てパワーアップすることの意味で使用されることもあります。
鬼が出るか蛇が出るか
「鬼が出るか蛇が出るか」は、予測できないことを意味します。
どのような事態が起こるかわからないような状況で使用する言葉となっています。
もともとこの言葉はからくりを扱う傀儡士から生まれた言葉なのだとか。
そのため、人の好奇心をそそるような場面でも使用されます。
現代ではギャンブルの世界などでも使用されている言葉です。
渡る世間に鬼はなし
「渡る世間に鬼はなし」は、世の中には無情な人ばかりではなく困った時や悩んでいる時には助けてくれる人がいるものだということを例えた言葉です。
この言葉は「世の中まだまだ捨てたものではない」というニュアンスで使用されるのが一般的です。
その意味合いも含め「鬼の目にも涙」と重なるものがあるのではないでしょうか。
まとめ
「鬼の目にも涙」とは普段泣かないような怖い人や冷たい人が涙を見せることもあるということを例えたことわざです。
どれほど冷酷な人でも時には情にほだされて心を動かすこともあるということを意味する表現となっています。
日常会話でも度々目にする言葉なので、ぜひその正しい意味を覚えておいてはいかがでしょうか?
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