「百折不撓」とはどんな意味?その由来や類義語は?

挑戦し続けることを表現した四字熟語、それが「百折不撓(ひゃくせつふとう)」です。
この言葉は諦めない場面などで使用される言葉となります。
しかし、意味についてはわからない人もいるでしょう。

そこでここでは「百折不撓」の意味を解説します。
併せて由来や類義語なども紹介します。

「百折不撓」とは

ここでは「百折不撓」の意味を解説します。

「百折不撓」の意味

「百折不撓」は幾度の失敗にもめげずに挑戦することを意味する四字熟語です。

「百折」は何度も挫折することを意味する言葉となります。
ここでの「百」は100回ではなく何度もという意味があります。

「不撓」は決してくじけないことを意味する言葉です。
「撓」がくじける意味なので「不」が入ることでくじけない意味となります。

「百折不撓」はその「百折」「不撓」を組み合わせた四字熟語となっています。

「百折不撓」の用い方・例文

「百折不撓」は不屈の精神を表現する言葉として使用します。

・例文1:夢を叶えるためには百折不撓の精神が欠かせない。
・例文2:無謀な挑戦も百折不撓の志があれば乗り越えられる。
・例文3:社長は百折不撓の心でゼロから起業した人である。

このように「百折不撓」は何度失敗してもめげずに挑戦することの表現として使用します。

しばしば「百折不撓の精神」「百折不撓の志」「百折不撓の心」のように形容詞的に使用するのが特徴です。

非常に意志が固いことの例えとしても使用されます。

「百折不撓」の由来

ここでは「百折不撓」の由来を解説します。

由来となった『橋大尉碑』

「百折不撓」は諦めずに挑戦し続けることを意味します。
では、この言葉はどこから来たのでしょうか。

由来は蔡邕という人物が残した中国の書物『橋大尉碑』あります。

中国の後漢時代、橋玄という真面目な政治家がいました。
彼は特定の人物の悪事を暴くなど熱心な仕事で知られる政治家でした。

しかし、悪事を暴いていたこともあり悪人からは恨まれていました。

ある日、橋玄に恨みを持っていた強盗が彼の息子を誘拐してしまいます。
すぐに強盗は包囲されたものの橋玄の息子に危険が及ぶ可能性があるということで無理な突入はできずにいました。

しかし、橋玄は息子の命よりも国の治安維持を優先して突撃を命令し、結果として彼の息子は命を落としてしまったのだとか。

この話を受けた蔡邕は「折れない心を持ち、国の大事に臨んでも動じなかった」という意味で「百折不撓、大節に臨みて奪う可からざるの風有り」という言葉を碑文に記しました。

転じて、苦境にもめげず挑戦し続けることを「百折不撓」と表現するようになったとされています。

『橋玄』とはどんな人物?

橋玄は後漢の時代に活躍した政治家です。

彼は真面目な政治家で若くして県の功曹となった人物としても知られます。

後漢の官僚である周景が梁国に至った際には、陳国の要人である羊昌の罪を暴くために徹底的に取り調べさせてくれるよう申し出たことでも知られています。

周景は橋玄の決意を受けて従事に任じると陳国へ派遣。
その後、羊昌の賓客を収監して贈収賄罪の罪状で取り調べました。

最終的には羊昌を檻車で洛陽へ送り、一躍世に名を知らしめたとされています。

「百折不撓」の類義語

ここでは「百折不撓」の類義語を紹介します。

不撓不屈

「不撓不屈」は強い意志を持ってどんな苦労や困難にもくじけない様子を意味する四字熟語です。

「不撓」は曲げないこと「不屈」は屈さないことを意味します。
現にどのような苦労や困難にもくじけないことを指します。

その点が「百折不撓」に通ずるものがあるのではないでしょうか。

由来は中国の書物『漢書-叙伝第七十下』の中に登場する人物にあります。

その人物というのが楽昌侯となった王商という人物です。
彼はどんなことがあっても揺るがない人柄を持っており、その人柄を表現するために「不撓不屈」という言葉が使用されたとされています。

鉄心石腸

「鉄心石腸」は鉄や石のように強い意志を例えた四字熟語です。

これは鉄のような強い心臓と石のように強い胃腸を意味します。
要はどのようなことにも動じない意志のことを指す言葉となります。

その点が「百折不撓」と重なるのではないでしょうか。

七転び八起き

「七転び八起き」は何回失敗してもめげずにまた勇気を奮い起こすことを意味する言葉です。

7回転んだとしても8回起き上がるという意味で使用されます。
まさに「不屈の闘志」を意味する表現といえるでしょう。

その点が「百折不撓」と似ているのではないでしょうか。

まとめ

「百折不撓」は何度挫折しそうになっても諦めずに挑戦し続けることを意味する四字熟語です。

何かに挫折することは誰にでもあることです。
しかし、めげずに続けられる人は数えるほどしかいません。

そうした意志の強さを表現する際にも使用されるのが「百折不撓」です。

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