愛知「住み続けたい街ランキング2024年版」住民評価1位は覚王山が連覇!
2024年、リクルートが2年ぶりに「SUUMO住み続けたい街ランキング2024 愛知県版(SUUMO住民実感調査)」を発表。再開発や再整備が盛んで、注目の施設の開業やリニューアルなど変化が著しい愛知。今住んでいる住民が「住み続けたい」街とは……!? どんな街が上位なのか、住民が魅力だと感じているポイントを、愛知県春日井市で生まれ、現在名古屋市に住み続けて20年の筆者と一緒に見ていこう。
2024年「住みたい街(駅)」1位は、スイーツ激戦区の顔を持つ「覚王山」
*複数路線が乗り入れている駅の代表的な沿線は、住民が最も多く選んだ路線を表示
*20位までの駅を掲載
今回の「SUUMO住み続けたい街ランキング2024 愛知県版」は、愛知県内の街(自治体・駅)について、愛知県在住の20歳以上の男女143118人に「お住まいの街に今後も住み続けたいですか?」と聞いた結果をランキングしたもの。「住みたい街」は住んでみたいと思われている憧れの街だといえるが、「住み続けたい街」は住民の「ここに住み続けたい!」という意向によるもの。住み替えの際に参考となる多様な視点を提供することが、この調査の目的になっている。
(写真/PIXTA)
早速、「住み続けたい街」(駅)ランキング上位の街について見ていこう。
「住み続けたい街」(駅)の1位は、前回2022年に実施したときと同じ「覚王山」という結果になった。
1位「覚王山」は、繁華街でありオフィスも並ぶ「名古屋」や「栄」に直通の地下鉄東山線沿線の駅で、名古屋市千種区に所在。シンボルは覚王山日泰寺。日本とタイの友好の象徴で超宗派であり、お釈迦様の御真骨が眠る国内唯一の寺院でもある。駅を出るとすぐに400mほどの参道が続き、商店街が広がる。レトロな雰囲気の食堂などのほか、東海地方発祥のドーナツ店やパティスリー、インド料理店といった人気店も軒を連ね、新旧の良さが合わさる街だ。近年は駅徒歩圏にスイーツショップが20軒以上も集まり、激戦区の様相に。2022年には岐阜県恵那市の有名和菓子店特製のモンブランが食べられる新業態1号店が開業し、その後も出店ラッシュが続いている。住民も街の魅力として「メディアによく取り上げられて有名である」「人からうらやましがられる」という項目を上位に挙げている。
2位は「住み続けたい自治体」1位の長久手市の街、3位は注目のスポーティーな街
2位以下の街についても見ていこう。
2位「はなみずき通」は「住み続けたい自治体ランキング」で1位の長久手市の街。トップ10内で唯一、名古屋市外からランクインした。「はなみずき通」は、『ジブリパーク』にも直通の愛知高速交通東部丘陵線リニモ(磁気浮上式リニアモーターカー)の駅で、その名の通り、春には街路樹のハナミズキが白い花を愛らしく咲かせる街だ。長久手市西部に位置し、名古屋市営地下鉄東山線の駅でもある「藤が丘」の隣駅なので、名古屋と長久手の中心部どちらへも行きやすい。「街の魅力 駅ランキング」内の「今後、街が発展しそう」の項目で3位、「子育て環境が充実している」で9位、「雰囲気やセンスのいい、飲食店や個人商店がある」項目でも7位にランクインしている。
(写真/PIXTA)
3位の「桜山」は、2022年の73位から3位へと、順位が大幅にジャンプアップ。「住み続けたい自治体ランキング」5位の名古屋市瑞穂区に所在し、「街の魅力」では「子育て環境が充実している」項目の7位や、「街の住民がその街を好きそう」項目の6位にも選ばれている。地下鉄桜山駅7番出口を出るとすぐ、御器所方面にかけて桜山商店街が広がる買い物環境も魅力だ。ランチやディナーを楽しめるだけでなく、大半の店舗がテイクアウトに対応しているため、唐揚げや豚カツ、ハンバーグなどのお店の味を持ち帰ることができる。2023年11月には桜山交差点角に、クリニックや薬局が入った『クリニックモール桜山』が開業し、ますます便利な環境になった。
(写真/PIXTA)
ちなみに、10位の「瑞穂区役所」と「桜山」は隣同士。瑞穂区は、陸上競技場やテニスコート、プールなどのスポーツ施設が集まり、これまでにはプロサッカーチーム「名古屋グランパス」の試合が行われた『パロマ瑞穂スポーツパーク』があるスポーティーな街。週末には学生から社会人までを対象にさまざまな大会が開かれているほか、各種スポーツ教室も開催される。現在は一部が改装中で、2026年開催のアジア競技大会に向けて新たな競技場が建設されていて、競技場とレクリエーション広場が8の字のループで繋がる計画が進行し楽しみだ。桜山の「街の魅力」1位に「散歩・ジョギングしやすい」という項目が挙げられているのも納得。
(写真/PIXTA)
前回から順位が50位以上アップした街の魅力とは……
今回は3位の「桜山」の他にも、2022年の前回から順位が大きくアップした街がいくつか見られた。順位を伸ばした理由は何か? その魅力を探ってみよう。
まず、前回84位から5位へと大きく順位を上げたのが名鉄瀬戸線の「森下」。こぢんまりとした無人駅ではあるが、実は中心地・栄のある「栄町」駅へ直通という穴場だ。徒歩圏内に日本庭園の『徳川園』や『徳川美術館』などの名所があり、スーパーやコンビニエンスストアも。また、一駅隣には2020年に駅前の商業施設『ミュープラット大曽根』が誕生した大曽根駅があり、ショッピングやグルメも充実した。「住み続けたい自治体」2位の名古屋市東区に位置し、「栄」のある中区や子育て世帯に人気の千種区とも隣接する便利な街だ。
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次に、前回120位から8位へと飛躍した「国際センター」にも注目。「住みたい自治体ランキング」で12位の名古屋市中村区に位置し、リニア中央新幹線の計画路線に近い立地。名古屋駅の隣駅であるため、地下街『ユニモール』を通れば、天候を気にせず徒歩で行き来できる。駅直結の『名古屋国際センタービル』は、市内の国際交流の総合拠点施設で、国内外の情報を発信するほか、外国語の図書の貸し出しなども行っている。また、駅徒歩約5分の場所に民間市場の『名古屋駅前柳橋中央市場』があり、一般客も買い物が可能。プロが目利きした魚介などの生鮮食品が日常的に手に入るのは大きなメリットだ。市場内で早朝から営業するラーメン店や海鮮丼の店、屋上でオープンしている海鮮BBQ&ビアガーデンなど、ここならではのグルメも人気が高い。さらに、「町並み保存地区」に指定されている四間道をはじめ、西区の那古野エリアも徒歩圏。名古屋で最も古い商店街ともいわれる円頓寺商店街にはおしゃれなカフェやバル、ボルダリングジムなどが並び、新旧の魅力が交差する。毎年11月に行われる「円頓寺秋のパリ祭」をはじめ、センスが良く個性的なイベントも住民の楽しみになっている。
(写真/PIXTA)
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そして、前回67位から9位にランクアップした名鉄瀬戸線の「清水」も要チェック。2019年~2020年に、一駅隣の「尼ケ坂」との約500mの間の高架下に商業施設『SAKUMACHI商店街』が誕生し、駅から駅の間を歩きながら、飲食やテイクアウトを楽しめるようになった。小規模保育や学童保育施設、おしゃれな駄菓子屋などもあり、子どもの笑い声が響く環境に。名古屋の人気デザイン集団「EIGHT DESIGN」が担当した個性的な建物と、春は桜並木が楽しめる注目スポットになっている。名古屋市北区に位置するが、東区の高級住宅街である白壁エリアも徒歩圏で、一帯には閑静な住宅街が広がる。
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愛知県内の住民が住み続けたい“自治体”もチェック!
*20位までの自治体を掲載
「住み続けたい自治体」の1位は、前回に引き続き長久手市。「住み続けたい駅(街)」2位の「はなみずき通」や13位の「杁ヶ池公園駅」を含む街だ。長久手市は50年にわたり人口増加が続く街であり、令和6年1月1日現在の総人口は61082人で、住民の平均年齢は41.3歳(長久手市参考指標)という「日本一若い街」のキャッチフレーズを持つ。
(写真/PIXTA)
2022年11月より、『愛・地球博記念公園』内に『ジブリパーク』がオープンし、2024年3月の魔女の谷エリア完成で全面開業を迎えた。他にも、「あそび」をテーマにした県立大型児童館『愛知県児童総合センター』(中学生以下無料、その他300円)をはじめ、子連れファミリーが気軽に楽しめる施設が豊富だ。県内で唯一の『IKEA長久手』や自動車の博物館である『トヨタ博物館』、映画館のある『イオンモール長久手』などメディアに取り上げられる商業施設が多く、レジャーやショッピングの楽しみが盛りだくさん。
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2019年からは「ながくて未来図」(第6次長久手市総合計画)の一環として、教育・保育環境の充実や、地域で支え合う体制づくりに力を入れるなど、ますます子育て支援にも注力している。
そして2023年には、長久手市で子育てを経験したという愛知県初の女性市長が誕生。「誰もが希望をもてるまち」を目指し新しい市政に注目が集まる。
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コロナ禍が過ぎ、愛知県内で新しい施設が次々と開業して、街が賑わっている。再開発や再整備が進んで、周辺に魅力的な施設がオープンした街が、前回から大きく順位を伸ばした印象だ。
特に、ランキング上位であるピックアップした街は、近年暮らしやすさや楽しみが増加し、住民が穴場感に気付いたのかもしれない。居住者の「ここに住み続けたい!」という熱い声を集めた「住み続けたい街ランキング」からは、個性と暮らしやすさを両立した、街の魅力が見えてくるようだ。
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