DJ和が語る、渋谷の街の変遷とアニソンDJイベント〈Anisong Scramble〉の展望

DJ和が語る、渋谷の街の変遷とアニソンDJイベント〈Anisong Scramble〉の展望

アニソンDJイベント〈Anisong Scramble(アニソン スクランブル)〉が、2024年9月22日(日・祝)に渋谷で開催され、多くの来場者と共に数々のアニソンナンバーでおおいに盛り上がった。

このイベントは、SHIBUYA109エンタテイメントが東京・渋谷で運営する「MAGNET by SHIBUYA109」の屋上イベントスペース「MAG’s PARK」にて開催されたもの。毎日多くの人が世界各国から訪れている、渋谷スクランブル交差点を一望できる展望台ラウンジがある屋上スペースにて、音楽シーンで活躍するDJたちがアニメソングを中心に流行りの楽曲をプレイする、新たな音楽イベント。今回が初開催だったものの、イベント開始の17時からすでに多くのお客さんが集まり、DJたちが繰り出す様々なアニソンナンバーを聴きながら踊り、お酒を飲みながら週末の夜を楽しんでいた。

DJ和が語る、渋谷の街の変遷とアニソンDJイベント〈Anisong Scramble〉の展望

ヒゲドライバー、ユリコタイガー、DJ HACK、kevin mitsunaga(fhána)ら個性豊かなDJ陣の中で、オープニングDJとクロージングDJを務め、会場を大いに盛り上げていたのが、イベントプロデューサーを務めているDJ和だ。CDセールスがシリーズ累計205万枚を突破している大人気邦楽DJであり、J-POP/アニソンDJとして国内外のフェスで活躍を続ける彼は、東京出身で渋谷の街をつぶさに眺めながら音楽文化に触れてきたはず。今回のイベントローンチにあたっての思いと展望を訊いた。

DJ和が語る、渋谷の街の変遷とアニソンDJイベント〈Anisong Scramble〉の展望

プロデューサーDJ和 インタビュー

――イベントスタート、おめでとうございます!

DJ和:ありがとうございます!

――まずは、オープニングDJおつかれさまでした。最初から結構お客さんが集まってましたよね。

DJ和:もっと遅くから来ると思ってたんですけど、結構みなさん早くから集まってくれました。いい意味でオープニングから盛り上げる気はなかったといいますか、DJイベントの場合ってみんながずっと盛り上げすぎてると、お客さんどんどん疲れて帰っちゃうので、波を作りたいなと思っていました。

――DJ和さんは東京ご出身ということで、渋谷を取り巻く音楽シーンの変遷もお詳しいと思いますが、今の渋谷をどう感じていますか?

DJ和:10代の学生のときぐらいから渋谷に遊びに行きまくっていて。その頃は、渋谷ってすごいヒップホップの街だなっていう感じがしていたんですよ。レコード屋がたくさんあったり、クラブとかもやっぱりヒップホップ・イベントの方が渋谷って多くて。今は多分また変わってると思うんですけど、当時はやっぱりメインがヒップホップのイベントで、4つ打ちのハウスやテクノとかのイベントだと六本木とか西麻布とか、近いところだと目黒とか恵比寿とかっていうイメージがあったんです。そこからこの20年ぐらいで結構様変わりしていて、いろんなお店やブランドとかも多分いろいろ入れ替わってると思うんですけど、学生の頃とかはこんなに外国人観光客がいなかった気がしますね。やっぱり若者がブイブイ言わせてる場所っていうか(笑)。埼玉とか神奈川、千葉、群馬、栃木とかから若者がみんなが渋谷に集結して遊ぶみたいなイメージの場所だったなと思っていて。それが今は外国の方が増えた結果、外国の方に合わせたお店とかそういうスタイルのものが増えたと思うので、その分日本人が別の新しい場所を探さなきゃいけないというか、「若者の集合場所としての渋谷」っていうものは、何か別の形をみんなが探しながら生きてきたんだろうなって思います。

DJ和が語る、渋谷の街の変遷とアニソンDJイベント〈Anisong Scramble〉の展望

――先ほどのオープニングDJでは、アニソンマニアから初心者まで引き込むような選曲でした。今回のイベントのコンセプトは、インバウンド需要も踏まえてのものだと思うですが、外国の方に向けてという意味ではどんなことを意識しているのでしょうか。

DJ和:トータルでイベントを考えているので、クロージングDJではさらに外国の方が思うアニソンみたいな曲をかけようと思っているんです。例えば「進撃の巨人」、「新世紀エヴァンゲリオン」、「鬼滅の刃」、「NARUTO」とか、そういうもうめちゃくちゃわかりやすいやつを最後の時間ではやろうとは思ってます。今日みたいに、外国の方が日本語の音楽が流れてるところでこれをBGMにお酒を飲んでくれるのって、僕らがアメリカとかヨーロッパに旅行に行ったときはそれが当たり前なんだけど、日本って逆にそんな場所がじつはそんなに無いんじゃないかなと思っていて。だから、外国から来た人たちはやっぱり外国の音楽が流れてるバーとかに行きがちだよなと思っているんです。今回のイベントみたいに、こういうところで自然に日本語のアニソンが流れているっていうことが、すごく重要なんじゃないかなと思っています。

――わざわざ探してくるというよりは、渋谷を訪れてみたらアニソンを聴けてお酒が飲めるイベントがあったというか。

DJ和:そうですね。もちろん、このビルの中にはアニメとかゲームとかそういうお店がいろいろ入っていますし、そういうものが好きなオタクの人たちは、自分で調べてちゃんとここに来てくれるんですけど、そうじゃない外国の方の方が圧倒的多数じゃないですか?「渋谷っていう街によくわからないけど行ってみよう」みたいな人がたくさんいると思うので、そういう人たちに向けて自然に日本の音楽やアニソンが流れてる場所で楽しんでもらうみたいなのを作れると、そういう文化がよりジワジワと根付いて、もっとより良い、“正解な形の観光地”になるんじゃないかなって思うんですよね。この場所(屋上イベントスペース「MAG’s PARK」)って、外国の方が毎日たくさん来るらしいですし、こういう場所でイベントをやらせてもらえるのはすごく意味があるなと思っています。外国の方からすると全然わからないようなクラブとかライブハウスの閉鎖された空間でやってるのとはまったく別ものだと思ってて、みなさんが自然に入ってこれてハードルも低いと思うんですよ。文化を根付かせるためには、こういうことを続けていくことが大事なのかもしれないなとは思いました。

――今後も継続して毎月何かしらのイベントを開催していくわけですか。

DJ和:そう考えています。やっぱりとてもいい場所ですし、まだ最初なのでもちろん外国の方にはイベントとしてまだ認知されてないと思うんですけど、「渋谷で週末にこういうイベントをやってるぞ」みたいにどんどん噂が広がって行って、そこに合わせて行ってみるかみたいな、そういう未来があるんだったらすごく素敵だと思うので、ある程度定期的にイベントをやって、そこにたまたま来た人とより多く出会いたいというか、出会いを作っていけたらいいなっていう感じですね。

イベントは定期的に開催予定で、次回は10月26日に行われる。

取材・文:岡本貴之

DJ和が語る、渋谷の街の変遷とアニソンDJイベント〈Anisong Scramble〉の展望

イベント情報

〈Anisong Scramble〉
2024年9月22日(日・祝)MAGNET by SHIBUYA109
屋上イベントスペース「MAG’s PARK」
東京都渋谷区神南1‐23‐10(渋谷駅地下A12出口直結)
●入場料:無料(ドリンク別)
出演:ヒゲドライバー , kevin mitsunaga(fhána) , ユリコタイガー, DJ HACK , DJ YAGU , DJ和
<タイムテーブル>
17:00~17:30 DJ和
17:30~18:10 DJ YAGU
18:10~18:55 ヒゲドライバー
18:55~19:40 ユリコタイガー
19:40~20:30 DJ HACK
20:30~21:15 kevin mitsunaga(fhána)
21:15~22:00 DJ和
詳細:https://t.livepocket.jp/e/xji3y

フォトギャラリー

フォトギャラリーはこちらからご覧いただけます

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. DJ和が語る、渋谷の街の変遷とアニソンDJイベント〈Anisong Scramble〉の展望

OTOTOY

ハイレゾ音楽配信/メディア・サイト。記事も読めるようになったアプリもよろしくどうぞ。

ウェブサイト: http://ototoy.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。