東京都の「令和6年度認知症普及啓発イベント」として東京都庁で“注文をまちがえる料理店”を開催

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東京都の「令和6年度認知症普及啓発イベント」として東京都庁で“注文をまちがえる料理店”を開催

東京都は、認知症に対する正しい理解の促進のため「世界アルツハイマーデー」を記念したイベントを毎年開催中。

第18回目となる今年度は、認知症の方の社会参加の企画として「注文をまちがえる料理店 at 東京都庁」を開催しました。

 

認知症への理解を深める料理店「注文をまちがえる料理店」東京都庁に限定オープン

お昼時の東京都庁。

昼食を求めて多くの職員が訪れる職員食堂に「注文をまちがえる料理店 at 東京都庁」が登場しました。

「注文をまちがえる料理店」は、認知症当事者の方がホールスタッフとして注文をとり、配膳等を行うレストラン。認知症の理解促進と「ま、いっか」の気持ちを世界中に広げるために生まれた、少し変わった料理店です。

本取り組みは一般社団法人「注文をまちがえる料理店」協力のもと、東京都が行っている認知症普及啓発活動の一環として開催されたもので、今回のお客様は都庁職員の方々。

本イベントには小池百合子都知事や栗岡祥一副知事も参加。スタッフとして参加した認知症当事者11名に料理を注文します。

小池都知事は「味噌麻婆なす丼セット」とホットコーヒーを、栗岡副知事は「揚げ鱈と蓮根の黒酢きのこソース 山椒風味」とアイスコーヒーを注文。

注文したメニューは間違うことなくしっかりと届き、小池都知事は「ばっちりです!」とスタッフに笑顔で声をかけ、報道関係者の前で美味そうに料理を食べられていました。

他の職員へも続々と料理が運ばれていく中、一般社団法人「注文をまちがえる料理店」の代表理事を務める和田行男氏は挨拶を行い、

「認知症になったら安心できるわけではないですが、“できるかもしれんな!”って思える社会にしていきたいと思っています。」

と、これまでの活動の経緯や将来の展望を語りました。

初めは都の職員の方々や小池都知事がいるということもあったのか、スタッフの方々も緊張されている様子が見られたものの、イベント中では働くスタッフと食事をされている都職員が談笑する姿が各テーブルで見られ、次第に和やかな空気に。

注文を間違えられてしまったという職員の方にお話を伺うと、

「スタッフの方が注文票に、こちらがお願いしたものへ丸をつけるシステムだったのですが、“どれだったかしら?”と忘れてしまったようで、“これですよ”という風にこちらが丸をつけるなど、やり取りはスムーズに出来ました。ただ、私が頼んだものだけ『てへぺろ焼き』というおやつがなくて、“間違っちゃったわ!”と追加で持ってきてくださいました。」

と、笑顔でコメント。

配膳された時におやつがついていないハプニングこそあったものの、スタッフの方と笑顔で会話をされていたことからも、良好なコミュニケーションが取れていたようです。

最後は注文・配膳などを行ったスタッフの紹介を行い、

「認知症の方と会話、コミュニケーションをすることがすごく大事になってきます。少し料理を間違えたところもあったみたいですが、皆さんのコミュニケーションによって最初から間違いがなかったような(良い)空間が生まれていたな、という風に感じました。」

と担当者の方が感想を述べ、本イベントを締めくくりました。

 

「相手を尊重する心がすごく大事」

東京都福祉局 高齢者施策推進部在宅支援課の小澤氏は、

「東京都では、認知症の方の社会参加を進めたいという風に思っております。一方で和田さんの団体では、社会の方が認知症の方を含めて寛容な世界を作る必要があるという理念で活動されております。我々も、認知症の方の社会参加を進めることを考えた時に、当事者側が何かをしなければいけないということではなく、“社会の方が変わる必要があるな”と考えておりますので、そこで理念に共感し、今回ご一緒に開催させて頂きました。」

と、今回都庁で開催した経緯を説明。

「カメラがたくさん並ぶ中で、職員も緊張していたかと思うのですが、そんな中で当事者のみなさんとスタッフのみなさんの楽しいイベントにしたいという気持ちがどんどんと湧き上がってきたと思いますし、スタッフの皆さんも楽しくなってきた様子が見て取れたかなと思います。」

とイベントの様子についてもコメントされました。

和田氏は、

「東京から日本中・世界中に(情報を)発信されていくということは凄く大事なことですし、今回東京都さんからお声掛けを頂いて、東京都庁で“注文をまちがえる料理店”を開催させて頂けるというのは凄く喜ばしく、成功させないといけないなと思い取り組ませて頂きました。」

と、今回のイベントが開催出来たことを喜ばれていました。

 

認知症は誰もがなってしまう可能性がある身近な存在。年々増加傾向にあり、東京都では2025年には認知症の方が55万人を超えるとも推計されています。

その理解を深めるため、東京都はこれからも普及啓発活動を行なっていくそうなので、ぜひ認知症に対しての理解を深めてみてはいかがでしょうか。

注文をまちがえる料理店:http://www.mistakenorders.com/
とうきょう認知症ナビ:https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/

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