ヘアサロンで出るプラスチックをアップサイクル製品に変えるブランド「TOKU」誕生
沖縄県石垣市のヘアサロン「U+ luve heart’s And Be」より、新たなアップサイクルブランド「TOKU(トク)」が誕生した。
「TOKU」では、ヘアサロンから回収されたカラーリング剤のプラスチックキャップが、アップサイクル製品へと生まれ変わる。
「TOKU」立ち上げの背景
ヘアアレンジやカラーリングが多種多様な技術で楽しめるようになった一方、サロンで増え続けるカラーリング剤まわりの廃プラスチック問題は、依然その最善策を探し続けているそう。
そのような中で、サロンの現場で働く美容師たちの目線でこの問題を見つめ直し、一人ひとりの行動を次のステップへと発展させていくことを目的に、アップサイクルブランド「TOKU(トク)」が誕生した。
「U+ luve heart’s And Be」の代表・浦﨑氏は、ヘアサロンの現場で避けることができないプラスチック問題に危機感を感じる中で、アップサイクルを通じてポジティブなメッセージを発信することの大切さを実感したという。
世代を問わず誰もが身近にサスティナブルな明日に向けて行動する=未来を「Re•think(あらためて考える/無意識を意識化する)」ことをコンセプトに掲げ、その思いを具現化するブランドとして「TOKU」が立ち上げられた。
アップサイクル製品ができるまで
「TOKU」のプロダクトの素材となるのは、プロジェクトに賛同する全国のヘアサロンから回収されたカラーリング剤のプラスチックキャップ。
通常であればヘアサロンで使用後に廃棄され続けるカラーリング剤のキャップを、恒常的に使い続けられるマスターキャップ「エンドレスキャップ」にすることで、賛同サロンから未使用な状態のキャップを回収可能にした。
回収されたキャップは、それぞれの色味ごとに細かく分別し、細かいチップ状に切断、加熱・溶融したチップを3Dプリンターを用いた「TOKU」のオリジナル金型に圧入し、新たなフォルムを宿したアップサイクルプロダクトとして再生される。
アップサイクルヘアコーム販売中
「TOKU」のプロダクトとして、「hair comb(ヘアコーム)」が6月に発売された。
同製品は、浦﨑氏自身の約25年にわたる美容師のキャリアをもとに、「手馴染みの良さ」「使いやすいフォルムとデザイン」「インテリアにも馴染むビジュアル」を様々な角度から検証・考案したオリジナル金型で成型。
回収、分別、截断から金型への流し込み、ニッパートリムと仕上げの練磨に至るまで、一つひとつ手作業で生み出されるのは、唯一無二のマーブル柄を描くアップサイクルヘアコームだ。
海洋プラスチックを融合したプロダクトも
「TOKU」のプロジェクトは、石垣島で海洋プラスチック問題をテーマにアースクリーンツアーやアップサイクルワークショップなどを手がける縄文企画との出会いから、ユニークかつポジティブな協業を実現した。
カラーリング剤のプラスチックキャップに、縄文企画によって回収されたオーシャンプラスチックを融合することで、また異なるテクスチャーとカラーバリエーションのマーブルヘアコームが誕生。
今後は、縄文企画が運営する「アップサイクルラボ縄文」とのコラボレーションで、「アップサイクル体験を通じて今の消費社会を考える」アースクリーンツアーとヘアコーム製作を融合したワークショップも積極的に展開していく予定だという。
「TOKU」の今後に注目
「TOKU」では、「hair comb」に続き、ハンドミラー、ヘアクリップなど、サロンならではの経験とアイデアを融合した新たなアップサイクルプロダクトの製作も企画している。
「TOKU」のプロダクトは、主に全国の「TOKU」プロジェクト提携ヘアサロンで販売中。また、環境問題に意識を向ける=「アースコンシャスアクト」として、企業各社のノベルティとしても好評を博している。
今後は、環境問題に積極的に取り組む県内リゾートホテルを中心にワークショップなども企画し、販路も随時拡大予定とのこと。
限りある資源の枯渇と、海の生態系を脅かす海洋プラスチックゴミ問題、双方からプラスチック問題を「Re•think」し、アプローチする「TOKU」の想いや活動に注目したい。
TOKU 公式Instagram:https://www.instagram.com/toku_rethink
(Higuchi)
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