【東京都】文京区立森鴎外記念館、明治~昭和の文学者らが交わしたハガキを特別展示。関連企画も

【東京都】文京区立森鴎外記念館、明治~昭和の文学者らが交わしたハガキを特別展示。関連企画も

特別展「111枚のはがきの世界―伝えた思い、伝わる魅力」出品資料より抜粋。撮影:カロワークス

文京区立森鴎外記念館は、10月12日(土)~2025年1月13日(月)の期間、特別展「111枚のはがきの世界―伝えた思い、伝わる魅力」を開催する。

観覧料は、一般600円で、20名以上の団体は480円。中学生以下と、障害者手帳提示の人と介護者1名までは無料だ。

著名人がしたためたはがき111枚

堀辰雄筆 葛巻義敏宛

文京区立森鴎外記念館には、江戸千家家元・川上宗雪氏より、明治20年代から昭和50年代に交わされたはがきコレクション111枚が、2023年に一括で寄贈された。

田中正造筆 宮内勇次宛

はがきの差出人は、森鴎外、夏目漱石、与謝野晶子、石川啄木、芥川龍之介、宮沢賢治らの文学者や、竹久夢二、藤田嗣治、竹内栖鳳、恩地孝四郎らの美術家。ほかにも、田中正造や幸徳秋水、三遊亭円朝や南方熊楠といった、各分野において近現代史に名を遺す著名人ばかりだ。

その内容は、季節の挨拶、礼状、祝い、事務連絡など、暮らしや仕事のやり取りもあれば、私信ならではの本音や心安さが見られるものも。手書きでしたためられたはがきには、書き手の個性や受取人との関係性、当時の社会の雰囲気に思いを巡らせる魅力が詰まっている。

「111枚のはがきの世界―伝えた思い、伝わる魅力」

特別展「111枚のはがきの世界―伝えた思い、伝わる魅力」では、はがき一枚一枚の魅力や、それらが伝える人物交流、文化的・社会的背景を紹介。

各人の全集に未収録のものや、文京区ゆかりの文化人のものなど、明治から昭和に至る通信環境の変化とあわせて、111枚のはがきの世界を楽しめる。


森鴎外が、史伝小説『北條霞亭』執筆のための資料収集に関して、嶋田青峰へ宛てたもの(初公開資料)や、


石川啄木が北海道・小樽から、盛岡中学の先輩だった言語学者・金田一京助に宛てたもの、


富岡鉄斎が佐佐木信綱へ宛てた年賀状、


夏目漱石が、漱石の著書『道草』『明暗』の装丁を手掛けた画家・津田青楓に宛てたものなどが公開される。

関連企画について

関連企画として、展示監修者、調査研究協力者による講演会を開催する。講演会はいずれも定員50名で事前申込制。料金は無料だが、参加票と本展覧会観覧券(半券可)が必要だ。申込方法など詳細は、同館HPなどで確認しよう。

11月10日(日)14時~15時30分には、大妻女子大学名誉教授・森鷗外記念会会長の須田喜代次氏による講演会「111枚のはがきが織りなすタペストリー」を開催する。

11月24日(日)14時~16時15分には、講演会「はがきの世界1」を開催。前半は、東海大学名誉教授の伊藤一郎氏を迎え、『芥川龍之介のはがきをめぐる三題噺-〈六朝書体〉・海軍機関学校・小説「河童」』を、後半は、大妻女子大学教授の松村茂樹氏による『夏目漱石のはがきから-漱石の文人趣味』を展開する。

12月14日(土)14時~16時15分には、講演会「はがきの世界2」を開催。前半は、大妻女子大学名誉教授の杉浦静氏による『宮沢賢治「臨終の詩」の謎-松本竣介はどこでこの詩に出会ったのか?』、後半は、東京大学准教授の出口智之氏による『翻字作業の裏側で-文字に向きあうということ』を開催する。

また、10月30日(水)、11月20日(水)、2025年1月8日(水)の14時からは、当日の展示観覧券があれば申込不要で参加できる30分程度のギャラリートークも実施する。

近現代史に名を遺す著名人がしたためたはがきから、当時の人物交流、文化的・社会的背景を感じてみては。

■特別展「111枚のはがきの世界―伝えた思い、伝わる魅力」概要
会場:文京区立森鴎外記念館
住所: 東京都文京区千駄木1-23−4
期間:10月12日(土)~2025年1月13日(月)
開館時間:10時~18時(最終入館は17時30分)
休館日:10月22日(火)、11月26日(火)、12月23日(月)、24日(火)、29日(日)~1月3日(金)

文京区立森鴎外記念館URL:https://moriogai-kinenkan.jp

(Higuchi)

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