「登竜門」とはどんな意味?その由来や例文は?
日本語としても頻繁に使用される言葉、それが「登竜門」です。
しかし、具体的に「登竜門」の意味を説明できる人はそこまで多くないのではないでしょうか。
ここではそんな「登竜門」の意味や由来について解説します。
「登竜門」とは
ここでは「登竜門」の意味を解説します。
登竜門の意味
「登竜門」は成功するために超えなくてはならない難関のことを意味します。
特定の物事において乗り越えなくてはならない壁というニュアンスで使用されることもあります。
なお、この言葉は古代中国に伝わる伝承から来た表現です。
そのため、もともとは別の意味を持つ言葉でした。
詳しくは「登竜門の由来」にて解説します。
登竜門の用途・例文
「登竜門」は目の前に立ち塞がる試験のような意味合いで使用されます。
・例文1:M-1グランプリは若手お笑い芸人にとっての登竜門だ
・例文2:芥川賞は新人作家の登竜門として知られている
・例文3:就職活動において面接は一種の登竜門である
このように成功のために乗り越えなくてはならない試練を指して使用されることがほとんどです。
ちなみに、古代中国では立身出世の関門を意味する言葉としても使用されていたそうです。
「登竜門」の由来
ここからは「登竜門」の由来を解説します。
中国・黄河の「鯉の滝登り」伝説
「登竜門」は古代中国の黄河に伝わる「鯉の滝登り」伝説が由来とされます。
「竜門」は黄河上流にある竜門山を切り開いてできた急流で、古くから中国では名の知れた川として扱われてきました。
現地ではその「竜門」を登ることのできる鯉は龍になるという言い伝えが残っていたそうです。
現に中国の故事「後漢書-李膺伝」には、人の立身出世の関門を「登竜門」と呼ぶようになったとの記載があります。
その伝説から生まれたのが「登竜門」という言葉です。
この人に認められたら安泰?後漢時代に活躍した「李膺」
紀元前二世紀頃、古代中国に「李膺」という政治家がおりました。
彼は当時、乱れた風潮の中でも正しい政治を守り続ける政治家として知られていました。
人々はそんな李膺を慕い、彼に才能を認められれば立身出世が約束されたも同然という意味で「竜門を登る」と表現していました。
実際に李膺と親しい関係になった人物は「竜門に登った鯉のようなものだ」と例えられたのだとか。
後に唐王朝の時代に入るとこの言葉は科挙(官僚を登用するための試験)に合格することを指すようになり、出世の糸口を意味するようになりました。
転じて、出世するための関門自体を「登竜門」と呼ぶようになったようです。
日本ではその当時の意味がそのまま伝わり、現代でも「登竜門」は広く使用されています。
鯉のぼりと登竜門の関係性
ここからは「登竜門」と「鯉のぼり」の関係を解説します。
鯉のぼりの目的
現代の「鯉のぼり」は単なる飾りとしての意味合いしかないと思っている人もいるかもしれません。
しかし、もともとは立身出世を意味するものでした。
実際に「鯉のぼり」には人生で遭遇する難関を鯉のように突破して立身出世して欲しいという願いが込められています。
他にも子供の健やかな成長を願う意味も込められています。
由来は「鯉の滝登り」から
「鯉のぼり」の由来は中国の「鯉の滝登り」にあります。
その昔、中国では黄河を登る鯉は竜になると信じられていました。
そこから「登竜門」という言葉が生まれたのは前述の通りです。
その「登竜門」の別の表現である「鯉の滝登り」が日本にも伝来し、「こどもの日」に鯉の飾りが掲げられるようになります。
実は「鯉の滝登り」の伝承は中国が由来ですが、飾り付ける習慣は日本だけのものとされています。
つまり、日本の「鯉のぼり」は中国かた伝わってきた「鯉の滝登り」が由来ではあるものの、飾りは日本独自のものということです。
まとめ
「登竜門」は古代中国から生まれた言葉です。
この言葉には難関を超えると立身出世するという意味があります。
日本でも同じように成功するために超えるべき難関という意味で使用されるのが一般的です。
現代でも中国とほとんど同じ意味合いで使用されているので、ぜひ由来も含めて覚えておきましょう。
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