語学は「勉強」では身に着かない 5年で12ヵ国語を習得した著者が言語習得の”最短ルート”を明かした一冊

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語学は「勉強」では身に着かない 5年で12ヵ国語を習得した著者が言語習得の”最短ルート”を明かした一冊

 みなさんは道端や駅などで困っている外国人観光客に声をかけられてあたふたしてしまい、「英語がペラペラだったら……」「この人の国の言葉が話せれば……」と落ち込んだことはありませんか? これまで学校で長い年月をかけて英語を学んできたはずなのに、英語ネイティブと話せるほど英語を習得している日本人は少なく、”言語学習は難しい”と思い込んでしまっている人がほとんどです。

 しかしそれを「なんともったいないことでしょう。『学び方』さえ工夫すれば、外国語習得は、それほど難しくも大変でもありません。誰でも、いつからでも、何語でも、何ヵ国語でも、習得できる」と断言するのは、日本で生まれ育ちながら5年間で12ヵ国語をほぼ独学で習得したKazu Languagesさん(以下、Kazuさん)。上記は著書『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』に書かれた言葉です。

 Kazuさんは、外国語学習の楽しさを発信するため、2022年から本格的にYouTubeチャンネル『Kazu Languages』で活動を開始し、2024年7月22日現在の登録者はなんと96万人。「日本人が突然初対面の人の母国語を話して彼らを驚かせてみた!」などの動画がとても人気なので知っている人もいるかもしれません。Kazuさんはスペイン語、英語、フランス語、アラビア語、インドネシア語、ロシア語、ポルトガル語、ドイツ語、トルコ語、中国語、タイ語、韓国語を習得しているため、世界にいるたくさんの人と会話を楽しめます。

 ここまで読んで「Kazuさんが語学センスのある天才なだけでは?」と思った人もいるはず。正直、私はそう思いました。しかし同書を読み進めていくと、「語学の天才だ!」と感じるのは最初のうちだけで、少しずつ「人と話すのが好きな人」や「いろいろな国に興味を持っている人」、「目の前の相手に敬意を持って接することができる人」とKazuさんの印象が変化していきました。

 では、どうすればKazuさんのように言語を習得できるのでしょうか。Kazuさんいわく「『その国に興味があること』『その国を好きであること』は、上達を早める一番の推進力」とのこと。例えば、”K-POP推しの友人がいつの間にか韓国語をマスターしていた!”なんて経験はありませんか?

 Kazuさん自身も、最初は大学入学時に流行っていたJ.バルヴィンとウィリー・ウィリアムの楽曲『Mi Gente』の歌詞を理解したいと思ったことをきっかけに、スペイン語にのめり込んでいきました。また、もともと海外に対する漠然とした興味を持っていたKazuさんは、「世界中の人と話したい」という想いがベースにあったこともあり、スペイン語話者の人口が多いことも魅力的だったようです。

 言語学習といえば、「まずは文法から学ぼう」や「単語をたくさん覚えなきゃ」など勉強することばかりに頭がいきがちですが、Kazuさんの言語習得の過程を知っていくと最初にすべきことは「明確な目的を見つけること」だと気づかされます。例えば「英語を話せるようになりたい」と漠然と感じているのであれば、「どうして英語なのか」「英語を話せるようになって誰と話したいのか」など自分に問いかけて目的を明確にすることから始めてみるといいかもしれません。当たり前のことのように感じますが、意外とここができていない人が多いということですね。

 学習実践の章では、Kazuさんが初級者におすすめのツールとして『ニューエクスプレス』シリーズ(白水社)を紹介。

「文法や表現を会話文で体系的に学びながら、実際の会話力を向上させることができます」(同書より)

 Kazuさんは「先にフレーズを蓄積して会話力の素地を作ってから、自然に文法を学んでいく」(同書より)という感覚的な学び方を推奨しており、他にもそのためのツールが多数紹介されているので、詳細はぜひ同書で確かめてみてください。

 インターネットの普及により、私たちは簡単に世界中の人と友だちになることが可能になりました。Kazuさんもアプリ「OmeTV」を活用して世界中の人との会話を楽しんでいます。「留学しなければ言語は習得できない」という考えは今後なくなっていくかもしれません。「時間がない」「お金がない」と言い訳をしてきた人は、この機会に同書で楽しく外国語を習得する極意を学んでみてはいかがでしょうか。

[文・春夏冬つかさ]

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