写真は、極めて個人的な体験を忘れていく為に記録する作業。写真家・岡部桃の日本では約4年ぶりとなる個展『DILDO / Bible / ILMATAR』がTOGA AOYAMAにて開催

ILMATAR/2020/©岡部桃

都内2店舗目となる旗艦店TOGA AOYAMAでは展示プロジェクト「TOGA TRIANGLE」をスタート。成山画廊を招いての第五弾の企画として、写真家、岡部桃の個展を開催する。
独特な色彩で表された岡部桃の作品は、深く愛した恋人との記憶の記録、死に対する絶望と恐怖、怒りの暴力的エネルギー、過去との長く暗い葛藤の末に獲得した心象風景を写した私小説。震災、残骸、性別適合手術といったショッキングなイメージが奏でるエレジーは、決して終焉の悲しみではなく、新しいエネルギーが生まれる原点、勇気ある葛藤を極自然に描いている。
本展では、性別移行したふたりの恋人との関係を撮影した写真集『DILDO』、東京、宮城、インド撮影された作品で構成された『Bible』から、 作家自身が選んだ8作品を、非性愛者である自身の妊娠・出産を含む6年間を切り取った『ILMATAR』から4作品を展示。
「写真は、極めて個人的な体験を忘れていく為に記録する作業」と話す岡部桃。日本では約4年ぶりとなる個展に注目が集まる。



Bible/2014/©岡部桃



Bible/2014/©岡部桃


TOGA TRIANGLE VOL.05 with GALLERY NARUYAMA
成山画廊 岡部桃『DILDO / Bible / ILMATAR』
会期：2024年7月12日(金)- 8月11日(日)
営業時間:12:00 – 20:00
会場：TOGA AOYAMA　
住所:東京都港区南青山5-3-5 ミル・ロッシュビルB1F
表参道A5出口より約2分
＊当店はバリアフリーになっておりません。入口まで階段が多く、エレベータもございませんが、店頭スタッフが介助のお手伝いをさせていただきます。お電話で事前にお申し付けください。
駐車場はございません。

岡部桃
1981年、東京生まれ、4歳までフランスで過ごす。1999年に第8回キャノン写真新世新世紀展で優秀賞(荒木経惟選)を受賞し、2002年には第19回『ひとつぼ展』に入選。海外からの評価も高く、2014年にはKASSEL PHOTO BOOK AWARDに入選し、2015年にはFOAM’s Paul Huf awardを受賞した。
主な個展に『Bible & Dildo』(2015年/成山画廊)、『Momo Okabe』(2015年/FOAM・アムステルダム)、『ILMATR』（2020年/成山画廊)。 写真集に『UNSEEN/TSUNAMI (with Kohey Kanno)』(2012年/Dashwood Books, NY)、2013年『DILDO』(2013年/session press, NY)、『Bible』(2014年/session press, NY)、『ILMATAR』(2020年/Mandarake)がある。
日本の女性写真家を取り上げた『I’m So Happy You Are Here : Japanese Women Photographers from the 1950s to Now』(2024年/Aperture)に作品が収録され、同名の展覧会がアルル国際写真フェスティバルを皮切りに、約4年間をかけて世界各地を巡回する。また、アルル国際写真フェスティバルでは、KYOTOGRAPHIEによる企画グループ展『Transcendence』でも作品を発表している。


成山画廊
1997年、コレクション展、象徴主義の写真家Wilhelm von Gloedenで開廊。以降、科学、医学、人類学を主題とした作品を取り扱い、新しい価値観を問うている。丹念な取材で対象の内面をも描き出す諏訪敦 一見ユニークだが痛烈な皮肉を秘めたCosima von Boninのほか、彫刻家・池島康輔、画家・興梠優護、写真家・岡部桃、グラフィティライター・WANTOなど日本の若手アーティストが所属。またシュールレアリストの Pierre MolinierやHans Bellmer、Cecil Beaton、矢頭保、明治期の医学写真、Conan Doyleの旧蔵品である心霊研究資料などをコレクションしている。
住所 東京都千代田区九段南2-2-8 松岡九段ビル205 / 電話 03-3264-4871 / 開廊時間 13:00~19:00 / 休廊日 水・日・祝 / http://www.gallery-naruyama.com

お問い合わせ：
[email protected]
TOGA AOYAMA Tel: 03-5962-7875