「物語を振り返って考える面白さがあるダークファンタジー」『ザ・ウォッチャーズ』レビュー:テラシマユウカ(GANG PARADE)
1999年の大ヒット作『シックス・センス』から、2021 年公開の『オールド』に至るまで、”マスター・オブ・サプライズ“の称号で常に多くの映画ファンを虜にしてきたM・ナイト・シャマラン。そんなシャマランがプロデューサーを務め、実の娘イシャナ・ナイト・シャマランが自らの脚本で長編初監督を務めた衝撃の”覗き見”リアリティーホラー『ザ・ウォッチャーズ』が大ヒット上映中です。
舞台は地図にない森、ガラス貼りの部屋、そこには見知らぬ3人—。28 歳の孤独なアーティスト ミナは、贈り物を届けるだけのはずだったが、そこに閉じ込められ“謎の何か”に毎晩監視されている—“監視者”は何者なのか?そして何故…?
本作を鑑賞した、テラシマユウカ(GANG PARADE)さんによるレビューをお届けします!ホラー映画好きならでは視点にもご注目を。
【テラシマユウカさん】
「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、13人からなるアイドルグループ「GANG PARADE」のメンバー。映画コラム『今日はさぼって映画をみにいく』を連載中の他、映画のトークイベントへの参加、SNSでの映画紹介も人気。
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◆『ザ・ウォッチャーズ』を観る前に抱いていた印象がありましたら教えてください。
M・ナイト・シャマラン監督の娘の作品ということもあり、想像を超えた非日常な状況下で何が起こるか分からないような、父の作品の傾向が遺伝した作品になるのかなと予想していました。出来るだけ事前情報がない方がガチャ感覚で楽しめそうなので情報を出来るだけ遮断していました。
◆実際にご覧になっていかがでしたか?
シャマランの血を感じさせながらも予想を裏切るダークファンタジーが繰り広げられています。絶望的な森の深さと見えないことに対する恐怖心を掻き立てられ、単純な脱出劇ではなくルールの中で生きること、自分や他人と向き合うこと、王道のテーマも扱いながら、ウォッチャーズの特徴となる部分の伏線を存分に張り巡らせラストの展開に効いてくる、物語を振り返って考える面白さのある作品でした。
◆特に印象的だったキャラクター、シーンを教えてください!
主人公であるミナが1番印象的でした。
彼女が出会った森の中の謎の建物で暮らす3人もそれぞれ特徴的な性格を持ち、厳格でリーダー格のマデリン、夫が森で行方不明になってしまったキアラ、若く衝動的で危なっかしいダニエル、個性的なキャラクターが揃っていました。主人公のミナは主観ではまともに思えるけれど、他者との関係性に心の壁をつくり、カツラをつけて自分以外の人間になりきったり、後にそこも伏線となるのですが、抱えている心の闇からくる行動に気になるポイントの多い人物でした。
◆これから観る方に、これを知っておいた方が良いよ(もしくは無しが良いか)アドバイスがあれば教えてください。
まだ予告編を観ていない方は観ないままで、何も知らない状態で挑んだ未知のものに出会う感動と恐怖をより得られると思います!
◆これまでご覧になった、ナイト・M・シャマラン作品でお好きなものを教えてください。
『シックス・センス』が特にお気に入りです。ホラー映画にハマりたての学生の頃、偶然レンタルDVDショップで出会い何も知らずに観た時の興奮は忘れられません。記憶を消してまたあの気持ちを味わいたい作品です。
作品情報
■監督:イシャナ・ナイト・シャマラン
■製作:M・ナイト・シャマラン、アシュウィン・ラジャン、ニミット・マンカド
■製作総指揮:ジョー・ホームウッド
■脚本:イシャナ・ナイト・シャマラン
■出演:ダコタ・ファニング、ジョージナ・キャンベル、オルウェン・フエレ、アリスター・ブラマー、オリバー・フィネガン
■公式サイト: thewatchers.jp ■公式X:@warnerjp #映画ザウォッチャーズ
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