DürrがAudiに18,000台目の塗装ロボットを納入|コスト減と環境保護を両立
ドイツの機械・プラントエンジニアリング会社Dürrは、自動車メーカーAudiに18,000台目の塗装ロボットを納入した。このロボットにより、生産工程での運用コスト減とVOC(揮発性有機化合物)排出量の低減による環境保護が実現する。
最新技術を搭載したDürrのロボットが生産を効率化
記念すべき18,000台目となるロボット「EcoRP L033i」は5月にAudiの上塗ラインに設置され、Audi Q6 e-tronシリーズの内外装を塗装する予定だ。Dürrの最新のEcoBell4アトマイザーを搭載した6軸塗装ロボットは、特許取得済みの4本針技術により、塗装色の変更をわずか4秒で完結することが可能。この先進技術は最も頻繁に使用する3色を直接アトマイザーに接続できるため、塗料とリンス剤の消費量など、運用コストの削減に大きく寄与している。
Dürrのアプリケーション技術部門責任者であるLars Friedrich博士は、「4本針技術と高効率の塗装技術を備えたEcoBell4という初導入の革新技術を持ち込んだ点で、今回のプロジェクトは一味違う。」と、述べている。
Dürrの最新のEcoBell4アトマイザー技術により、自動車メーカーが運用コストを抑えられるだけでなく、VOC排出量を減らして環境保護に貢献できるとしている。
Dürrが実現する「持続的生産可能」なライン
今回のプロジェクト内容は塗装用ロボットの提供だけではない。塗料層の厚さ、構造、色合いを測定するための品質測定セルや、フェザーローラーで車体を洗浄する2台のEcoRS Clean Fロボットからなる洗浄ステーションも実装する。
さらにDürrのピギング技術を用いたEcoSupply P特殊塗料供給システムも使用することで、短時間でどんな色にでも柔軟に変えながら塗装できる生産ラインが実現する。
塗装だけにとどまらず、品質測定セルや洗浄ステーションなども含めた包括的なアプローチを行っている点で、自動車塗装技術におけるDürrの革新性と卓越性が見て取れる。
Dürr発展の歴史と塗装ロボットの未来
Dürrは1998年、最初の塗装ロボット「RP7」をスペインの日産自動車に供給した。同社は現在、2016年に導入された第3世代のロボットを展開中だ。Audiに納入したEcoRP L033iも第3世代のロボットで、モジュール構造が採用されている。
Lars Friedrich博士は、「私たちはこの革新的な技術を初めて試し、Audiとともに実践することを楽しみにしています」と語っている。
参考・引用元:
Dürr
EuropaWire
(文・せな)
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。