中華料理で見かける「空芯菜」とはどんな野菜?その旬や原産地について解説!!危険な食べ物だったりするの?

中華料理でよく見かける食材、それが「空芯菜」です。
日本でも中華街などではよく食される野菜となります。

ただ、食べ方には少しだけ注意が必要です。
今回はそんな「空芯菜」についてどのような野菜なのかを解説します!

「空芯菜」とは

まずは「空芯菜」がどのような植物なのか見てみましょう。

茎がスカスカな「空芯菜」

「空芯菜」はヒルガオ科サツマイモ属に含まれる植物です。

漢字の通り、茎の中心が空洞になっているのが特徴です。
断面を見てみると空洞で可食部はそこまで多くありません。

「空芯菜」の原産地

「空芯菜」は中国南部や東南アジアなどを原産地とします。
日本では沖縄や九州など比較的暖かい地方で栽培されています。

そのため、暑さに強い野菜として重宝される植物です。
現に日本の夏は葉物野菜がなかなか出回りません。

一方で「空芯菜」は夏にこそ美味しく食べられることもあり、うまく活用すれば食卓の心強い味方になってくれるでしょう。

「空芯菜」の旬

「空芯菜」は熱帯アジアなどでよく食されている食材です。
その旬は6月頃~9月頃までの夏とされています。

この時期の「空芯菜」はシャキシャキとした食感があります。
それでいてクセもないので炒め物だけでなく和え物などにも最適と言えるでしょう。

ちなみに熱帯アジアなどではニンニク炒めなどで食されることがあるそうです。

「空芯菜」を選ぶ時のポイント

「空芯菜」は鮮度をチャックして選ぶのがおすすめです。

葉先までハリがあり、緑鮮やかで色濃いものが良いでしょう。
逆に元気がないものや変色しているものは避けたいです。

お店で選ぶ際は断面がみずみずしいものだと鮮度が保たれていて安心です。

名前が豊富な「空芯菜」

「空芯菜」は国や地域によって様々な呼称を持ちます。
ここからはそんな「空芯菜」の名前について見てみましょう。

蕹菜

「空芯菜」は中国名で「蕹菜」と表記されます。
その読み方は「ヨウサイ」となりますが、現地中国では「エンツァイ」と発音するのが一般的です。

なお、日本に伝来してきた当時も「エンサイ」などと呼ばれていたのだとか。

蓊菜・燕菜

「空芯菜」は台湾語由来の名前で「蓊菜」「燕菜」と書かれることもあります。

これはもともとの中国読みである「エンツァイ」が由来です。
「エン」は漢字で書くと「蓊」や「燕」となります。
その漢字を当てたのが「蓊菜」「燕菜」です。

ウンチェー

「空芯菜」は沖縄で「ウンチェー」と呼ばれます。
人によっては「ウンチェーバー」と呼ぶこともあるそうな。

このように日本であっても地域によっては別称で呼ばれることもあるようです。

朝顔菜

「空芯菜」は朝顔に似た花を咲かせることでも知られます。
そのことから「朝顔菜」と呼ばれることもあります。

これはあまり一般的な名称ではないものの日本では「朝顔菜」の名称が使用されていることもあるので注意しましょう。

「空芯菜」に危険性はある?

ここからは「空芯菜」の危険性についてまとめます。

「空芯菜」に毒性はない

「空芯菜」は難溶性のシュウ酸カルシウムを含んでいます。
そのため、独特のえぐ味が残っている場合もあります。
ただ、毒性に関する経口データはないので普通に食べる分には問題ありません。

他方、劇物のシュウ酸塩として飲み込むと有害とされます。
そのことから安全性に置いてやや注意が必要でしょう。

シュウ酸カルシウムそのものが尿道結石などの原因になることはないものの食べ過ぎに気を付けなくてはなりません。

生食する際には気を付けて

「空芯菜」はそのまま麺料理のトッピングとして食されることがあります。

ただ、病原菌が付着している可能性があるので要注意です。
中でも肝蛭という寄生虫には気を付けておかねばなりません。

肝蛭は牛やヤギなどの草食動物の胆管に住みつく寄生虫です。
その糞に含まれる卵から孵化した幼虫は水草の表面に付着するものの「空芯菜」などの野菜に付着する場合もあります。

そのため、生食にはあまり向きません。

仮に肝蛭症にかかると腹痛や下痢、発熱などを引き起こします。
そのため、基本的には熱を通して調理してから食べましょう。
どうしても生で食べるならきちんと洗うことが重要です。

「空芯菜」は体を冷やす?

「空芯菜」は体を冷やす効果があるとされています。

現に「空芯菜」は薬膳などにおいて寒涼性の食材とされます。
そのため、食べ過ぎてしまうと体が冷えてお腹を壊してしまうこともあるかもしれません。

ただ、逆に夏場には火照った体を冷やしてくれるのでありがたい存在と言えるでしょう。

食べすぎると危ない?中国での別名「抽筋菜」

中国において「空芯菜」は別名「抽筋菜」と呼ばれます。

これは中国の広東省などで「食べ過ぎると痙攣を引き起こす」と言われることに起因しています。

そのため、現地では食べ過ぎると危ないという認識があるとか。
ただ、実際に「空芯菜」を食べることで痙攣を引き起こすかどうかはデータが乏しいです。

まとめ

「空芯菜」は中華料理などでよく見かける食材です。
その名の通り、茎の中心が空洞になっているのが特徴です。

こうした「空芯菜」は毒性こそあまりないものの生食の場合は寄生虫がいる可能性もあるので注意しましょう。

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