中国の伝統楽器“二胡”の魅力を広げたい! ウェイウェイ・ウーさんインタビュー まさに「琴線に触れる」音色
皆さんは「二胡(にこ)」という楽器をご存知ですか? 中国の伝統的な擦弦楽器の一種で、2本の弦の間に挟んだ弓で弾く、音色がとても印象的な楽器です。
そんな二胡の魅力を伝えるべく、さまざまなジャンルのミュージシャンとコラボレーションを精力的に行っているウェイウェイ・ウーさん。伝統音楽、クラシック、ロック、ジャズ、フュージョンとの共演を可能にした、現代二胡のパイオニア的存在です。
そんなウェイウェイさんが主催するコンサート「バラードナイト」の第2弾が5月17日(金)に開催。この「バラードナイトⅡ」の魅力や二胡という楽器について、お話を伺いました!
――今日初めて二胡をこんなに近くで見ました!結構コンパクトなのですね。
弦が2本ありまして、この2本の弦の間に弓の毛が挟まれています。弓の毛が馬の尻尾で出来ていて、昔遊牧民族が使っていたっていうところからルーツが来ているんですね。弓の毛で弦をこすって、弦が振動して、駒に伝わり、蛇の皮が震え、筒の中で反響して音が出ています。
――歴史も長そうですね。
誕生したのは1500年ぐらい前と言われています。その1500年前から形はあまり変わっていなくて、実は元々はバイオリンと兄弟だったともいわれています。バイオリンは弓と楽器が分かれていて、二胡は挟まれている状態だからどこかで分岐したのだろうと。馬に乗りながら生活していたと思うので、弦を中に入れて無くさない様にしたのだろうと。発祥地は中央アジア。バイオリンもそうなのです。どちらも中央アジア、今のウズベキスタンあたりで発祥して、二胡は東に、バイオリンは西に広がっていったのではないかと。面白いですよね!
――ウェイウェイさんもバイオリンを学ばれていましたが、一緒にやられる方が多いのですか?
バイオリンの4本の弦の真ん中の2本の弦と、二胡は同じチューニングですからバイオリンが出来る方は割ととっつきやすいかもしれませんね。弓の持ち方が全然違うのですが、こする感覚は一緒です。バイオリンとかチェロとか指を止める板がありますが、それが二胡にはないので、そのシンプルさと奥深さに魅了される方が多いです。
――先ほど少し弾いていただきましたが、本当に素敵な音色ですよね。
もともとは民族楽器ですから、日本の三味線とかのイメージでどこか懐かしさを感じる人が多いのかもしれません。私自身も二胡=おじいちゃんたちが弾く楽器というイメージがあったのですが、今私が教えている生徒さんたちの中では「珍しくてオシャレな楽器」というイメージを持っている方も多くて、私も「二胡にはこんなスタイルもあるんだよ!」と提案しながら活動しています。
――ウェイウェイさんは今回のバラードナイトの様にポップスも演奏されていますね。
そうですね、ジャズやコンテンポラリーなんかも実はこの楽器で出来るんですよっていうのをアピールしていきたいんです。たまに私の知り合いの方で「コンサートに寝にきたのだけど、興奮して全然寝なかったです」という人もいて(笑)。皆さんノリノリで盛り上がってくれます。
――今回のライブでもコントラバスやチェロとのセッションもあり、盛り上がりそうですね。
伝統を守ることも大切ですが、新しいことも一緒の気持ちで伝承していかなければいけない。そうすると、こういう西洋楽器とのコラボレーションはとても自然だなと思います。私もずっとやっていますけれど、今の若い方は柔軟にセッションしていて素敵だなと思います。弦楽器同士の何とも言えないハーモニーが、心の弦を弾かれると同じような感じしますね。
――確かに感情に響くというか、なぜか涙が出そうになる音色ですよね。
まさに「琴線に触れる」という感じですよね。琴線って言葉を考えると本当に二胡の音色って人の心に届くんだと思います。
――改めて「バラードナイト」の魅力、どの様なライブになりそうかを教えていただけますか。
第1弾の時、すごく良くてアルバムにも収録したくらいの盛り上がりでした。会場が教会ということで、ならではの音の響きがあって。ライブ中は楽しくて、客観視は出来ないのですが、改めてこのアルバムを聴くと聴きどころがたくさんあって。『JIN-仁-』のテーマソングや、『Godfather – Love Theme』、『My Heart Will Go On』など名曲の数々をやらせていただき、本当に盛り上がりましたね。
――今回は東京のみでの開催ですが、近いうちに全国の皆さんもウェイウェイさんの演奏を聴ける機会はありそうですか?
リアルに皆さんにお届けしたいので、9月にもライブが決定して、あとは12月の年末コンサートにもぜひお越しいただきたいです。コンサートでリアルな感動を知っていただいて、コンサートの後にまたアルバム聞くと、感動がまた蘇ってきて素敵な気持ちになれるのではないかと思います。
デビューしてもう20年以上経って、次は20枚目のアルバムになるんですね。この20年間に色々な方と出会い歩んできて、オリジナル曲も結構書き下ろしています。オリジナル曲は今の世界に自分から発信したいことメッセージを込めているので、ぜひそのアルバムもたくさんの方に聴いていただきたいです。
――ウェイウェイさんが健康と美容のために気をつけていることを教えてください!
もう20年近くかな、ヨガを続けています。ヨガと出会ってからは、若い時よりも身体が柔らかくなりました。健康はそのぐらいかな。あとは好きなことをやっています。ゴルフを2年くらい前からはじめていて、まだまだうまくないんですけど、すごく楽しいですしファッションも可愛いのでハマっています。ライブの前2時間前からは食事を取らないのですが、すごくエネルギーを使うので、ライブが終わったあとにはベルトがぶかぶかになります(笑)。
――ライブはすごくパワーを使うのですね!ぜひ多くの方にリアルで体験してただきたいと思います。
ライブでしか感じられないバンドとの呼吸、私たちもお客さんとの呼吸があります。教会の会場も素敵ですし、時にはノリノリで、時にはすごくリラックス出来ると思うので、ぜひ遊びに来てください。
◆タイトル:ウェイウェイ・ウーコンサート「バラードナイトⅡ」
◆出演:ウェイウェイ・ウー(二胡)、森丘ヒロキ(Pf)、ファルコン(Gt)、芹澤薫樹(Ba)、奥泉貴圭(Vc)
◆日程:2024年5月17日(金)
◆会場:キリスト品川教会 グローリア・チャペル
◆開場:18:30/開演:19:00
◆チケット:全席指定、一般料金:¥6,800(税込)
イープラス:
https://eplus.jp/sf/detail/4049110001-P0030001P021001?P1=1221
◆お問い合わせ:スネークミュージック 03-3260-8535
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