能登地震の被災地・石川県輪島市では「輪島塗り」も「一般的な漆塗り」も良いものが買えるよ
石川県輪島市といえば、朝市と輪島塗りが有名ですよね。……などと書きつつも、筆者はまったくといっていいほど輪島塗りに詳しくないのですが、輪島市役所は輪島塗りについて以下のように解説しています。
輪島市役所による輪島塗りの解説
「輪島塗の起源はさまざまな説がありますが、現存する最古の品は室町時代のものです。輪島塗の技は、長い年月をかけて確立され受け継がれてきました。その大きな特徴としては次の4つが上げられます。1.天然の木材を使う。2.天然漆を使う。3.輪島地の粉を使う。輪島産の珪藻土を焼いて粉末にしたもの。漆に混ぜることで頑丈な下地が作られる。4.布着せをする。椀の縁など弱くなりがちなところに下地工程の段階で布をかぶせる。輪島塗は完全分業制で、完成までに木地、塗り、研ぎ、上塗り、加飾(沈金・蒔絵・呂色)といった各工程を担当する職人の技と魂が吹き込まれます」
「輪島で漆器が盛んになった理由としては、古くから北前船の寄港地として海上交通の拠点であり材料、道具が調達しやすかったこと、漆、檜、あて(あすなろ)などの木々を育てる豊かな森があったこと、輪島地の粉が産出できたこと、漆が乾燥に適した湿潤気候であること、そして何と言っても、割賦販売の先駆けとなる販売網、分業制の独自生産システム、品質管理などモノづくりへのこだわりが大きな要因と言えます」
輪島市で作られた漆塗りの器を『道の駅』で購入可能
輪島市の『道の駅』や、隣接する『わじまおみやげ館』では、輪島塗りはもちろんのこと、輪島市で作られた漆塗りの器を購入することができます。能登地震から約4か月が経過した4月下旬、実際に行ってみたところ営業していました。
手暇かけた輪島塗りのレア感に惹かれる
輪島塗りは一般的な漆塗りよりも価格が高めであることが多いと思いますが、店員さんによると、それは輪島塗りの工程が多いから。手間暇をかけているぶん、他の漆塗りよりも高額になってしまうようです。購入側としては、手間暇かけた輪島塗りのレア感と美しさに惹かれるものがあります。
輪島市で作られた輪島塗りではない漆塗りの器も販売
もっと安価なものが欲しい場合は、輪島市で作られた輪島塗りではない漆塗りの器も販売されているので、それを購入するのもアリでしょう。『道の駅』では、かなり安価な箸も売られていました。
輪島市のものを購入して地域経済を潤わせたい
輪島市は能登地震の影響と、復旧・復興がなかなか進まない影響により、路上が危険な状態になっている部分が多々あります。倒壊した建物も多数あり、近くに寄ることは避けたいところ。しかし、どんな状況であろうと、そこに住んでいる人、働いている人はいます。もし輪島市に行くことがあれば、現地のものを購入し、地域の経済を潤わせたいものです。
羽田空港から能登空港まで約1時間
東京から輪島市に行く場合、羽田空港から能登空港まで約1時間、片道約1万円です。能登空港からは輪島市の『道の駅』までバスが出ていますが、飛行機の時間とリンクしていないため、恋路観光バスの「ふるさとタクシー」(900円)を予約すると便利です。能登空港から輪島市の『道の駅』まで約30分です。
JR金沢駅から輪島市の『道の駅』までバス(片道2300円)が出ているので、それに乗るのもアリでしょう。
能登・輪島市は輪島塗りが有名ですが、輪島塗り以外の漆塗りも作られ『道の駅』やその周辺でも販売されています。酸素に触れ続けると色が変わる器もあって興味深いです。写真はどちらも同じ漆塗りの湯のみですが、箱から出したほうは時間経過と共に花模様が銀に。輪島塗りよりも少工程で安価とのこと pic.twitter.com/1rxADJ9Gss— クドウ@地球食べ歩き (@kudo_pon) May 2, 2024
(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)
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