我らが北海道日本ハムファイターズの万波中正外野手(23)が大暴れでチームの快勝に貢献した。3日、エスコンフィールドHOKKAIDOで行われた楽天戦に3番ライトで出場。1回に先制打を放ち良い流れで迎えた5回、楽天・岸孝之投手の緩いカーブを完璧に打ち返すと打球は左中間スタンドへ。今季第1号のスリーランホームランとなった。このホームランが昨季開業したエスコンフィールドの記念すべき通算100号本塁打となり、また自身も史上23人目の全打順本塁打を達成した。
万波選手は22年6月1日中村奨選手(ロッテ)以来でプロ野球23人目。万波選手は23歳11カ月で、58年9月4日三宅秀選手(阪神)の24歳4カ月を抜いて全打順本塁打達成の最年少記録。また297試合目での達成は78年島本講平選手(近鉄)の355試合を抜き史上最速となった。
プロ年目の万波選手。プロ初本塁打がプロ3年目の2021年。新庄剛志監督が指揮を執るようになった2022年に14本塁打、この年で3、4番以外すべての打順で本塁打を放った。そして2023年に4番で5本塁打をマーク、2024年シーズンは3番リーチの状態でスタートしていた。そんなメモリアルづくしとなった万波選手の全打順本塁打。それぞれの1本目を振り返っていきたいと思う。
1番・2022年4月9日VS楽天
1番でスタメン起用された第3打席。母校である横浜高校の先輩である楽天(当時)の涌井秀章投手と対戦し、直球をとらえシーズン第2号となるソロホームラン。「めちゃくちゃうれしいです。(涌井は)一緒にプレーしていることも信じられないような、雲の上の存在なので」と喜んだ。
2番・2022年6月3日VS阪神
2番での本塁打は甲子園での阪神タイガースとの交流戦での一発。3回に先頭打者として迎えた第2打席。阪神・ウィルカーソン投手の初球の145㎞のストレートを完璧に打ち返し、バックスクリーン左へ叩き込んだ。この本塁打は自身初の2ケタ本塁打となる第10号だった。
3番・2024年4月3日VS楽天
3番ライトで出場したこの日、5回に楽天・岸孝之投手の初球の緩いカーブを完璧に仕留め追加点を挙げる3ランで全打順本塁打を達成。チームの全打点を叩き出す4打点の大暴れ。初回の先制タイムリーを放ったあとの談話で「あと3点!」と意気込んでいた通り、有言実行の3ラン。24年シーズン第1号となり、タイトル獲得へ期待が膨らむ一発となった。
4番・2023年5月30日VSヤクルト
ヤクルトスワローズとの交流戦で4番に座った万波選手。前年のセ・リーグ3冠王の村上宗隆選手の目の前で2打席連発となる10号、11号ソロを放つ大活躍。10号到達は両リーグ最速。4番起用は6試合ぶり4度目。チームはこの日万波の2打点で2-1で勝利した。
5番・2022年5月15日VSソフトバンク
10-2とチームが大勝したこの日、万波選手は3安打4打点と大爆発。6回に137㎞のカットボールを弾き返し、推定135mの特大ホームラン。この日は本塁打、三塁打、安打を放っており、サイクル安打に王手をかけていたが、最後の打席は空三振に終わってしまった。
6番・2021年6月27日VSロッテ
6番での本塁打は静岡での一発。この前日の試合で返球の悪送球で走者の進塁を許すというミスがあったが、6点を追う9回に名誉挽回となる2号ソロを放った。勝利には結びつかなかったが、意地を見せた本塁打となった。
7番・2021年6月13日VSDeNA
7番での本塁打はすべての始まりであるプロ初本塁打。7番センターでスタメン出場した2回の第1打席。1点を追うツーアウトランナー無しの場面で、今永昇太投手の真ん中に入ったカットボールを仕留めた。高卒3年目、通算45打席目での嬉しい初本塁打となった。
8番・2022年8月27日VSソフトバンク
8番センターでスタメン出場した2回、1-0でリードする中、先頭打者として先発・武田翔太投手の145㎞のストレートを弾丸ライナーでレフトスタンド中段に突き刺した。「完璧でした。打った瞬間、これは間違いないという当たりでした」と自画自賛の一撃。チームトップタイとなる第13号の本塁打だった。
9番・2022年3月27日VSソフトバンク
9番での本塁打は2022年3月27日、新庄政権初年度の開幕3戦目。開幕から2試合は代打での出場だったが、9番ライトでスタメン出場。2点のリードを許す5回に同点となる値千金のシーズン第1号の2ランを放った。これがシーズン初安打となり「最高!きょうは寝られません!」とコメントした。
ちなみに全打順本塁打と全球団本塁打を達成している選手は2名、元横浜、ソフトバンクでプレーした吉村裕基選手と楽天の浅村栄斗選手。こちらの記録も……と言いたいところだが、必然的にファイターズから移籍しなければ達成できないため、この記録は達成しないままでいてほしいと願う。
(Written by 大井川鉄朗)