国際ブッカー賞とヴァレンティノが新たに文化的なパートナーシップを構築。ブッカー賞財団はグローバルマジョリティの翻訳者に焦点を当てた助成金なども企画
ブッカー賞財団は4月17日(水)(英国時間)、2024年国際ブッカー賞授賞式においてメゾン ヴァレンティノ(Maison Valentino)がスポンサーを務めることを発表。このパートナーシップは、世界の優れた小説家たちの文化的な地位を高めるために結ばれたもの。
映画界のアカデミー賞、音楽界のグラミー賞にのように、文学界の賞であるブッカー賞は、世界の優れたフィクション作品にとってのもっとも評価されている指針として知られている。これまで半世紀以上にわたり世界の多くの優れた才能たちを見出し、称賛し、そのキャリアを変えるきっかけを作ってきた。国際ブッカー賞では毎年、英語に翻訳されイギリスおよび(または)アイルランドで出版された世界中の小説および短編作品を読者たちに紹介している。
メゾン ヴァレンティノは長年にわたり文学界との良好な関係を築いており、また今回のスポンサーシップにより、世界のアートとカルチャーの育成をさらに促進。何年もの間、メゾンはインパクトのあるテキストや著者を称えることによって優れた文学作品に貢献していきた。ファッションと文学をつなぐ学際的なさまざまな取り組みを行うことで、言葉が持つオーセンティックな美を称えるキャンペーンを通じて、従来のファッションによるコミュニケーションの伝統的な意味を再構築。ヴァレンティノはこれまでにもハニヤ・ヤナギハラ、レイラ・モトリー、エリフ・シャファク、川上未映子を含むブッカー賞にノミネートされた多くの著者たちとコラボレーションを行っている。
アートと物語における卓越とインクルーシビティという、2つの組織が支持する共通の精神を称え、メゾンヴァレンティノは5月21日(火)に開催される2024年国際ブッカー賞授賞式のスポンサーを務める。翻訳小説に対するヴァレンティノの貢献により、ブッカー賞財団は賞の認知度を高めるとともに、2024年国際ブッカー賞のショートリストに挙がった6作品をイギリス国内の図書館に500セット寄贈。
チャリティ財団、クランクスタートも中心的な資金提供者として引き続きブッカー賞を支援。
本年の国際ブッカー賞授賞式のライブストリーミングは、インターネットの常駐図書館員として知られるユーチューバー、ジャック・エドワーズによる司会のもとYouTube.com/TheBookerPrizes にて行われる。エドワーズは11月に行われた2023年ブッカー賞のライブストリーミングでも司会を務め、ヴァレンティノとも数年に渡りコラボレーションを行っている。
イギリス国内の図書館への支援
翻訳小説に対するヴァレンティノの貢献により、ブッカー賞財団はチャリティ財団、The Reading Agencyと協力し、2024年国際ブッカー賞のショートリストに挙がった6作品をイギリス国内の図書館に500セット寄贈。チャリティ財団 クランクスタートは中心的な資金提供者として引き続きブッカー賞を支援。サンダーソン男爵夫人は、図書館を評価した最近のレビューで「公立図書館は控えめながらも私たちのコミュニティの中心であり、その扉の奥に可能性の世界が広がっています」と述べ、蔵書を常にアップデートすることの本質的な重要性を強調。図書館はブッカー賞にとって非常に価値あるパートナーであり、ブッカー財団は世界の優れた翻訳小説を一人でも多くの読者に届けるこの取り組みにおいて 図書館と協力できることを心待ちにしている。
English PENとの新しいパートナーシップ
今年、ブッカー賞財団はPEN Presents programmeにおける新進気鋭の翻訳者を支援する新しい取り組みにおいてEnglish PENとも提携。国際ブッカー賞X PEN プレゼンツ プログラムでは特に、グローバルマジョリティの翻訳者に焦点を当てる。
2016年以来、国際ブッカー賞とEnglish PEN のPEN Translates programme への提案は同じ物語を綴っている。グローバルマジョリティの著者による作品は増加している一方で、グローバルマジョリティの翻訳者は慢性的に少ないまま。国際ブッカー賞 x PEN プレゼンツ プログラムは、より多くの人、より多くの英語話者に翻訳小説を届けることを目的とし、2024年10月にローンチする。
対象は言語や地域を問わず、未翻訳作品の翻訳サンプルの作成を希望する、グローバルマジョリティの翻訳者。ショートリストに挙がるとサンプル制作のための助成金が授与される。その中から選定された方は編集サポートを受けながら、イギリスの出版社に推薦される。詳細は今夏までに発表。
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