災害時にスマホやインターネットはどうなる?普段からやっておきたい対策も解説
災害発生直後にインターネットは使える?
大きな災害が発生した直後には、インターネットはどのような状態になるのか見ていきましょう。
スマホのモバイル回線
スマホのモバイル回線がつながるためには、基地局が正常に稼働している必要があります。一方で、大きな災害が発生すると、被災地では停電になることが多いです。そのため、基地局への電力供給もストップし、モバイル回線が使えなくなる可能性があります。
基地局には蓄電池も備えられていますが、数時間しか保ちません。停電が長時間にわたると蓄電池だけでは対応できなくなります。状況によっては1週間以上モバイル回線がつながらなくなることもあるかもしれません。実際に、能登半島地震においても、被災地では停電が長期化しました。
また、基地局そのものが被害を受けて稼働できなくなることもあります。稼働している場合でも、災害時には安否確認や情報収集のため多くの人がスマホでインターネットを使用するでしょう。そのような事情から、混雑してつながりにくくなる可能性が高いです。
自宅の光回線
家屋が倒壊するくらいの災害だと、光ファイバーケーブルも被害を受けます。ところどころ、断線する箇所も出てくるでしょう。そうなると、インターネットにつながらなくなります。それに加えて、停電だとONUやルーターなどの機器も稼働できないため、接続できません。
接続できる状態だとしても、モバイル回線と同様に混雑してつながりにくくなります。
公衆Wi-Fi
災害時には大きな避難所などで公衆Wi-Fiが無料で開放されることがあります。スマホのモバイル回線がつながらない場合には、公衆Wi-Fiに接続して情報収集したり、家族の安否確認をしたりするといいでしょう。
無料開放される公衆Wi-Fiは00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)というものです。開放されている場所でスマホのWi-Fiをオンにすれば、Wi-Fiのネットワーク選択画面で「00000JAPAN」が表示されます。パスワードなどは不要で選択するだけで接続可能です。
ただし、暗号化はされていないため利用する際には注意しましょう。個人情報やパスワードなどの入力は極力避けるのが無難です。
特定のサイトやサービスが利用できなくなることも
WebサイトやWebサービスに使用されているサーバーが災害で被害を受けることもあります。そうなると、サーバーがダウンし、サイトの閲覧やサービスの利用ができなくなることもあるかもしれません。
また、サーバーが設置されているデータセンターは全国各地に散らばっています。そのため、どの地域が被害を受けても、特定のサイトやサービスが利用できなくなる可能性はあります。
スマホのバッテリー切れに注意
災害発生時にスマホがバッテリー切れにならないように、次のような点に注意が必要です。
最低限の使用にとどめておく
災害発生直後は停電になることも多く、復旧するまでスマホの充電はできなくなります。そのため、無駄にバッテリーを消費しないようにすることが大切です。安否確認や情報収集に関係のない用途での使用は控えるようにしましょう。
バッテリー消費を抑えるように設定を変える
スマホの設定でバッテリー消費を抑えられます。例えば、省電力モードに設定したり、画面を暗めに設定したりすると、バッテリーが長持ちしやすいです。
また、音を出すことでバッテリーを消費するため、消音に設定しておきましょう。不要な通知をオフに設定することなども、バッテリー節約につながります。
重要な情報はチェックできるようにしておく
スマホのバッテリー消費を抑えつつも、重要な情報はきちんとチェックすることが大切です。例えば、津波や余震に関する情報は命に関わります。
家族から安否確認の連絡が届く可能性もあるため、家族からの着信やLINEなどの通知も届くようにしておきましょう。
充電できるときにはしておく
地震などの災害が発生した直後には停電にならなくても、少し時間が経過してから停電になることもあります。本震の揺れが原因で停電にならなくても、余震の揺れが原因で停電になることもあるでしょう。そのため、電気が使えるうちに満充電にしておくのが望ましいです。
安否確認の方法
災害発生時に安否確認する際には、主に次のような方法が利用できます。
電話やメール
家族の安否確認をする際に最初に電話をかけてみる人は多いでしょう。相手が電話に出なければ、メールを送る人もいるかもしれません。
ただ、災害発生直後は電話やメールはつながらなくなる可能性があります。そのため、電話やメールだけでなく、他の安否確認手段もあらかじめ決めておくのが望ましいです。
SNS・メッセージアプリ
SNSやメッセージアプリも、災害時の安否確認手段としてよく使われています。例えば、LINEやFacebookのメッセンジャー、X(Twitter)のダイレクトメッセージ機能などです。
普段連絡に使っているものでメッセージを送ってみて、返信がくれば安否確認できます。また、LINEなら自分の現在地を共有することも可能です。
ただ、大勢の人が利用するサービスは混雑してつながりにくくなることもあります。
災害用伝言ダイヤル
災害用伝言ダイヤルは、災害時に171をダイヤルすると使用できるサービスです。具体的な操作方法に関しては、ダイヤルした後にガイダンスが流れます。録音と再生ができて、相手は電話番号で指定する仕組みです。
スマホや固定電話はもちろんのこと、IP電話や公衆電話でも利用できます。スマホが充電切れで使えないときなどには、重要な安否確認手段になるでしょう。
災害に備えて普段からやっておくべきこと
災害に備えて普段から次のような対策をしておきましょう。
安否確認の方法をあらかじめ決めておく
災害が発生したら、どのような方法で安否確認をするのか、あらかじめ決めておきましょう。1つだけでなく、できるだけ複数の方法を決めておくのが望ましいです。例えば、LINEと電話のような具合です。複数決めておけば、そのうちの1つが利用できない状況でも、別の方法で安否確認できます。
スマホが使えない場合のことも想定して集合場所も決めておきましょう。第1候補と第2候補を決めておけば、連絡がとれない場合にどこに行けばいいのかすぐに判断できます。
時間も決めておくと、すれ違いになるリスクも回避できるでしょう。
モバイルバッテリーを備えておく
スマホの充電切れに備えてモバイルバッテリーがあると便利です。普段の外出で使わなくても1つは常備しておくようにしましょう。
災害発生時に停電になり、たまたまバッテリー残量が少なかった場合でも、モバイルバッテリーで充電してスマホを使えます。
また、乾電池式のモバイルバッテリーならなお便利です。停電になっても乾電池が入手できればスマホを充電できます。乾電池そのものもいくつか常備しておくのがおすすめです。
情報収集手段を確認しておく
災害発生時にはデマの情報が流れることも多いため、惑わされないようにすることが大切です。冷静に行動できるように、信憑性の高い情報収集手段をあらかじめ確認しておきましょう。
例えば、X(旧Twitter)の気象庁、防衛省、総務省消防庁などのアカウントで災害時に情報が発信されます。「Yahoo!防災速報」や「NHKニュース防災」などのアプリを使用するのもいいでしょう。
まとめ
災害発生時には、インターネットが使えなくなる可能性があり、停電になればスマホの充電もできません。そのことを踏まえた上で、家族との安否確認の方法や集合場所をあらかじめ確認しておきましょう。
日本は地震をはじめとした自然災害が非常に多いため、他人事と捉えず、普段から災害に備えて準備しておくことが大切です。
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