予想最低気温−20℃! 極寒の北海道で牧場に泊まって酪農を手伝ったら価値観が変わった話
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僕はフリーランスのライターとして、ありがたいことにいろいろな会社からお仕事をいただいていたりします。
先月、とある会社からこんなお話がありました。「北海道の標津町にある牧場で2泊3日のワーケーションをするんですけど、一緒に行きませんか?」と。
なにやら会社に補助金が出るそうで、その会社の代表はノリノリで参加したがったものの、社員は誰一人行きたがらなかった模様。それで僕にお誘いが回ってきたっぽいんですが、まあ、そりゃそうだ。調べてみたら2月の標津町は最低気温がマイナス20℃にもなる世界。しかも泊まるのが牧場。意味不明すぎる。
意味不明だからこそ行く、それが旅行だ
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だけど旅行なんて意味不明なくらいがちょうどいい。意味がわからないからこそ行く。スケジュールも空いていたので即答で行くと返事し、防寒対策を万全にして2月の標津町へと向かいました。
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ところがどっこい。しっかりと身構えて極寒の地に乗り込んでみると、思いのほか快適。あたりは一面真っ白だけど、主要な道路は意外と凍結していないし、ずっとまっすぐで走りやすい。宿泊先の牧場の近くにあった「モトトバ」というコワーキングスペースも広くて快適。外は寒くても屋内は暖かい。なんだ、全然アリじゃあないか。
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北海道限定の乳酸菌飲料「ソフトカツゲン」なんかを飲みながらパソコン作業をし、休憩がてら近場の観光スポットに行ったり。道東ならではのワーケーションを満喫。うんうん、すごくいい。
休憩で野付半島の大自然を堪能
観光は主に野付半島という場所に行ったんだけど、北方領土の国後島がすぐそこに見えるし、流氷がいっぱい押し寄せてきているし、内湾は完全に凍っていて海上を歩ける。エゾシカの群れも普通にいるし、どこを切り取っても東京とは別世界。
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さらに夜になると街の明かりが全然ないうえに、空気が冷たく澄んでいるものだから、驚くほどの満点の星空を眺めることもできたり。本当に、いつどこを切り取っても大絶景。
海鮮もジビエも牧場グルメも美味
そんな大自然のある環境だから、もちろん獲れる食材は激ウマ確定。居酒屋で食べる海鮮や定食屋のジビエも、すべてが新鮮で美味!
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そして今回お世話になった「安達牧場」で搾った牛乳も使われている「しべつ牛乳」がすこぶるウマい。味わいは濃厚なのにサラッと飲みやすく、後味もスッキリ。何杯でも飲めちゃう。おみやげに買って帰りにくいことだけが惜しい!
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この「しべつ牛乳」を使った鍋や、しべつ牛乳から作ったチーズを溶かす鉄板焼き、バターと醤油で食べるごはんなど、牛乳を使った家庭料理はどれも本当に美味しかったなあ。
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牧場の宿舎も牧場主さんのご自宅の一室なので寒さは全然感じないし、温かいおもてなしも受けながら快適に過ごすことができました。
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牧場での仕事を割とガチめに体験
……とまあ、ここまでは楽しい楽しい旅行の話だったのですが、今回牧場に泊まったのは「ファームステイ」といって酪農の仕事を体験させていただくことが目的だったんですね。
実際に牧場に来るまでは社会科見学的なものだと思っていたんですけど、予定されていたプログラムはかなりガチなもの。全国から酪農を仕事にしたい研修生が体験に来るほどの内容だったのです。
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午前3時くらいに起床して、極寒の夜道を歩いて牛舎へと移動。仔牛にミルクをあげたり、牛舎の掃除をしたり、牛に飼料を与えたり、乳搾りをしたり、早朝からやることがたくさん!
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しかも、いずれも結構な肉体作業。太陽も昇り切っていないうちからアクセルを目いっぱい踏み込んで作業をしなきゃいけなくてクラクラきちゃう。毎日やっていれば慣れるのかもしれないけど、それでも重労働であることは間違いない。
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そして写真を載せるのは控えますが、牛たちはとにかく大量に飼料を食べるから、当然ながらうんこの排出量も大量。あっという間に牛舎がうんこまみれになってしまいます。びっくりするほどうんこの海。
なので、除糞という作業や牛舎の掃除に結構な時間を割かなければいけません。作業自体は難しいことではないので、お手伝い中の大半はその作業をしていました。
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牛のうんこ自体は全然クサくないからその点は助かったんだけど、搾乳中も油断をしてたら頭からうんこをぶっかけられそうになるし、油断してると牛にふっ飛ばされてうんこの海に落ちそうになるし(さすがにすごいパワー)、一瞬も気が抜けません。ワーケーションのつもりで来たのに、まさかこんなにも牛のうんこと過ごすことになるとは!
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そんな感じでうんこをかわしながら午前9時くらいまで仕事をして午前の部が終了。午後も昼下がりから夕方まで牛舎に行き、掃除と餌やりを繰り返す。1日体験するだけでもヘトヘト。
しかも相手は動物だから人間の都合で休むこともできず、365日ずっとこの作業の繰り返し。いつも何気なく飲んでいた牛乳も、作るのにここまで手をかけていたんだなあ。
頭ではわかっていたつもりでも、いざ現場でうんこまみれになってみるとその大変さが沁みる……!
生きてく強さを感じた3日間
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そんな日々の中でも牧場主の安達さんは毎晩のように酒を飲み、極寒の中で日々たくましく酪農仕事をこなしている姿を見て、なんというか生きるパワーの強さに触れたような気がしました。
また、この先高齢化によって酪農家が減っていくことを見越して、効率よく酪農をするためITを駆使して農地の管理をしたり、飼料を各農家向けに調合する給食センター的な施設があったり、いろいろな人が力を合わせて生きていることも印象的でした。
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この先、酪農を職業にすることはたぶんないと思うけど、まさかオッサンになってこんな体験ができるとは思わなかったなあ。ちっぽけなことで悩んだりするのがアホらしくなるくらいの生命力を感じ、大自然の美しさと牛のうんこを感じ、刺激をいっぱい受け取りました。
エネルギーに溢れた冬の道東、すっごくよかったです。防寒着だけはしっかり準備して、みなさんもぜひふらりと旅行でも、ワーケーションでも。
安達牧場
https://adachifarm.com/ [リンク]
コワーキングスペース モトトバ
https://yucou.net/ [リンク]
(執筆者: ノジーマ)
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