お口は40歳が曲がり角――!? 300人の歯科医師が伝える「歯の寿命をのばすための習慣」
皆さんは今、インプラントや入れ歯ではない「自分の歯」が何本あるでしょうか? 実は日本人は40代で1本目の歯を失うケースが多く、歯周病も40代になってかかりやすくなる人が増えるそうです。80歳になると、オーラルケアの先進国であるスウェーデン人の平均残存歯数が約20本なのに対し、日本人は15本程度。この差には、日本人の歯に対する意識が大きく関係しているといいます。日本の歯科治療の技術はレベルが高く、自己負担も原則3割で済むなど簡単に治療を受けられるため、虫歯や歯周病から自分の歯を守る意識の弱い人が多いようです。
けれど覚えておきたいのは、虫歯で削った歯は修復されませんし、抜いた歯が再び生えることはないということ。歯を失ったときに初めて「もっと早くから大切にしておけばよかった」と後悔する人は非常に多いといいます。そこで、多くの人に歯の寿命を延ばすための知識や習慣をわかりやすく伝えたいとの思いから、300人の歯科医師からなる「一般社団法人 歯の寿命をのばす会」によって作られたのが、書籍『大人女子のためのデンタルケア事典』です。
冒頭でも記したように、歯のトラブルが増える分岐点は40代。「歯が痛くなった時点で歯医者に行く」という人も多いかもしれませんが、痛みが出たときにはすでに歯の状態がかなり悪化していることが多く、神経を失ったり抜歯になったりする確率も高くなるそうです。そこで何より大切になるのが、3カ月に1度程度のメンテナンスを受けること。「メンテナンス状態をチェックして、溜まった歯垢を取ってもらうことで虫歯や歯周病の再発リスクを各段にさげること」(同書より)ができるといいます。
もちろん、自身での日々のデンタルケアも重要です。正しい歯磨きは歯の寿命を延ばす第一歩となりますし、口内環境を清潔に保つ習慣もぜひとも知っておきたいものです。同書には、歯の寿命をのばす会の会員に尋ねた「ハブラシは手用と電動でどちらがおすすめか」「信頼できる歯科医院の見分け方」「お金をかけて設けた方がいい自由診療」などの回答結果も掲載されており、現役歯科医師のリアルな声を聞くことができます。
同書によると、日本で定期的なメンテナンスを受診している人は10%以下だそうです。まずは、「悪くなったら治療を受ける」から「悪くなる前にメンテナンスをする」方向にシフトすること。それこそが、私たち日本人の歯の寿命を延ばす最善策と言えるかもしれません。
人生100年時代と言われるなか、特に女性は妊娠や出産、更年期などによりホルモンバランスが変化することで歯周病のリスクも高まります。しかし地道に歯を守る取り組みをしていけば100歳で20本の歯を残すこともけっして難しいことではないといいます。お口の曲がり角を迎える40代女性の皆さんは、同書を読んで自身のオーラルケアについて見直してみてはいかがでしょうか。オールカラー&イラスト・図解が豊富で、大人女性に限らずあらゆる性別や年代の人にもおすすめできる一冊です。
[文・鷺ノ宮やよい]
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