「板につく」とはどんな意味?その由来や類義語を解説
仕事が様になることを「板につく」と表現することがあります。
この「板につく」とは、その人の言動が地位や職業にしっくり合うことをあらわしています。
ではなぜ、しっくり合うことを「板につく」と表現するのでしょうか。
ここでは、この「板につく」というの言葉の意味や成り立ち、そしてその類義語と対義語について解説します。
「板につく」とは
まずは、「板につく」という言葉の意味や使い方について見ていきましょう。
「板につく」の意味
「板につく」とは、その人の言動や態度、そして仕事ぶりが地位や職業に馴染んで様になっていることを意味します。
日々の仕事や鍛錬の積み重ねによって、決して口だけではなく腕前や仕事もそれに見合ったものになっていることをあらわしています。
また似合うの意味で使用されることもあります。
例えば、髪型や服装がその人に非常に似合ってくる際に「板についてる」と評されることもあります。
「板につく」の用い方
「最初はどうなることかと思ったが、彼は今やすっかり寿司を握る姿が板についているよ」という用い方ができます。
この文では、最初こそ酷かったが、彼は今となっては寿司職人として立派な腕前をしているということになります。
「板につく」は、スキルやテクニックが本人に身につくことを指します。
新人がベテランとなっていく過程など、成長をあらわす際に用いられることが多い表現です。
そのため、一人前になることの表現としても使用されます。
「板につく」の由来
ここでは「板につく」という言葉の成り立ちについて見ていきましょう。
「板につく」は舞台に立つ役者から来た言葉
「板につく」の板とは、役者が立つ板張りの舞台のこととされます。
舞台に立つ役者が経験を重ねることで、地に足ついた演技をするようになり、それが舞台の雰囲気にしっくりくるようになることを「板につく」と表現するようになったのが由来とされています。
舞台用語「板付き」は別の意味合い
「板につく」に語感が似た舞台用語に「板付き」という言葉があります。
こちらは舞台が開演し、幕が上がった時点ですでに舞台に演者が立っていることを指す用語です。
そのため、「板につく」とは意味が全く別物となります。
「板につく」の類義語と対義語
最後に「板につく」の類義語と対義語を見ておきましょう。
「板につく」の類義語には「堂に入る」があげられ、対義語としては「青二才」があります。
類義語は「堂に入る」
「堂に入る」とは、学芸や技芸が優れていることを指します。
深奥を極めているといった、ある種の到達点に至っている際に用いられます。
また、知識や技術に熟練していて身についていることにも使用されます。
これは「堂に升りて室に入らず」という言葉から生まれたとされています。
対義語は「青二才」
「青二才」とは、年齢が若く実績や経験が乏しい人をあらわす言葉です。
多くの場合は卑しめるような言葉となるため、使用には注意が必要です。
「青」が未熟、「二才」は若者をそれぞれあらわしています。
そのため、どちらもまだ成長していない者のことを指した表現となるのです。
まとめ
「板につく」は、仕事や役所にに対して態度や仕事ぶりがその人に似合ってくることを指す言葉です。
役者の演技が舞台に調和する様子からきたとされています。
同様の意味の言葉としては「堂に入る」が、対義語として「青二才」があげられます。
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