【能登地震】現地取材・タクシー運転手たちが語るリアルな現実 / 親族の遺体を引き取りに能登へ→ 金沢に帰る運賃15万円の支払いは
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震(能登地震)は、甚大な被害を与えたとともに、多くの人たちの命を奪った。いま現在も、多くの被災者が困窮した状況下にあり、いまだ発見されていない人たちもいる。
誤ったイメージで金沢市は経済的ダメージ
能登地震の影響により、観光名所とグルメの都としても知られている金沢市は経済的なダメージを受けている。直接的な地震のダメージは軽微にもかかわらず、観光客が激減しているという。
人気の寿司屋は地震の影響で来店客激減
いつもは早朝6~7時から大行列ができている『もりもり寿し 近江町店』(石川県金沢市青草町88 近江町いちば館1F)の板前さんにお話を聞くと、地震の影響で来店客が激減しているとのこと。
鮮度とおいしさは以前と変わらず健在『もりもり寿し』
能登の鮮魚も入荷しにくい状況下で困っているというが、実際に出される寿司を頂いたところ絶品だった。鮮度とおいしさは以前と変わらず健在。
関連記事:
■石川県金沢市の回転寿司屋『もりもり寿し』に行くなら今だぞ!
https://getnews.jp/archives/3491117
■金沢市で「黄金朝食体験」をする
https://getnews.jp/archives/3491024 [リンク]
風評被害より世間が正しく判断してない状況が原因
しかし地震のイメージで客が激減。金沢市の観光客の激減は、風評被害というより、世間が正しく判断できていない状況が原因といえそうだ。
あくまで筆者の観測範囲内だが、金沢市内で外国人観光客をほとんど見かけず、観光客の多くが比較的若い年齢層の日本人だった。そして全体に観光客は少ない印象をうけた。
タクシー乗り場に行列できず
金沢市を走る複数のタクシー運転手さんにも話を伺った。2024年1月中~下旬の現在、やはり乗客が激減。「いつもはタクシー乗り場に行列ができている」ところが、取材時はまったく並んでいなかった。
能登へはチャーターではなくメーターで運賃決定
能登方面へ向かうこともあるようだが、チャーターではなくメーターで運賃を決めているという。その理由は、道路事情がハッキリしないため、到着までどれくらいの時間がかかるか判断てきないから。渋滞だけでなく、通行止め、迂回、路面の悪化など、不安要素しかない。
奥能登に行きたがる乗客のほとんどがマスコミ
あくまで運転手さんに伺った一例だが、平常時であれば金沢市から奥能登(輪島市等)まで運賃は3万円ほど。現在は地震の影響で5~6万円、またはそれよりもかなり高額になってもおかしくないという。いま奥能登に行きたがる乗客のほとんどがマスコミだそうだ。重ねて言うが、チャーター料金ではなくメーター料金なので、奥能登まで片道5~6万円の旅となる。正直、高額だ。
遺体を引き取るためにどうしても奥能登へ
また、マスコミ以外にも奥能登へ向かう乗客はいたという。独り身の親族が地震で家屋に押し潰されて亡くなり、その遺体を引き取るためにどうしても奥能登へと向かわなくてはならなかったという乗客だ。現地では遺体の状態を長時間保つことが難しいため、渋滞に巻き込まれながらも迂回しつつ現地に向かい、6時間ほどかけて現地に到着。
遺体を金沢市まで運ぶには約15万円が必要
遺体はタクシーに乗せることはできないため、専用車を手配。遺体を金沢市まで運ぶには約15万円が必要だったそうだ。
本来、誰もが穏やかな日を迎えたいと思っている元日。幸せであるべき日に命を奪われた人。悲痛な再会をしたと思えば高額な費用の発生。あまりにも無慈悲な展開に心を痛めるが、今回、遺体を運ぶ費用は行政が支払うことになり、自己負担ではなかったという。
時間がかかるだけでなく危険も伴う
タクシー運転手のひとりはこう話す。金沢のタクシー運転手は能登の道路に詳しいわけではないと。幹線道路ならばわかるが、通常の道路に詳しい運転手は限りなく少ないという。それゆえ、何度も通行止めや迂回をすることになり、時間がかかるだけでなく道路状況も詳しくはわからないことが多いという。いま現在、タクシーで奥能登へ向かうことは可能だが、スムーズに行くことはできないため、それなりの金額と覚悟は必要といえそうだ。
地震を怖がるのは当然。ただし、正しく怖がることが大切でもある。奥能登へ向かうことは推奨できないが、金沢市は観光客に来て欲しいと思っている。
<こんな感じ>
奥能登の地震被害は甚大
いまだに道路事情は悪い
金沢市の地震の直接的悪影響は極めて軽微
金沢市の地震の経済的悪影響は極めて大きい
観光客が激減している
人気の回転寿司屋も行列が激減
タクシーの乗客も激減
奥能登へのタクシー料金は片道5~6万円かそれ以上
奥能登への移動は控えたい
金沢市は観光客に来てほしい
能登地震の取材で石川県でタクシー運転手さん取材。金沢から被災地まで運賃5~6万。それでも止むを得ず現地で倒壊した建物に押し潰され亡くなった親族の遺体を引き取るためタクシーで向かった乗客がいて、タクシーに遺体乗せられないから金沢に遺体を戻すため15万かかったとのこと悲痛。それしかない pic.twitter.com/7ZK9MJVqdy— クドウ@地球食べ歩き (@kudo_pon) January 25, 2024
(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。