できるなら『市販の手作りドッグフード』を選びたいと思っているも飼い主も多いけれど・・。本当に与えたいドッグフードは?【2023年アンケート調査】
大切な家族である愛犬の食事となるドッグフード。
世の飼い主さんは、何をポイントとしてドッグフードを選んでいるのでしょうか。
その満足度、本当に与えたいドッグフードについて、株式会社PLAN-Bが行ったアンケート調査の結果を見ていきましょう。
現状のドッグフードに関する調査結果
まずは、飼い主さんたちが愛犬たちに現在どのようなタイプのドッグフードを与えているのか、そのドッグフードへの満足度をについて見ていきましょう。
普段与えているドッグフードの種類
普段ドッグフードを与えている主な方法で最も多かったのは、53.4%の「ドライフードのみ」でした。
次いで、32.7%の「ドライフード+トッピング」、8.8%の「ドライフードとウェットフードどちらも」と続きました。
ドライフードを与えているという回答は実に94.9%とほとんどの人がドライフードを食事しているという結果に。
これは、ウェットフードに比べてドライフードは与える量が少ないため経済的で手軽、保存性が高い、ウェットフードに比べて安いといったことが背景にあると考えられます。
また、硬いものを食べさせたほうが顎の力が衰えない、歯に汚れがつきにくいといった点を考慮している飼い主さんもいることでしょう。
日本ではドライフードが主流となっていた時期が長いことから、「ドッグフード=ドライフード」と認識している人も一定数いるだろうことも、今回の結果につながったという事が推察されます。
現状のドッグフードへの満足度
現在与えているドッグフードの満足度で最も多い回答となったのは、過半数の57.4%が集まった「満足」でした。
「大変満足」と回答した飼い主は26.9%にとどまりましたが、8割以上の飼い主さんはドッグフードに好感触を抱いているようです。
満足度へのコメント
ここからは、満足度別に寄せられたコメントを見ていきましょう。
満足:57.4%(260人)
・「ある程度食いつきが良く、残さず食べてくれることが多いからです。トッピングなどが必要ですが、モリモリ食べている姿を見るとホッとします」(男性 / 40代 / トイプードル:14歳)
・「①食物アレルギーで選択肢がない②減量できた」(男性 / 40代 / チワワ:4歳)
・「食べず嫌いで、少しキツめの匂いだと口に入れても出すこともありましたが、今では残さず食べてくれます」(女性 / 30代 / マルチーズ:2歳)
・「満足」と回答した飼い主では、「ある程度食べてくれる」というコメントが多く見られました。
トッピングをしてもドライフードを食べてくれない犬もいるためか、トッピングで食べてくれるなら良しとしている飼い主さんも多いと推測できます。
大変満足:26.9%(122人)
・「トッピングをしなくてももりもり食べてくれるし、栄養バランスやカルシウムなど考慮して作ったものみたいなので」(女性 / 40代 / 柴犬:3歳)
・「よく食べてくれるし残さない。毛に艶があり目も光っている。シニアも食べられるのでとても満足している」(女性 / 20代 / ポメラニアン:13歳)
・「たまにサンプルを試したりしますが、大きくて吐いてしまう事があるのでこちらは小粒で安心です」(女性 / 30代 / トイプードル:16歳)
「大変満足」の基準は「よく食べてくれる」「ドライフードだけで食べてくれる」ということのようです。
確かに、飼い主が品質が良い、安全性が高いと思って購入しても、肝心の愛犬が食べてくれなければ何の意味もないことですね。
どちらとも言えない:14.6%(66人)
・「食べたり食べなかったりするので好みの味かどうかがわからないので」(女性 / 50代 / 柴犬:9歳)
・「健康状態は良いので現状不満はないものの、流通されているフードの種類が多いのでこのままで良いのかいまいち分からないです」(女性 / 40代 / チワワ:6歳)
・「しばらくすると飽きて食べなくなってしまうので」(女性 / 40代 / マルチーズ:9歳)
「どちらとも言えない」と回答した飼い主では、「フードの種類が多すぎて良いか悪いかわからない」といったコメントが多く見られました。
また、「食べたり食べなかったりする」「食べ飽きる」など食いつきに関するコメントも見られ、これまでのコメントから、近年はドッグフードの内容よりも犬の食いつきが飼い主の満足度の基準に変化してきていると考えられます。
不満:0.9%(4人)
・「あまり食べない」(男性 / 50代 / ミニチュアダックス:10ヶ月)
・「ドライフードのみだと食べてくれない」(男性 / 60代 / トイプードル:15歳)
・「好きではないようで食いつきません」(女性 / 50代 / トイプードル:7歳)
「不満」と回答した飼い主では、食いつきが悪いことに不満を感じているようでした。
近年の犬は食に対する関心が薄くなっていることがうかがえます。
総合栄養食のドッグフードを選ぶことが常識になってきた一方、嗜好性を高める配合になっているとはいえ、総合栄養食はさまざまな食材の使用や栄養添加で複雑な味になっています。
この複雑な味が苦手と感じる犬もいるのかもしれません。
大変不満:0.2%(1人)
・「添加物が気になります」(女性 / 30代 / トイプードル:6歳)
こちらの飼い主さんは、尿路疾患の療法食を与えていますが、添加物が使用されていることに不満を感じているようでした。
原材料を調べてみると人工の保存料が使用されており、健康に問題のない量やそこまで影響のないものが使用されているとはいえ、気になる飼い主さんも少なくないことでしょう。
療法食を指示されている場合ではほかに選択の余地もなく、心配する気持ちが不満となって表れているという事情が考えられます。
販売価格が同じなら与えたいドッグフードは?
せっかくなら愛犬にはおいしくて健康的な食事をして過ごしてもらいたい、と心では思っているのが飼い主さんの心情でしょう。
様々な事情から実際には用意できていないとはいえ、もしもすべてのドッグフードの価格帯が同じならという想定をした際、飼い主さんたちは愛犬にどのようなドッグフードを選びたいと考えているのでしょうか。
本当に選びたいのは『市販の手作りフード』!?
販売価格が同じだった場合に与えたいドッグフード、という質問に対して最も多い回答は「市販の手作りフード」となりました。
全体の44.1%と、半数弱の飼い主さんたちの思いのようです。
次いで「ウェットフード」が32.2%で、普段与えているドッグフードとは大きく異なる結果になりました。
手作りフードやウェットフードは給餌量も多く必要な上に、ドライフードに比べて割高ということから、コストの面で普段はドライフードを購入していることが推測できます。
また、手作りご飯を作ってあげたいと考えている飼い主さんも多くものの、栄養面の不安や作り方がよくわからない、時間がないといった理由で作ることが難しい場合もあるようです。
そのため、栄養バランスを考えて作られている「市販の手作りフード」は魅力的に感じるのかもしれません。
実際のコメント
どのような考えから、「市販の手作りフード」や「ドライフード」などを選んだのか。
寄せられたコメントを見ていきましょう。
市販の手作りフード
・「手作りなら、余計なもの(添加物)が入ってないと思うから、愛犬がココグルメをとても気に入っていたから」(女性 / 30代 / トイプードル:3歳)
・「本当は自分で手作りしたいのですが忙しくて出来ないから」(女性 / 40代 / マルチーズ:9歳)
・「自然派フードだし、家族と一緒のご飯を食べているという感じで良いなと思うのですが、価格が高くてなかなか手が出ない、日常使いするのが難しいから」(女性 / 30代/ 柴犬:5歳)
・「手作りは健康に良さそうだと感じたからです」(女性 / 20代 / ミックス:5歳)
・「原材料や製法にこだわったもので安全性が高くおいしそうだからです」(女性 / 40代 / トイプードル:7歳)
不要な添加物を使用せず、人間が食べる食材を使用して作られていることが多い市販の手作りフード。
素材の味や旨みを感じられて、人間が食べても美味しいことから選ばれたようです。
原材料のこだわりや製造工場のこだわりなどもあり価格は高めになっていますが、安全性や手作りご飯風といった点に魅力を感じている飼い主さんが多いようでしたが、価格がネックになって普段は購入にまで至らないと見受けられました。
ドライフード
・「1番管理が楽だから」(女性 / 40代 / ビーグル:3歳)
・「餌やりにかかる手間が格段に抑えられます」(男性 / 20代 / 柴犬:7歳)
・「汚れも少ないため。価格帯も安心価格の物が多いため」(男性 / 40代 / ポメラニアン:2歳)
・「あと何日でなくなるか分かるからです。また同じタイプの物を与えないと食べなくなるのでは?と思うからです」(男性 / 40代 / シーズー:7歳)
・「しっかり噛んで食べるのも大切だと思うので、基本的にはドライフードを与えたいです。ドライフードの上にウェットフードを乗せて味変して与えることもあります」(女性 / 20代 / ミニチュアダックス:6ヶ月)
ドライフードと回答した飼い主さんは、「保存が容易」「管理がラク」「手間がかからない」といったコメントが多く見られました。
利便性に加え、普段から与え慣れているもののほうが与えやすいということもあるのかもしれません。
ウェットフード
・「ウェットフードは少し高い価格帯が多くて品質が良さそうだと思うので、価格が同じなら利用したいです」(女性 / 40代 / チワワ:11歳)
・「消化吸収への負担が少なそうだから」(女性 / 50代 / ミニチュアダックス:11歳)
・「今はドライフードでも問題なく食べてくれるが、できればより自然な食品に近いウェットタイプのフードのほうが今後加齢が進む上で健康には良いのではと思うことがあるから」(男性 / 40代 / 柴犬:7歳)
・「カリカリのドライフードばかりではなくワンちゃんも食事を楽しんでくれそうだから」(女性 / 30代 / ミニチュアダックス:10歳)
・「ウェットフードは少し高くいつもは買わないのですが同じ価格でしたらわんちゃんにも贅沢をさせてあげられるから」(女性 / 20代 / 柴犬:2ヶ月)
ウェットフードの価格帯は広いですが、食事をすべてウェットフードにすると、水分を多く含みカロリー密度も低いことから、たくさんの給餌量が必要になります。
そのため、こちらも市販の手作りフード同様に、コストの面で躊躇してしまうようです。
半生フード
・「食い付きがいいから美味しいんだろうなと思うため。また、ウェットフードだけ毎回与えてたらお腹が緩くなる可能性があるけれど、半生なら毎回与えても大丈夫そうだから」(女性 / 20代 / トイプードル:7ヶ月)
・「ドライフードより食いつきがよさそうなため」(女性 / 30代 / トイプードル:2歳)
・「食付きが良く、かつ比較的リーズナブルだから」(女性 / 30代 / ミックス:6歳)
・「ウェットは食べきれないものが多いので管理が面倒だから」(女性 / 30代 / ミニチュアピンシャー:13歳)
・「ドライよりも、多少水分を含んだものの方が香りがたつ分、食いつきもよく、噛みやすいと思うからです」(女性 / 20代 / トイプードル:8歳)
ドライフードより水分を多く含み、ウェットフードより水分が少ない半生フード(セミモイスト)は、ドライフードと同等程度の価格で購入することができます。
しかし、ドッグフード=ドライフードということが定着しているためか、購入には至っていないようです。
その一方で、気になっている飼い主さんは、66人と全体の1割以上いました。
手軽さや管理のしやすさを魅力に感じているとうかがえました。
フリーズドライフード/エアドライフード
・「フリーズドライフードやエアドライフードは、生の食材の栄養や風味を損なわずに保存できると聞いたので、試してみたいと思います」(女性 / 30代 / 柴犬:5歳)
・「新鮮な食べ物で栄養バランスが良い」(女性 / 20代 / ゴールデン:5歳)
・「保存がしやすいため」(男性 / 40代 / チワワ:2歳)
・「新鮮で栄養価が高く、保存もしやすいと思うからです」(女性 / 30代 / ミニチュアダックス:5歳)
・「材料そのまま与えられて、栄養や成分が良さそうに感じる」(女性 / 40代 / ラブラドール:12歳)
フリーズドライフードやエアドライフードは、保存性が高く熱に弱い栄養素をそのまま摂りこめるというメリットがありますが、原材料にこだわりや加工工程の手間などから高価格になっています。
あまりメジャーではないドッグフードの種類ではあるため、認知度こそ低いですが、同じ価格帯なら試してみたいという飼い主さんは少なくないようです。
価格帯が同じなら惹かれるアピール
店頭に並んでいるドッグフードの中で、一番惹かれるアピールとして最も多い回答は「無添加」でした。
人工の添加物を使用していないドッグフードが増えてきているように、飼い主の意識も添加物ありきではなく、できる限り添加物を使用しないドッグフードを選びたいと思っていることがうかがえます。
昨今は、ペットショップやホームセンターなどのドッグフードのラインナップにも変化が見られ、「国産」や「無添加」といったアピールのドッグフードが並ぶようになってきているのも、そうした飼い主の心理の変化を掴むためかもしれません。
調査概要
アンケート内容:ドッグフードに関するアンケート
調査方法 :インターネット調査
対象 :全国の犬の飼い主さん453人(女性317人 / 男性136人)
調査実施期間 :2023年11月8日~11月20日
まとめ
今回のアンケート調査から「市販の手作りドッグフード」を選びたいという方が多いことがわかりました。
特に添加物などが含まれていない健康志向のドッグフードを選ぶ人が少なくないとわかりました。
ただし、普段のドッグフードでも満足している方は過半数を占めており、値段が高価な場合は買わないという方も一定数います。
ドッグフードは、価格で選ぶ人も珍しくないというのが現状のようです。
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