【静岡市】 駄菓子屋で下校帰りに「静岡おでん」文化 他との味の違いや具材も

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たかがおでん、されどおでんである。日本全国どこでも食べられている庶民的な「おでん」料理は、実は地域によって、作り方や具材などが大きく異なる。

おでんは、地域ごとに「金沢風」「仙台風」「東京風」「姫路風」「福岡風」などに分けられる。ご当地名物となり、PRに積極的なところもある。

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「静岡おでん」は、その名称のごとく、静岡で食べられているおでんを指す。しかもエリアは、静岡県ではなく「静岡市」である。

この静岡おでんには、他のエリアに見られない特徴が少なからず存在する。「静岡おでん5ヶ条」が1つでも抜けていると、厳密には静岡おでんではないのである。

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具体例を挙げると、「黒はんぺんやなると巻など全具材を串に刺す」「コク深い黒い汁で煮込む」「いわしやカツオと青のりなど『だし粉』をかける」など。

特に、「黒はんぺん」は、静岡おでんらしい具材と言える。

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静岡おでんが、おでん屋や居酒屋などだけでなく、街の「駄菓子屋」で、1本からおでんが売られているのも印象深い。そのため、学校帰りの子どもたちがお菓子と一緒におでんを買っていた。そんな子ども時代からおでんに親しんできた文化が、静岡市に根づいているのだ。

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始まりは、大正時代ごろとされる。そして戦後、廃棄処分されていた牛すじや豚もつなどをおでんの具材とし、静岡市役所の前にある青葉公園およびその周辺におでんの屋台が最大200台ほど並び、仕事帰りの人々でにぎわったという。

特に、駿河湾で水揚げされた魚介類を使った魚のすり身の練り製品も、静岡おでんの具材に多い。静岡おでんで積極的に利用されてきた慣習は、今も続く。

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その後、静岡市中心部の都市開発のあおりを受け、おでん屋台は撤去を余儀なくされ、次々と廃業。一方、生き残ったおでん屋台のいくつかは移転し、現在の「青葉横丁」「青葉おでん街」など集まり、営業を続けている。

赤ちょうちんがともる狭くてやや暗い界隈で、おでん屋が軒を連ねる光景は、まさに昭和レトロな世界。どこか懐かしい気分になる人もいるだろう。

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夜に、狭い店内のカウンターで肩を寄せつつ、おでんをつつきながら、地元の人々も旅行者も一緒に話に盛り上がる。そんな光景は、昔も今も変わらない。

取材協力:静岡市

静岡おでんの会 オフィシャルサイト

https://shizuokaoden.sakura.ne.jp/

(Written by A. Shikama)

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