『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ポール・キング監督「”欲望”をテーマに面白おかしく悪役を描く」
若きウィリー・ウォンカはいかにしてあのチョコレート工場をつくったのか―。世界中を虜にしたファンタジー『チャーリーとチョコレート工場』で有名な工場長ウィリー・ウォンカの“夢のはじまり”が今、明かされる。「ハリー・ポッター」シリーズ(01~11)のプロデューサーが超豪華キャスト&スタッフを迎えて贈る、歌と魔法と感動のファンタジー超大作『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』が、全米よりも早い12月8日(金)に日本公開となります。
本作の監督を務めたのは、映画『パディントン』シリーズで知られるポール・キングさん。監督らしいあたたかさあふれるストーリーにはどの様な工夫がつまっているのか。お話を伺いました!
――本作大変楽しく拝見させていただきました!まず、若き日のウィリー・ウォンカの姿を描くというプロジェクト自体が面白いですよね。どんなことからはじまりましたか?
『パディントン2』が終わった時、一緒に組んでもらったデイビッド・ヘイマンから「次はどういう予定?」と聞かれたので「まだ特に何も決まっていないんです」と答えたんです。 そうしたら彼が「君に2ワードだけ教えてあげるよ。”ヤング ウォンカ”はどうかな?」、つまり若いころのウォンカを描くのはどうかと声掛けしてもらったので、時間をもらって原作を読み直しました。 小説では、チャーリーとウォンカのチョコレート工場を巡っての関係が描かれて、ウンパルンパやグロテスクなキャラクターも出てくるわけです。 それらは子供のころに小説を読んだ時の思い出だったんですが、今回読み直してみて小説の終盤で思わず涙を流すくらい感動して。この小説が感動する作品であるということを再確認しました。
――本作は、監督の作品らしいあたたかみのあるストーリーが特徴的ですよね。
今回ウォンカについて語るうえで、ファンタジーでコメディもありつつ、しっかりと心を揺さぶるものがあると感じましたし、私がいつも映画作りをするうえで目指しているものがこの原作に全て詰まっていると思ったので製作をOKしました。
――過去に映像化されたものからは影響を受けましたか?
『夢のチョコレート工場』(1971)も『チャーリーとチョコレート工場』(2005)もすごく良い作品で、それぞれの魅力が引き立つ場面などもあると感じています。私は『夢のチョコレート工場』を見て育った世代なので、どうしても自分の中ではウンパルンパがオレンジ色で緑の髪の色で……と、『夢のチョコレート工場』の影響を受けているとは思います。 どちらの作品もそれぞれのアプローチで原作に忠実であろうとした作品だと思っていますが、今回は”若き日のウォンカ”を語るストーリーなので、製作前に色々調べてロアルド・ダールのアーカイブ資料も閲覧しました。ロアルド・ダールはウォンカというキャラクターを結構深く掘り下げていたみたいで、若かりし頃のウォンカやチョコレート工場を手放した後のウォンカのことについても書かれていたんです。僕はそんな資料を読み解きながら、例えばロアルド・ダールが若き日のウォンカを描くならどんな小説を書いただろうと想像しながら作っていきました。
――ティモシー・シャラメさんのウォンカが本当にハマっていましたね。
ティモシーは本当に素晴らしい俳優です。『君の名で僕を呼んで』(2017)で彼を初めて見て素晴らしいと感じたんですが、その時はたまたま役柄に合っていただけかもという思いもありました。その後ティモシーが出演している『レディ・バード』(2017)を観たんですが、全く違う役柄を演じていて改めてすごい役者だと感じました。 毎回違う役柄に挑んでいることがチャレンジ精神旺盛だなと思います。若き日のウォンカなのでキャラクター造形は異なりますが、ジーン・ワイルダーやジョニー・デップといった名優がすでに演じた役を表現するので、結構なことに挑戦しつつもうまくやってのけたなと感じています。
――“悪役”の立場であるチョコレート組合の3人の、警察署長もチャーミングでしたね(笑)。
この作品に登場する悪役たちは自己中なところが魅力だと思っています(笑)。ロアルド・ダールの原作で素晴らしいところは、悪役がとことん悪く描かれています。 でもその悪さが面白い。原作もそうですが”欲望”というのがテーマになっています。今作でもチョコレート組合のスラグワースは権力が大好きフィクルグルーバーはお金とおしゃれが大好き。 チョコレート組合とグルの警察署長は、チョコレートと彼らの仲間でいることが大好き。 と、それぞれの貪欲さや悪さをしっかり描いたつもりで、私としても面白おかしく仕上がったかなと思っています。
――ウォンカやヌードルはもちろん、彼らのことも好きになりました(笑)。今日は素敵なお話をありがとうございました!
映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
監督・脚本:ポール・キング(『パディントン』(16)『パディントン2』(18))
製作:デイビッド・ヘイマン(「ハリー・ポッター」シリーズ)/
原案:ロアルド・ダール
出演:ティモシー・シャラメ/ヒュー・グラント/オリビア・コールマン、
サリー・ホーキンス/ローワン・アトキンソン(「ミスター・ビーン」シリーズ)
◆配給:ワーナー・ブラザース映画
◆クレジット表記:(c) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
◆公式サイト:wonka-chocolate.jp
◆公式X: @WonkaMovie_jp
◆公式Instagram: @wonkamovie_jp
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