【栃木県旧田沼町(佐野市)】心が軽くなるまちの時間の流れ
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、栃木県旧田沼町(佐野市)を写真とともに紹介する。
Vol.98/栃木県旧田沼町(佐野市)
vol.97までは、群馬県をずっと巡っていたが、最後に滞在していた前橋市から、50キロ移動して佐野市の旧田沼町にやって来た。道中に通り過ぎた足利市の景色も、低い山並みと緑と畑が広がり、とても美しい。そして、佐野市では旧田沼町、旧葛生町、佐野市の3つのまちが合併している。
最初に訪れたのは旧田沼町の「道の駅どまんなか たぬま」。朝から人が集まっている。地元の人たちが、野菜を卸しているのかな。5、6人のおじさんやおばさんが楽しそうに会話していて、軽やかな景色だ。
田沼駅近くにある、一瓶塚(いっぺいづか)稲荷神社にも参拝した。すれ違う人が元気に挨拶をしてくださるので、心が軽くなる。神社では風がたなびき、狛犬の首元につけられた赤布がふわりと舞っていた。雲ひとつない青空の下で、そそくさとした時間の流れがリセットされていく。神社でゆっくり目を閉じて、手を合わせる。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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