民族コレクションの中から壊れたパーツを譲り受け、アーティストたちの手で新たな作品へと生まれ変わらせる「ブリコラージュ展」
ブリコラージュ Bricolage とは、「寄せ集めて自分でつくる」「自分でものを修繕する」。
すでにある素材や道具を用いて新しいものや価値を作り出す手法のこと。
TRACING THE ROOTS では2020年、2022年に続き、今年も「ブリコラージュ展」を同時開催する。
文化人類学研究者・山口吉彦が所有する貴重な民族コレクションの中から壊れたパーツを譲り受け、アーティストたちの手で新たな作品へと生まれ変わらせる展覧会だ。
21組の参加アーティストは、自らパーツを選ぶところからスタート。
土器や土偶、少数民族の衣装、生活民具、蝶の羽、動物の骨など、生命や物語を感じさせる多様なモノから選び出した「出会い」の中に想いを込め、自身の作風を生かしながら唯一無二の作品を誕生させる。
失われつつあったものに命を吹き込む。
その工程は、今の時代にこそ求められる価値を秘めているのではないだろうか。
*作品はすべて販売し、売上の一部は山口氏が顧問を務める一般社団法人アマゾン資料館のコレクション維持・保存に活用される。
山口吉彦(文化人類学研究者)
1942年山形県鶴岡市生まれ。1967 年頃からフィールドワークを始め、アジアやアフリカなど85ヵ国をまわる。1971年からアマゾン流域の調査を開始。帰国後、地元鶴岡市で国際理解と交流促進に尽力し、アマゾン民族館の館長を務めた。2005年には鶴岡市市政功労者表彰を受ける。
一般社団法人アマゾン資料館顧問。
昆虫好きの少年が最初に憧れたのは、アマゾンの森の巨大なカブトムシや輝く青いモルフォ蝶のいる” 昆虫王国” 。その後、フランス留学中にレヴィ・ストロースのフィールドワークに魅了された氏は、アマゾンに住む先住民の生活や文化にも深い興味を持ち、夢をさらに膨らませ、40年以上にわたり、アマゾンの自然と文化、その調和に関する調査・研究・資料収集を行っている。
https://amazon-resources.org/
参加アーティスト | 譲り受けたパーツ
浅井万貴子 | 土器(ブラジル・1970年代)
石黒幹朗 | クビワペッカリーの下顎(ブラジル)
Vacant | 衣装(タイ・メオ族・1970年代)
Emori | 衣装(タイ・メオ族・1980年代)
O’ Tru no Trus | 動物の下顎(タイ)
合田大智 | ココア攪拌棒(ペルー・リマ・メスティーソ)
cocoro | 水晶とトゥルマリンの原石(ブラジル)
十場あすか | 土偶(ブラジル ゴイアス州・バナナル島・カラジャ族・1970年代)
十場天伸 | トゥルマリン(ブラジル)
須浪隆貴 | かご(ブラジル・マラニョン州・カネラ族)
せつ・宇宴 | 水晶(ブラジル)
空と海 | 衣装(タイ・カレン族・1980年代)
宝島染工-thus- | 蝶の羽(ブラジル・ウチンガ)
Tamako Yamada | 衣装(タイ・ヤオ族)
十葵・le as | ネックレス(タイ・リス族・1980年代)
綯屋 -naiya- | 羽根(ブラジル・アマゾン地域)
nikke | とんぼ玉(グアテマラ)
花綵 hanazuna | 蝶の羽(ブラジル・ウチンガ・1970~1980年代)
MITTAN | ハンモック(ブラジル・マットグロッソ州・パレシ族)
吉田愛 | 蝶の羽(ブラジル・ウチンガ・1970~1980年代)
WONDER FULL LIFE・COUNTER POINT | 衣装(タイ・メオ族・1980年代)、動物の牙
TRACING THE ROOTS – 旅と手しごと- EXHIBITION 2023
https://motherdictionary.com/roots2023/
渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドフォーラム
2023.10.10 Tue – 10.15 Sun 11:00-18:00
*Fri 13:00-18:00、Sun 11:00-17:00
民族コレクション “ブリコラージュ展”
2023.10.10 Tue – 10.15 Sun 11:00-18:00
*Fri 13:00-18:00、Sun 11:00-17:00
田上允克 展覧会
2023.10.10 Tue – 10.12 Thu 11:00-18:00 only
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