広島と長崎に原爆を落とした軍人の孫のYouTube動画が220万再生突破「被爆者の家族には私を怒る権利がある」

日本に原爆を落とした祖父の孫、アリ・ビーザーさん(34歳)のYouTube動画が、220万再生以上の注目を集めている。これはアリ・ビーザーさんが来日した際に撮影したもので、世代を超えて、多くの人たちが視聴しているようだ。

原爆爆撃機に搭乗していた祖父ジェイコブ・ビーザーさん

アリ・ビーザーさんの祖父は、かつて日本に原爆を落とした爆撃機に搭乗していたジェイコブ・ビーザーさん。彼は、広島に原爆を落としたエノラ・ゲイと、長崎に原爆を落としたボックスカーの双方の爆撃機に搭乗していたという。

アメリカの人たちに原爆の実態を伝える活動

アリ・ビーザーさんは映像作家をしており、アメリカの人たちに原爆の実態を伝えるため、日本で取材し、ドキュメンタリー作品を撮影しているという。

<日本テレビの番組内容解説>

「広島と長崎に原爆を落とした2機の爆撃機に搭乗し、双方の投下に関わった人物の孫が3月に来日した。交流を深めたのは、2つの被爆地で閃光に焼かれた人物の孫。2人が祖父を通して抱いてきた戦争と平和への思いを取材した」

<アリ・ビーザーさんの番組内コメント>

「被爆者の家族には私を怒る権利があるが、彼らはそうしなかった。被爆者が「人類はみんなひとつ」と考えていたから協力しあうことができた。直接経験した人から話を聞くのが一番力があって一番意味を持つ。これまでに話を聞いてきた人の多くはこの世にいない。山口彊さんも亡くなった、坪井直さんも亡くなった。世界を救うことができるもっとも大切な声が失われている。何が起こったかを忘れたら、再び同じことが起こってしまう。」

原爆問題の本質を世界に伝えることができるかもしれない

アリ・ビーザーさんの「被爆者の家族には私を怒る権利がある」という言葉に、複雑な思いがこみ上げてくる人も多いと思う。さまざまな思いがわいてくるからこそ、踏み込んで考える必要がある。アリ・ビーザーさんの取材は、被爆三世の心理状況にまで及び、実態を探り、鋭く切り込んでいるように思える。彼だからこそ、原爆問題の本質を世界に伝えることができるかもしれない。

被爆者を馬鹿にする迷惑ネット配信者

いま日本では、迷惑ネット配信者のアメリカ人・ジョニーソマリさんが日本国内で「広島! 長崎! また原爆を落としてやるぞ!」と叫び、毎日のように広島と長崎、日本人を侮辱する発言をして問題視されている。

また、ジョニーソマリさんに同調した日本人ユーチューバーHMDHRYSさんが「フクシマ! ヒロシマ! ナガサキ! イェェエエエエイ♪ わははははは」と叫ぶなど、原爆被害者や家族の気持ちを考えない行動が物議を醸している。

どれだけ多くの人たちの命を奪ってきたのか

原爆がどれだけ多くの人たちを苦しめてきたのか、どれだけ多くの人たちの命を奪ってきたのか、そしていま現在も被爆者や家族がどんな心境で「被爆」を受け止めて生きているのか。アリ・ビーザーさんの動画を視聴すれば、その断片でも知ることができるかもしれない。




※記事冒頭画像はパブリックドメインです

(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)

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