“世界一の名探偵”ポアロ ケネス・ブラナーが語る「トレードマークの口ひげは“まるでスーパーパワー”」

全世界で20 億冊以上出版され、「世界一売れた作家」として認定された“ミステリーの女王”アガサ・クリスティが生涯を通して書き続け、今もなお全世界で愛される“名探偵ポアロ”シリーズ。アガサファンの一人であり、これまで『オリエント急行殺人事件』、『ナイル殺人事件』を手掛けてきた、アカデミー賞脚本賞受賞歴を誇るケネス・ブラナー(監督・製作・主演)が贈る最新作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』が9月15日(金)よる劇場公開となります。

名探偵ポアロは、亡霊の仕業としか説明のできない“人間には不可能”な殺人事件に挑む。そんな彼のトレードマークでもある大きな口ひげについて、ケネスは「口ひげをマントのように身に着けている。まるでスーパーパワー。探偵として活躍する彼を象徴するものだ」と、まるで“ヒーロー”のような秘密を明かしました。

エルキュール・ポアロは、特徴的な大きな口ひげと整ったスーツ、そして天才的な頭脳を持ちながらも一癖ある性格で、巧みな話術と観察眼で相手の本心を見抜き、数々の犯罪を解決へと導く名探偵。長編33 作、短編約50 作に登場する彼は、以降世界中で生み出させる“名探偵”像に多大な影響を与え続けてきた、まさに“世界一の名探偵”。日本でも幾度となくドラマ化・舞台化され、国民的人気作「名探偵コナン」に登場する喫茶店“喫茶ポアロ”の名にも由来しています。

そんな世界中で愛され続けるポアロについて、ケネスは「彼は口ひげをマントのように身に着けている。まるでそれがスーパーパワーであるかのよう」と、彼の口ひげは本当の自分と違う存在になるための象徴でもあることを解説。ケネスの手掛けた前作『ナイル殺人事件』(22)では、まだひげを伸ばしていない、過去のポアロが描かれた。戦争で従軍する若い頃のポアロは、土壇場で知力を発揮し仲間とともに一か八かの作戦で生き延びることに成功。しかしその直後、不注意で仲間の命が奪われ、自身も顔に大ケガを負ってしまう。さらに彼の愛する人も見舞いに訪れる道中で戦争の犠牲に…。戦争で多くを失った彼は殺人を憎むようになり、その後伸ばし始めたひげは、頬の傷と心の傷を隠すためのものとなりました。

更にケネスは、「口ひげを周囲が馬鹿にしたり、冷笑したり、無視したりと過小評価するから、彼は探偵としての仕事がやりやすくなるんだ。彼のスタイルの一部だよ。だから結果的に、人々の警戒を解くために口ひげは役に立っている。人は彼に取り合わないから、彼としては、人に関する真実をすばやく分析できるんだ」と説明。内面を隠し、彼が“名探偵”になるためのひげだったが、事件の真相を暴くための便利な隠れみのとしても役立てられています。

そんな彼が今回挑む事件の舞台は、ミステリアスで美しい水上の迷宮都市ベネチア。ポアロは謎めいた霊能者のトリックを見破るため、子供の亡霊が出現するという降霊会に参加する事に。「亡霊も悪魔も存在しない」と断言する彼に立ちはだかるのは、“エブエブ”こと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアジア人初のアカデミー賞®主演女優賞を受賞したミシェル・ヨー演じる“世界最強の霊能者”レイノルズ。彼女の降霊会で起きる様々な超常現象、そしてその招待客が人間には不可能な方法で殺害されはじめる…。

ケネスは本作について、「マスクのような口ひげを生やした男が行くべき都市があるとしたら、それはベネチアだ」と、意味深に語っています。ポアロは今回、これまでと異なり探偵業をストップして流浪の日々を送っているのだが、果たしてこの言葉の真意は…? 『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』――そして満を持してケネスが贈る、“殺人事件”か“超常現象”かさえもわからない迷宮ミステリーの衝撃と結末を劇場で体験して。

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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