『アーマード・コア6 ファイアーズ・オブ・ルビコン』先行プレイレポート:死にゲー的な歯ごたえ・達成感とロボットを自在に操縦する爽快感を楽しもう
熱狂的なファンを抱えながらも、かれこれ10年以上続編が発売されてこなかった「アーマード・コア」シリーズ。SNSなどでは、「フロム・ソフトウェアが『アーマード・コア』の新作を出す」というネットミームが生まれるほど、続編が待望されていたシリーズだ。
だがついにその新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6 ファイアーズ・オブ・ルビコン)』が発売されることになる!
超ラッキーなことに今回、そんな『アーマード・コア6』を今回、先行プレイする機会に恵まれた。その機会とは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのトーク番組「PLAY! PLAY! PLAY!」の特別編として開催されたイベント「『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』SPECIAL BRIEFING」で、同イベントの模様を交えつつ、同作に触れた印象をお伝えしたい!
なお、ゲーム画面の映像については、実際にプレイしてのスクリーンショットではなく、メディア用として配布された素材を使用していることを予めお断りしておく。
死にゲー的な歯ごたえと爽快なロボットシューティングが融合した3Dアクションゲーム
「アーマード・コア」シリーズは、頭部や腕部、脚部といったパーツを組み合わせてカスタマイズしたロボットを操り、敵と戦う3Dアクションゲームだ。新作である『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』も、ロボットのカスタマイズや3Dアクションといった要素は踏襲している。
もちろん、ただ踏襲しているわけではない。現代に合わせてバッチリ進化している。
まず進化を感じるのは、ビジュアルだろう。現代のハードウェアによって描かれたビジュアルは、「ロボットならではの3Dアクション」という点にこの上ない説得力を持たせている。では、それはどういうことか?
実は今回のイベントでは同作プロデューサーの小倉康敬(おぐらやすのり)さん、ディレクターの 山村優(やまむらまさる)さんによるトークイベントも行われた。このトークイベントにおいて語られたのが、高低差のあるマップで繰り広げられる立体的なアクションについて。
人間と違い、ロボットはエンジンからの噴射で上昇することができる。このため、敵の爆風を左右に回避するだけでなく、上空へ回避することが可能。高い場所から狙う敵を目指して上昇し、攻撃を与えることもできる。
また、高低だけでなく、前後左右の移動も人間とは明確に違う。エンジンの推進力を利用して進むため、回り込む際、車のように弧を描くような動きになるからだ。こうしたゲーム内の動き一つ一つを、バーニアからの炎の噴射であったり、細かなエフェクトの動きであったりといった高精細なビジュアルがリアルに表現する。
そこには、「俺は今、アーマード・コアを操縦している!」という確かな実感があった。ちなみに、『アーマード・コア』というタイトルにある通り、本シリーズで操縦するロボットは「アーマード・コア」と呼ばれている。このため本原稿でも以降は一重カッコでの「アーマード・コア」と記載したい。
上昇で自由に高さを変えつつ、推進力を活かしたスピーディーな立ち回りで敵を倒す。こうした展開は非常に爽快だ。
ただ、本作は「死にゲー」で有名なフロム・ソフトウェアの新作。爽快なだけで終わるはずがない。
「爽快なだけで終わるはずがない」と書いておいてなんだが、そもそも「アーマード・コア」シリーズは「ダークソウル」シリーズに代表される、いわゆる「死にゲー」ではない。もちろん歯ごたえはあったが、そこに特化した作品ではなかったのだ。ただ本作は、「死にゲー」と呼べるほどの歯ごたえを持っている。
筆者がつまずいたのは最初のボス戦で、先行プレイの限られた時間内ではついぞ倒すことができなかった。では何がそんなに難しかったのか?
スタッガー状態に追い込めるかが攻略ポイント
『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』に登場する機体は、自機を含め姿勢制御装置という機構を備えている。この装置が有効に働いている内は、ダメージがほとんど通らない。このため、まずはこの姿勢制御装置をダウンさせなければならないのだ。
ダウンさせることを「スタッガー」と言い、スタッガー状態になるとダメージを与える大チャンス。ということは逆に自機がスタッガー状態になったら大ピンチだ。
ではどうすれば姿勢制御装置をダウンさせられるのかというと、攻撃を与えればOK。ただし基本的に遠距離武器は姿勢制御装置に与える衝撃が小さく、接近攻撃の方が大きい。
したがって、敵に接近攻撃を当てスタッガー状態を狙うことになる。だが、これがなかなか難しい。接近しようにも、敵は遠距離攻撃による弾幕を張ってくるからだ。
敵の攻撃を見切り、上昇やアサルトブーストといった接近手段を使って一気に距離を詰めなければ、なかなかスタッガー状態は作り出せないのだ。
……こう書くと「とにかく難しい」という印象を与えたことだろう。まあ筆者は結局ボスを倒せなかったので「とにかく難しい」ことに間違いはない。しかしながら、本作は決して「とにかく難しい」だけのゲームではなかった。
プレイを重ねて歴戦の猛者を目指せ
というのも、回数を重ねるごとに、一気に距離を詰めスタッガー状態を作り出し、ボスにダメージを与えるという連携ができるようになっていったからだ。あと一撃加えることができれば倒せていた……そんなことが、二回ほどあった。だから、あともう数回プレイさせてもらえれば、確実にボスを倒せていたハズ。
あと、もう数回プレイさせてもらえれば……。この言葉は負け惜しみ以外の何物でもない。ただ、この言葉にはそれ以外にも2つの意味が込められている。
ひとつは、「とにかく難しい」だけではなく、プレイ経験によってスキルが確実に伸びていくゲームであること。つまりそれは、上達による達成感が味わえるということになる。
そしてもうひとつは、「もう数回プレイしたい」と思えるということ。単純に「とにかく難しい」だけのゲームだったなら、「クリアできない! 二度とプレイするか!」と投げ出してもおかしくない。しかし本作は、難しくとも「もう数回プレイしたい」と思える作品なのだ。
そして、プレイを重ねることで、やがては歴戦の猛者と呼ばれる領域へと到達できるハズ。
実際にトークイベントでは、歴戦の猛者のプレイを確認することができた。それは、イベント初出しとなるミッションをプレイするという観客参加型のチャレンジイベントでのこと。観客の中から抽選で選ばれたファイアーワークスさんが、見事初見プレイでミッションクリアを成し遂げてしまったのだ。
ファイアーワークスさんは既存シリーズのプレイ経験があるとのことなので、シリーズを通してプレイを重ねてきたのだろう。まさしく歴戦の猛者!
「アセンブル」は体験できず
ところで残念なことに、筆者はボスを倒せなかったため、本作のもうひとつの魅力であるアーマード・コアのカスタマイズ……「アセンブル」に触れることができなかった。この点については、ボスへのリベンジを含めて、ぜひとも製品版で果たしたいと思っている。もちろん、既に本作は予約済みだ。
ちなみに、「アセンブル」に触れることができなかった無念については、会場にディスプレイされていた「NIGHTFALL」スタチューと「ガレージ」ジオラマフィギュアを見ることで若干ながら晴らすことができた。いずれも本作の限定版に付属するものだが、すでに完売しているので、実物を鑑賞できたことがとても嬉しい。さらに会場では、さまざまなアートワークの展示も行われていた。
会場の模様を撮影してきたので、その雰囲気だけでもお伝えしたい。
オンライン要素にも注目
また、トークイベントでは新発表となる「オンライン要素」についても触れられていた。本作には「オンライン要素」として1対1の対戦、3対3のチーム対戦が用意されるとのこと。
また、オンラインによって機体を共有する要素も搭載される。本作は「とにかく難しい」だけではないものの、「とにかく難しい」のも事実。しかし、難しい局面であっても既にクリアした先輩プレイヤーから最適な「アセンブル」を教えてもらえれば、クリアの可能性がグッと上がるだろう。
もちろん、攻略情報を見ながら自分で「アセンブル」を入力するという方法もある。ただ筆者は、先輩プレイヤーから「アセンブル」を譲ってもらうという要素に、歴戦の傭兵から武器を託されるような……そんなロマンを感じずにはいられない。こいつはアツい要素だ。
新作まで10年かかった理由は?
そして新要素ではないが、トークイベントでは「なぜ『アーマード・コア』の新作は長らく発売されなかったのか?」という点にも触れられていた。10年以上という歳月、「ダークソウル」シリーズや『エルデンリング』といったファンタジーアクションRPG系のヒットといった点を踏まえると、熱狂的ファンだとしても……いや熱狂的ファンだからこそ、「もう『アーマード・コア』シリーズは作られないのかな」と不安になったことだろう。
では、なぜ「アーマード・コア」シリーズの新作がこれまで発売されなかったのか? それは、「ダークソウル」シリーズや『ブラッドボーン』などといった複数の作品の開発が進んでいたため、単純に「アーマード・コア」シリーズの新作を開発するリソースがなかった……とのこと。社内的に意欲は当然あったそうで、それが今、『アーマード・コア6 ファイアーズ・オブ・ルビコン』で結実したわけだ。
ということは今後のシリーズ展開にも興味が持てそうだが、まずは今作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』を楽しもうじゃないか!
取材、文/田中一広
(執筆者: ガジェット通信ゲーム班)
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