トラックボールで腱鞘炎の痛みを軽減!手首の痛みはマウスのせい!?
腱鞘炎は手首や指をひんぱんに使う人によくあらわれる症状で、パソコンのヘビーユーザーのなかには痛みをこらえて作業をしている人もいるでしょう。そういった人に試していただきたいのが、トラックボールです。
マウスと違ってトラックボールは手首をほとんど動かさないため、腱鞘炎の解消や予防に適しているといえます。腱鞘炎で悩む人が、どういったトラックボールを選べばよいのか解説します。
手首が痛い!マウスで腱鞘炎になっているのかも
パソコンで文字を入力していたり、マウスを操作したりするときに手首に痛みを感じるのは、腱鞘炎(ルビ:けんしょうえん)になっているおそれがあります。
パソコンを使った長時間の作業は身体へ負担をかけるため、肩こりや腰痛などの症状があらわれることがあります。腱鞘炎もそのひとつです。特に親指付近の手首に強い痛みを感じる場合は、マウスが原因になっているかもしれません。
腱鞘炎とはどんな疾患?
筋肉と骨は腱(ルビ:けん)というひも状の組織でつながっており、腱が動くことで手首や指を曲げたり、伸ばしたりといった動作が可能になります。腱はなめらかに動けるように、一部が潤滑液の入った腱鞘という組織に包まれています。腱鞘はトンネル状になっており、腱が動くときはその内部を往復します。
腱鞘炎とは、腱と腱鞘が擦れ合って起こる炎症のことです。腱鞘が腫れてしまうため、腱が動くたびに擦れて強い痛みを感じるようになります。特に親指を動かす腱と腱鞘で起こりやすく、狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)と呼ばれます。
腱鞘炎の症状には、主に次のものがあります。
- 親指を握ったまま手首を小指側に曲げると親指のつけ根が痛い
- 反対側の手で親指を掴んで、小指側に引っ張ると痛みが増す
いま悩んでいる症状が、腱鞘炎かどうかをチェックしてみましょう。当てはまる場合は、腱鞘炎が疑われます。
腱鞘炎はホルモンバランスの乱れから発症するといわれており、女性に多く見られる疾患です。ほかには指や手首をひんぱんに動かす人に多く、裁縫をする人、楽器の演奏者、調理人、テニスやゴルフのプレイヤー、仕事でパソコンを使う人などに見られます。
近年ではスマートフォンの使い過ぎが原因で、腱鞘炎を発症する人も増えています。
マウスで腱鞘炎を起こす仕組み
パソコンの作業は、指と手首をひんぱんに使うため、腱鞘炎を発症することがあります。原因はマウスとキーボードの操作です。パソコンを使っているあいだは、どちらもひんぱんに動かして操作をするため、指や手首に負担をかけ続けているのです。
マウスを使用しているときは手首をデスクにつけて、すこし反らせた状態になっています。この状態でマウスを長時間操作し続けると、手首に負担がかかって腱鞘炎を発症するのです。パソコンの使い過ぎによって起こる腱鞘炎は、マウス腱鞘炎と呼ばれることもあります。
腱鞘炎を解消する方法
腱鞘炎の原因は指や手首の使い過ぎのため、安静にして手首を動かさないことが基本です。できるだけ手首に負担をかけないよう、反対側の手を使う、痛みのない動作だけ行うなど工夫をしましょう。痛みがおさまるまで、3週間ほどかかります。
痛みを抑える方法としては、鎮痛、消炎作用のあるクリームや湿布薬が効果的です。痛み止めの内服薬もよいでしょう。ただし、薬には副作用があるため、使用するときは薬剤師に相談してください。特にぜんそくの人は、副作用の強い薬があるので要注意です。
薬を使っても痛みが改善しない、強い痛みがあるというときは、医師の診察を受けてください。適切な診断が行われ、症状に合った薬を処方してもらえます。症状がひどい場合は、ステロイド注射などの処置を行うこともあります。
トラックボールが腱鞘炎の救世主になる!?
トラックボールという入力デバイスをご存じでしょうか。マウスと違ってデスクに固定したまま、カーソルを操作できるデバイスです。
マウスとはまったく操作の仕方が異なるため、腱鞘炎予防の効果を期待できるかもしれません。腱鞘炎で悩んでいる人、過去に腱鞘炎の経験がある人は、トラックボールを検討してはいかがでしょうか。
トラックボールとは
トラックボールとは、デバイスに組み込まれたボールを指で操作することで、画面上のカーソルを動かす入力デバイスです。デスクに設置したトラックボールそのものは動かしません。使用するときは、ほぼ指だけが動きます。
マウスとはまったく使い方が異なるため、慣れて問題なく使えるようになるまで時間がかかります。また、作図などの細かい作業は、マウスと比べると不得手です。しかし、トラックボールには熱心なファンが多く、慣れると手放せないという人が多くいます。
ただ、マウスほど製品が多くなく、また価格も高いです。重量があるので持ち運びにも向きません。あくまでも、デスクにいるときに使用するデバイスなのです。
<h3>トラックボールが腱鞘炎を解消する
固定したまま動かさずに済むため、手首の負担が少ないのがトラックボールの特徴です。カーソルを遠くへ移動させるときも、指を早く動かすだけなので手首に負担がかかりません。また、多くのトラックボールは多くのボタンを搭載しているため、ボールの操作すらせずに済むこともあります。
手首への負担が少ないため、トラックボールは腱鞘炎の予防にぴったりなのです。腱鞘炎の痛みに悩んでいる人も、痛みやすい操作がなく、使いやすいでしょう。
腱鞘炎の人がトラックボールを選ぶポイント
トラックボールといっても、さまざまな種類があります。腱鞘炎の解消や予防を目的にトラックボールを選ぶのであれば、できるだけ手首の負担が少ない製品を選びましょう。
トラックボールの種類に注意
マウスと比べるとトラックボールには、さまざまな種類があります。そのため、手首に負担のかからないからとトラックボールに変えたのに、思ったほどの効果が得られないこともあります。どんなトラックボールがあるのか解説します。
手のひら操作タイプ
デバイスの中央にボールがあり、手のひらを被せるようにして操作をするタイプです。デザインが左右対称になっている製品が多いため、利き手に関係なく使えます。手首を固定したまま操作できるため、負担があまりかかりません。
人差し指操作タイプ
ボールを人差し指で操作するタイプのトラックボールで、細かい操作も可能です。これも手首への負担が少なく、また手のひらタイプほど慣れに時間がかかりません。多くのボタンを搭載している製品が多く、さまざまな操作を親指だけで行えます。
親指操作タイプ
マウスに似た形状の製品が多く、側面にあるボールを親指で操作します。クリックするボタンがマウスと同じ人差し指、中指で操作するため、マウスからの乗り換えに適しています。手首への負担は軽いものの、親指に負担がかかります。
空中操作タイプ
トラックボールのなかでも特殊な製品で、デスクに固定せず、手で握って親指で操作します。自由な姿勢で操作できるため手首の負担を軽減できますが、細かい操作が難しいことと、使い慣れるまで時間がかかるのは欠点です。
ボタンのカスタマイズができる
トラックボールには細かい操作が苦手という欠点があります。そのため、できるだけボールを操作せずに済むよう、ボタンの多い製品がおすすめです。ボタンの多いトラックボールだと、10個前後もあります。これらのボタンをカスタマイズできるトラックボールなら、コピーやペーストなどの操作をクリックだけで済ませられ、指への負担をより軽減できるでしょう。
手首に負担のかからないデザイン
トラックボールによっては、手首への負担を軽減するデザインの製品があります。人間に最適化したエルゴノミクスデザインのものや、手首の角度を変えられるものもあります。手首や指への負担軽減を目的にトラックボールを選ぶのですから、そういった負担の少なさをアピールしている製品がおすすめです。
実際に手で触って確認する
トラックボールはマウスと比べると、さまざまな形状があり、実際に触ってみないと使用感がイメージしにくいのが欠点です。よく確認せずに通信販売で購入すると、手の大きさに合わない、思ったより手首に負担がかかるなど、イメージと異なるかもしれません。手に合わないトラックボールは、かえって負担がかかるおそれがあります。
面倒かもしれませんが、トラックボールを購入するときは、実際にパソコンショップや家電量販店で手に触れてみましょう。自分の手になじむ、ぴったりのトラックボールを見つけてください。
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