『君は放課後インソムニア』奥平大兼インタビュー「演じている自分が“うらやましい!”と思うほどの素敵な青春」
平素より大変お世話になっております。若手実力俳優の森七菜、奥平大兼をダブル主演に迎え、池田千尋監督が実写映画のメガホンを取る『君は放課後インソムニア』が6月23日(金)より公開。本作は、森七菜と奥平大兼が演じる不眠症に悩む高校生が出会い、時間を共有していくことで絆を深めていく様を丁寧に描いた⻘春感動作です。
2019 年より「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)にて好評連載中の「君は放課後インソムニア」は、お笑い芸人のケンドーコバヤシやテレビプロデューサーの佐久間宣行ら、幅広い世代から高い支持を得る大人気漫画で、現在、コミックスは第 13 集まで刊行されており、4月からはテレビアニメも放送中です。本作で、中見丸太(がんた)を演じた奥平さんにお話を伺いました。
──本作とても素晴らしかったです。私もそうですが、大人が泣いてしまう素敵な作品でした。
ありがとうございます!そう言っていただけると本当に嬉しいです。
──奥平さんは、作品解禁のコメントの際に「登場人物全てが愛おしい」とおっしゃっていましたが、どういう所に愛しさを感じましたか?
まずは、浅はかな感想かもしれませんが、お互いに「みんな似ている」という話になったんですよね。見た目で似ているというのは実写映画としてはすごく褒め言葉だと思うので嬉しかったです。1ヶ月間みんなとずっと一緒に撮影をしていて、見た目だけではなく中身もキャラクターに似ているし、お互いのお芝居へのアプローチも似ているし、普段よりも、自分が芝居している時も、みんなの芝居がちゃんと見られたんですね。いつもは、自分の芝居のことしか考えられていなかったので。
最初は伊咲(森七菜)の良さが一番分かっているのが丸太だと思っていたのですが、だんだん他のキャラクターの魅力も感じできて。それが初めての感覚でした。
──みなさんのとても良い雰囲気がスクリーンを通して伝わってきました。
休憩時間にみんなで雑談をしていて、いざ本番が始まるとなった時に、その雑談の雰囲気と変わらないんですね。良い意味で。普通だったら“役”なので、変わるし、変わらないといけないのですが、みんな役柄そのままなので変える必要が無くてそれが良さとなっていました。自然にいる所を撮られている様な感覚でした。
──どんなお話されていたか覚えていますか?
もう本当にくだらない話ばかりしていたので(笑)、内容を覚えていないのですが、とにかく楽しかったですね。いち早くメイキングを観たいです!何をしていたのか、何を話していた僕自身が一番見たいです。
──森さんとの主演作となりますが、主演ということで意識したことはありますか?
これまで主演の方を周りから見ていて、「こうやって振る舞うのか」と感じたりすることもあったのですが、僕の場合はそこに力を入れすぎると芝居がおろそかになってしまう気がしたので、いつも通り取り組んでいました。森さんがいてくれたということも大きくて。主演を務めることも多かったと思うし、物語的にも丸太は伊咲に会って成長していくので、芝居の上でも伊咲に助けられていると感じていました。そして、後半の丸太の成長は伊咲だけではなく、周りのキャラクターによってもたらされているし。少しずつみんなに助けられていたと思います。
──出演が決まってから原作を読んだそうですが、丸太を演じる上でどんなことを工夫しようと思いましたか?
僕とは環境が違いますし、僕は不眠症ではないので、半端な気持ちで演じてはいけないと思いました。僕は丸太と世代がまだ近いので、こういう時にこういうネガティブなことを考えてしまうという気持ちは分かる部分があります。根本的な考え方、思考回路は分かりやすかったですけれど、それ以外の部分は監督と話し合ったり、伊咲とのお芝居で変わっていきました。
原作の舞台と同じ石川県・七尾市で撮影をすることが出来たので、その場所で本当に生きている丸太が出ていれば良いなと思いました。丸太のことが好きだし、「丸太だったらこうすると思う」と考えながら行動をしていました。
──丸太と、萩原聖人さん演じる父とのシーンがとても印象的でした。俳優の大先輩とご一緒して、学びを得た部分はありますか?
最初、丸太とお父さんの関係がそんなに良いものではないので、仲良くなりすぎない様、現場でもあまり話さない様にしていました。丸太が自分の気持ちをお父さんに伝えるシーンの後には、よく話す様になって。そういった(芝居への)アプローチって、一人でやっていると不安になるのですが、萩原さんがそこを汲み取ってくれていたことがとてもありがたかったです。お芝居も僕がやりやすい様に変えてくれていて、先輩としてとてもカッコいい方だなと感じました。
──本作では青春のきらめきが繊細に描かれていますが、奥平さんご自身はどの様な学生時代を過ごしていましたか?
中学生の頃は部活でスポーツをやっていたのですが、高校生になったらこの仕事をはじめていたので、青春というものはあまり無かったです。なので、この『放課後インソムニア』がうらやましいです!完成した映画を観て、自分なのに「うらやましい!」って思いました(笑)。部室の模様替えをして、自分たちだけの空間を作って、「これが青春なのか」と感じましたし、そんな素敵な青春をお仕事を通して味わうことが出来たことがありがたいです。
──本作で監督にお話を伺う機会があったのですが、カメラマンさんなどスタッフさんと監督がほぼ同い年で、作り手側も青春だったとおっしゃっていて。
確かにそうですよね、同い年、同世代だからこそ言いやすいんだろうなという雰囲気は僕も見ていて感じましたし、大変なこともたくさんあったと思いますが楽しそうに映画作りをされていたと思います。1ヶ月間、毎日の様に撮影をしていて、家族の様に濃密な時間を過ごしましたし、そうやって楽しい現場作りをしてくださってありがたかったです。
天文台とか狭い場所で撮影するとなると、僕らもスタッフさんもいる場所というのが限られてくるので、ワガママですけれど「こうやって撮られたいです」と意見を言わせていただくこともあって。お互いに意見とか「こうしたらどうかな?」と話し合いながらもの作りが出来て嬉しかったです。
──素敵はお話をありがとうございます。先ほど、アニメ「君は放課後インソムニア」で丸太を演じている声優の佐藤元さんと対談されている所をお見かけしました。
作品はアニメと実写とジャンル違うのですが、こうして同じ役柄を演じた方とお話出来るというのはとてもありがたかったです。気になりますよね、どうやって演じているんだろう?って。特に声優さんって声だけでお芝居をしなくてはいけないから、本当に難しいじゃないですか。以前よりすごいお仕事だなと思っていたので、興味深いお話を聞けてありがたかったです。『君は放課後インソムニア』を、原作、アニメ、この映画と色々な形で楽しんでいただけたら嬉しいです。
──今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!
撮影:オサダコウジ
『君は放課後インソムニア』
<ストーリー>石川県七尾市。高校1年の中見丸太は不眠症に悩んでいた。ある日、学校の使われていない天文台で、偶然にも同じ悩みを持つクラスメイト曲伊咲と出会う。
クラスではろくに話したこともないけれど、誰にも打ち明けていなかった不眠症という秘密で繋がり、次第に打ち解けていく。
そんな二人が天文台を勝手に使っていた事がばれてしまい、天文台が立ち入り禁止の危機に迫られる。
寂しい表情を浮かべる伊咲を見た丸太は、安らげる場所を守るため、休部となっている天文部の復活を決意する――。
出演:森七菜 奥平大兼
桜井ユキ 萩原みのり 工藤遥
田畑智子 ⻫藤陽一郎 / 上村海成 安⻫星来 永瀬莉子 川﨑帆々花
でんでん MEGUMI 萩原聖人
原作:オジロマコト「君は放課後インソムニア」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督:池田千尋
脚本:髙橋泉 池田千尋
主題歌:TOMOO「夜明けの君へ」 (ポニーキャニオン/IRORI Records)
企画・制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS
製作:映画「君ソム」製作委員会
配給:ポニーキャニオン原作:オジロマコト「君は放課後インソムニア」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
公式 HP:kimisomu-movie.com
公式 twitter:@kimisomu_movie
公式 Instagram:@kimisomu_movie
(C)オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会
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